大増殖天使のキス【毎週ショートショートnote】
世界情勢の変化、地球環境の悪化、物価の高騰。
様々な要因の結果、世界からチョコレートがなくなった。
人々は最初のうちは嘆いたが、人々はそれを受け入れざるを得なかった。
バレンタインデーにチョコレートをあげる習慣がなくなった。
チョコレートの代わりに軽くキスをする習慣ができた。
『天使のキス』と呼ばれ、いつしかそれが当たり前になっている。
俺は高校に入り、去年は10人くらいから『天使のキス』をもらった。
今年は去年より身長も伸びモデルの仕事も始めていた。
昼休みになり女子が行列をなしていた。50人くらいはいるだろうか。
「今年は『大増殖天使のキス』になりそうだ」と俺が言った。
「昼休み中に済むのか?」と友人も心配した。
「わからない……」と俺が言ったとき、携帯の着信音が鳴った。
気がつくと自分の部屋の椅子に座っていた。
今日はバレンタインデーだった。
姉からもらったチョコレートを食べながら寝てしまっていたようだ。
男子校の俺は変な夢を見た。
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※まさかの夢オチです……
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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