騙せ林檎パン【毎週ショートショートnote】裏お題
デパ地下の高級パン屋。
開発中の林檎パンが完成した。
赤く、丸く、香る。
見た目は林檎そのものだ。
林檎の皮をパン生地に練り込んである。
食べる前からその香りが漂っている。本物の林檎よりも。
林檎パンの具は林檎のコンフォートと林檎ジャムを和えたものだ。
砂糖を加えてあるというのもあるがそれは甘い。本物の林檎よりも。
今日はその試食会だ。まもなく社長が来る。
「社長!新商品が完成いたしました。林檎パンになります。試食をお願いいたします」
「これが新商品か。林檎そっくりじゃないか。味はどうだろう。おおおおお、甘くてふわふわだ。林檎の芳醇な香りと酸味が鼻孔を充満している。林檎の甘みと酸味も本物の林檎よりも強く感じて美味しいよ。商品化決定だ」
社長は即決した。
「ありがとうございます。社長!この林檎パンの名称はいかがいたしましょうか」
「ふむ。よし、見た目は林檎そのものだから『騙せ林檎パン』でどうだろう」
「いや、ネーミングセンス!」
「てへ!」
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※毎週ショートショートnoteも書けたので仕事頑張ります。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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