シャンパン1杯だけで200人集まるパーティを退席してきた話
6月24日
それは、200人もの人が集まる、あるコミュニティのパーティの日だった。普段からSNSで交流している女性たち。大部分がリアルで会うのが初めてなので、その日をとても楽しみにしていた。
けれど、わたしは乾杯の(なんなら乾杯前だった)シャンパン一杯だけ飲んで退席してしまった。わたしには、どうしても帰らなければならない理由があった。
それは「企画メシ」という連続講座。
その初回講義とかぶってしまってたから。
「企画メシ」とは私が憧れるコピーライター阿部広太郎さんが主宰する、6ヶ月間のプログラム。
『企画でメシを食っていく』
通称「企画メシ」である。
そこは、わたしにとって参加費13,000円のパーティをあきらめてでも、どうしてもリアルで参加したい場だった。
しかもわたしは、そこに、わざわざ「頭を打たれに」行ったのだ。
プライドを砕かれに。
心をザワザワさせに。
私は今フリーランスでコピーライターの仕事をしてるが、元から広告代理店に勤めてたわけではない。ちゃんとした企業のクリエイティブ畑で、先輩に叩き上げられたコピーライターではない。
行きたかった業界に行けなかった。そのことにずっとコンプレックスを抱えて、自分のキャリアを卑下しながら過ごしてきた。
転職活動でそちらの道をチャレンジしたり、ボランティアのライター業にチャレンジしたりもした。しかし「ことばでメシを食っていく」には到底辿り付かなかった。
なんども、なんども、あきらめかけた。
夢みたいなこと言ってないで、とりあえず生活のために、就ける職で働けばいいのに。それでも、ついつい私は、いつの間にか「クリエイティブっぽいもの」の近くに寄って行ってしまう。
模索しても模索しても、やりたいことに全く「稼ぐ」がついてこない20代を経て、私はお母さんになった。
自己肯定感はストップ安。
お母さんとしても社会人としても自信がない。
もうこのまま子どもだけを生きがいにする人生なんだろうか…
しかし、私はじっとしていられるタチじゃなかった。SNS、つながり、コロナ禍などいろいろなことが追い風となり、夢中で動いている間に、いつしか私の「ことば」には価値が生まれた。
今は、自分の価値を信じ、自分の事業を成長させようと頑張っている。誰かが頼ってくれれば、役に立てることがある。助けられる人がいる。「稼ぎ」は少しずつだが増えているし、このままビジネスの勉強だけしていてもいいのかもしれない。
でも、私はクリエイティブの学びをやめたくなかった。
創造する力って、値段はつきにくいけど、たくさんの人を勇気づけるパワーを持ってる。いつの時代も必要で本質的な力だと思うから。
この力をどんどん高めて、わたしはこの先に出会う、自分のお客様や講座生に還元すると決めているのだ。
「企画メシ」は審査制の講座だけあって、クリエイトする力のある人が沢山集まってる。私が憧れてやまなかった広告や制作の仕事に就く、まだ20代のセンスある若者がうじゃうじゃいる。
もちろん年齢・職業にバラツキはあるが、そんな中に40代、子供産んでから独学でコピーライターを名乗る私が入り込んでる。想像してみてほしい、ちょっとした苦行。自分でもドMかと思うが、滝行しに来たようなものだと思う。
それでも。
「ことばの仕事」で稼いだお金で
きちんと審査を通って
今、憧れの人の講義を受けられている。
この事実。
わたし、成長したなあと思う。
素直に、うれしいのだ。
初講義。
シャンパン1杯分のアルコールと、後ろ髪引かれてたパーティへの気持ちがあっという間に揮発するくらいのアツい内容だった。
阿部さんに教えてもらった言葉
「Writing → Lighting 」
光の当て方を変えれば、見え方が変わる。
企画メシに参加できたことは、わたしにとって「頭を打たれる」ことでもあり「成長を実感できた」ことでもある。
そして、
シャンパン1杯でパーティを退席せざる終えなかったことは、一方で「勿体ないこと」だが、
「一杯 13,000円のシャンパンを飲んだ伝説を作った」という人生のネタを手に入れたことにもなるのだった。
1ヶ月以上前から虚偽の日程をTime Treeに入力していて気づかない自分に呆れるばかり。でもこんなポンコツでもメシが食えてる。成長できてる。夢が叶ってる。
半年後、どんなわたしに出会えるのだろう。これからが楽しみで仕方ないのだった。