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tokimekisagashi
友情の総重量【毎週ショートショートnote】
中学ではいつもあいつと一緒にいた。空はどこまでも高く、そして、青く、輝いていた。そんな空はどこへ行ったのか。今の空は低く、どんよりとした重たい雲が、今にも僕の頭に落ちてきそうだった。じっとりとした熱とへばりつく重い何かが僕を包む。
歩こうとしても、歩き出すことができない。
そして、僕は友情とはなんだろうかを考えた。
友情には重さがあるんじゃないか、そんなことも考えた。
『友情の総重量』はどれくらいか。その総重量は人によって違うのか。
友情に重量があるとしたら、あいつの僕に対する重さはどれくらいの重さだったのか。
中学校を卒業してから、あいつと会うことはなくなった。中学では仲良しでいつも一緒だった。いつも一緒にいることが自然で、それが当たり前だった。卒業したら別々の高校になって、連絡も取らなくなった。
そして、あいつには新しい友達ができて、新しい友情は重くなり、僕に対する友情は軽くなる。
あいつに言いたい。恋は重たいんだぞと。
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※ 対比だけで、僕は満足なんです。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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