甘夏の肉離れ【毎週ショートショートnote】裏お題
刺さるような直射日光を避けるように、ぼくは木陰に座っていた。ふと見上げるとその木には甘夏がなっていた。その甘夏のうちの一つを見ていると、それは動いているように見えた。目の錯覚かなと思い、立ち上がりその甘夏に近寄って見てみた。すると、やはりその甘夏は動いていた。どこか震えているようにも見える。その瞬間ぽとりと地面に落ちた。落ちた甘夏はぶるぶると震えていて、その瞬間にょきっと2本の足が生えてきた。それは人間のような足で、ぼくはなんだかドキドキしながら、それを見ていた。その足の生えた甘夏はすくっと立ち上がり走り出した。ぼくはそれを追いかけていた。100mくらい走ったところであろうか、その甘夏は肉離れを起こしバタッと倒れ、甘夏の肉離れした足はピクピクと痙攣している。その甘夏を助け出そうとしたとき、ぼくは目が覚めた。そうだ。ぼくはマラソン大会に出て、肉離れを起こし倒れ、熱中症にもなっていたのだ。ぼくは変な夢を見ていた。
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※夢オチです。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
いいなと思ったら応援しよう!
サポートお願いいたします!執筆活動費にさせていただきます。