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洞窟の奥はお子様ランチ(2作品目)【毎週ショートショートnote】

「なんかいい匂いがするな」

「この洞窟の中からだぞ」

中に入り少し進むと、洞窟の奥はお子様ランチだらけだった。

「なぜこんなところにお子様ランチがあるんだわさ」と僧侶がつぶやいた。

そのとき洞窟の入り口から物音が聞こえた。

「ぐへへへ、まさか勇者ご一行様が入ってくるとは」

「お前らは何者だ!」

「俺様はゴブリンマスターだ。お子様ランチを置いて村の子供を連れ去ろうと考えてたのさ」

洞窟の中に10体ほどの武装ゴブリンの集団がどかどかと入ってきた。

そして、その瞬間、洞窟の中は灼熱の炎に包まれ、洞窟の入り口からは炎が吹き出た。

「気がついたらとなりでキレて業火魔法の詠唱してるんだもの。私も全体防御魔法の詠唱しないとだわさ」と僧侶が呆れるように言った。

「コイツがもう詠唱始めちゃってたからな」と勇者が魔法使いの背中を叩いた。

「さあ、村でお子様ランチでも食べるわよ」魔法使いは走り出した。

「おーい、待てよ」勇者達は笑顔で魔法使いを追いかけた。


(410字)


たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

※あまりそんなには読んでいませんが、ハイファンタジーは好きです。ベニー松山著『隣り合わせの灰と青春』、同著『不死王』は最高です。



*この記事は、以下の企画に参加しております。

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深遠 たた
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