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だんだん高くなるドライブ【毎週ショートショートnote】
僕は桜の絨毯の道の上を疾走していた。疾走したあとの舞い上がる桜の花びらがバックミラーに映っている。
「すごいわね」
「桜の花びらすごいね」
僕はこの日、初めてケイコをドライブに誘っていた。
「今日仕事終わりに軽くドライブにでも行かないか?」
「いいわよ」ケイコは少し考えてから、僕の顔を見て答えた。
「夜景が綺麗に見えるところがあるんだ。山の上の公園なんだけどね」
「いいわね。じゃあ、あとでね」
「あとで迎えに行くよ」
山の峠道を疾走している。
スピード、気持ち、標高と様々なものがだんだん高くなるドライブ。
「着いたよ」
「静かなところね」
その公園には人が登れる展望用の鉄塔があった。鉄塔の2階部分の網に無数の南京錠が付けられていた。
「これなあに?」
「恋人同士が一緒に来てここで南京錠を付けると一生結ばれるっていう話があるんだよ」
「ふうん」
3階まで上り、僕はケイコの手を握り肩を抱いた。
「ほら、夜景」
「綺麗ね」
僕はそっと抱きしめキスをした。
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※仕事が瞬間的にちょっとだけ落ち着いたので恋愛系を書きました。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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