ポポパポぺピアノ【毎週ショートショートnote】裏お題
今日は友達が遊びに来て天気がいいので裏山に登って景色を楽しんでいた。
「いい景色ね」
「そうね。山の裏の方は森が深いわね」
「森は行ったらダメなんだけど……」裏山の奥の森には子供だけで行ったらだめよとママから言われていたのを思い出しながら答えた。
「だけど、どうしたの?」
「昨日、夢で小人さんが出てきてポポパポペという名前の妖精さんが弾いているピアノを聞くと幸せになれるって、その小人さんが言ってたのよ」
「変な夢ね」
ーポロン、ポロン
「今、何か聞こえた?」
「え、何も聞こえないわよ」
ーポロン、ポロン、パロン
「やっぱり聞こえるわよ」と言って私は森へ走った。
「だめよ。危ないわよ」
友達の声は耳に入らず、私は夢中で森を走った。
ー幸せになりたい
その思いで私は周りが見えなくなっていた。
やさしく荘厳なポポパポペピアノが聞こえてきた。
ーああ、これで私は幸せになれる
光が私を包み森の緑が私の体を持ち上げた。
私は目をつぶったままふわっと浮かんだ。
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※幻想ホラーになりました。ポロン、ポロン、パロン、ポロンと聞こえた後にペロンと舐められるという気持ち悪い話にしようかと思って書いたら、予想以上に気持ち悪かったのでやめました。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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