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fukai_masaomi
半笑いのポッキーゲーム【毎週ショートショートnote】
ブラック企業の懇親会。
余興でポッキーゲームが行われる。
私はこの余興の何が面白いのかがわからない。人のプライベートスペースに他人の顔が近づいてくるだけで、むしろ気持ち悪さを感じる。だが、他の幹部社員達は大興奮して盛り上がっている。
部長の巨大な顔が近づいてくる。頭が大きいのか顔が大きいのか私の目が悪いのかなんなのかはわからないが、部長の髪は短く、まるで巨大なじゃがいものようだ。巨大なじゃがいもはすでにポッキーを咥えている。そして、軽くこちらに会釈した。私もそれに合わせて笑顔を作ったつもりだが、ひくひくと半笑いになっているかもだ。
『半笑いのポッキーゲーム』私はこれをそう名付けたいと考えていると、だんだんと意識が遠くなってきた。
「……くん……君……聞こえるか?大丈夫か?」
私が目を開けると大きなじゃがいもが、私に声を掛けていた。
「じゃ……じゃがいも……」
「そうじゃ。わしはじゃがいも人だ。じゃなーい。それより大丈夫か?」
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※巷を賑わせている不正受給ブラック企業に着想を得ました。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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