郷内心瞳 作品解説「調伏」「お不動さん」
割引あり
短編「調伏」「お不動さん」の2作は、私が作家デビューするきっかけとなった作品です。
かつてメディファクトリー(のちにKADOKAWA)から刊行されていた日本唯一の怪談専門誌「幽」。その誌上において「幽」怪談実話コンテストというのが毎年開催されていました。
先に挙げた2作が大賞を受賞したのは、2013年に開催された第5回目のこと。
2作とも、我が家の近所に広がる森の中に立つ、古びた不動尊にまつわる話です。
地元では昔から「お不動さん」の愛称で親しまれている場所ですが、過去にはお堂の裏手の木立ちから呪いの藁人形が見つかったり、幽霊が出るという噂がまことしやかに囁かれたりしている場所でもあります。
2011年の初秋、結婚を機に今の住まいに移り住んでまもない頃に私と妻が体験した話が「調伏」。
私が少年時代に体験した、お不動さんにまつわる3つの怪異をひとつにまとめた話が「お不動さん」となります。
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