しゃべる画像【毎週ショートショートnote】
個人の誰かが遊びで作ったであろう『しゃべる画像アプリ』からメールが来た。画像に音声を埋め込みクラウドに保存されて、20年経つとメールが来て開けて見ることができる機能がある。いわゆるタイムカプセルのようなものだ。
俺はアプリを開いて画像を見た。20年前の自分が写っていてパソコンを開いているところを自撮りしているようだ。
「やあ、20年後の自分。今、何してる?執筆を続けているか?小説家になっているか?俺は今執筆して公募を続けるか悩んでいるよ。公募は小説家になれなければ実に対価性がないように感じているよ。もしかしたら対価を求めること自体がナンセンスなのかもだけど、収入がないと生活に響くからね。いくら時間を使って努力して書いても読まれなければそれはなんの価値もないね。1か0の世界だよ。評価されれば1で評価されなければ0だ。あ、お腹空いたから牛丼食べてくるよ」
俺は晩酌のオーパスワンを飲みながらそのアプリをそっと閉じた。
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※お題がシンプルなので内容が他の人とかぶらないといいのですが。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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