親切な暗殺(2作品目)【毎週ショートショートnote】
あなたは私と別れて、あなたはここを出て行く。
急に他の女ができて出て行くなんてひどい。
ずっと付き合ってきたのに、結婚も考えてたのに。
この気持ちどうすればいいの。
どうせならあなたにやさしく『親切な暗殺』をされたい。
それから出て行ってほしい。
だけど、一日考えて吹っ切れたわ。
私は私の道を歩くわ。
あなたが出て行く前日、実家からゴルフバッグを持ってきた。
「おっ、ゴルフ始めるの?」と彼氏は言った。
「あなたとどうせ別れるし、せっかくだからやりたいことするわ」
「まあ、頑張って」
「頑張るわ……」
最後の日の夜。
ゴルフバッグには、親の家に置いてあった日本刀を入れてきていた。
日本刀をゴルフバックから取り出し、鞘から刀を抜いた。
刀は暗い部屋の中で、妖艶に光を反射している。
反射した光を見て、あなたと出会ったときを思い出していた。
鞘から抜いた日本刀を両手に持ち、寝ている彼氏のところへ向かった。
「私が『親切な暗殺』をしてあげるね。さようなら」
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※朝から暗い内容ですみません。第1感で思いついたものになります。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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