ツノがある東館【毎週ショートショートnote】
「ご来館10,000人目、おめでとうございます!」
パンパンとクラッカーの大きな音が鳴った。
「『ツノがある東館』へようこそ」
鬼のツノを手渡された。
「これは……?」
「頭につけてください」
「こうですか?」
「よくお似合いです」
「これからお祝いの贈呈式が行われます。社長からの贈呈です」
社長が大きなツノを持ってきた。
「おめでとうございます。では、これを下半身に」
「ええ、いやですよ」
「着けるだけですよ」
「このツノは先日亡くなった会長が着けていたものです」
「どんな会長ですか。いやですよ」
「では、辞退されますか?亡くなった会長も悲しみますが」
「じゃあ、着けますよ。しょうがないですから」
「あれ、ちょっと刺さりましたか?ツノだけに」
「うまくないですよ」
「お似合いですよ。では一緒に歌ってください!『ツノだけに』」
「え……」
「ツノだけに~ああ、ツノだけに~、巡り会うたびに~」
「いや、パクりですよね」
「まあ東館だけにっていうやつですよ」
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※推敲なしです。一行目で惹きつけることができてるのかどうか……多分、惹きつけることはできてないです……書き出しは難しいですね。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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