番外編 燕岳テント泊
彫金作家の傍ら、実は大の山好きである私。
GWで世間が賑わうこの時期はいつも制作やイベント出店に追われていますが、今年は5月2週目から忙しくなる予定。
所沢市からご依頼を頂いた作品を超特急で仕上げ、ネット販売のご注文品の発送も4日までに終えることができたので、5月5〜6日の日程で急遽登山に繰り出しました。
コロナ禍でテント泊も予約が必須になりましたが、幸い残雪期はそんなに混み合っておらず。
前日でも予約可能でした。
今回も高速道路に乗れないオンボロジムニー君で向かいます。
朝1時半起床→2時出発→6時55分中房第1駐車場到着
駐車場到着後、靴を履いたり準備したりで7時半登山開始
残雪期とはいえ、下の方はもう雪はありません。なんならめちゃくちゃ蒸し暑い(´Д` )
登山服も夏仕様ですが、靴と装備は冬仕様という夏なのか冬なのかどっちなんだいという感じ。
登山は山の状態に合わせて装備を自己判断するので、最初にミスるとエライ目に合います。
出発から2時間ほどの9時40分、中間地点あたりの富士見ベンチ到着
とりあえずここで休憩。
ポワポワと火照った身体を冷やしながら、行動食をもぐもぐしながらぼんやり人間観察。
燕岳登山道には休憩スポットの第1〜第3ベンチがあり、最後4つ目のベンチが富士見ベンチです。
ここから先は雪が残っているので、アイゼンを付けて登ります。
富士見ベンチから1時間半ほどで合戦小屋に到着
合戦尾根より先は、アルプス三大急登のひとつである「合戦尾根」
長いキツい急登が燕山荘まで続きます。
合戦尾根までがまずしんどいのに、ここから先またしんどいなんて考えるだけでゲッソリ(笑)
しかし残雪期は凹凸が全て雪で覆われていて平坦なので、正直どこの山も同じ感じです(笑)
合戦尾根をただただ無心で登り続け……
11時過ぎ頃、やっと稜線に出る
風が吹き抜け、ポワポワと火照った身体がサァッと一気に冷やされていく…なんとも心地よい風
燕山荘だ〜と思って喜ぶのも束の間、歩けど歩けど近づかない。ほんとにね、遠いんですよ。丘のようになっている道を登って降りて、登って降りて、登ってやっと燕山荘。
初めて登った時、燕山荘が見えてから到着するまでが長すぎて絶望したのを覚えています(笑)
冬季は燕山荘の正規ルートはまだ雪の下なので、裏手から回り込み、12時過ぎにやっとやっと目標の燕山荘に到着。
この美しい景色…‼︎
感・動(*゚▽゚*)
北アルプスの女王と言われるだけあります。
これを見たらあのしんどかった記憶が消え去るのですよ‼︎
早々にテント泊の受付をし、テントを張ります。
お腹も膨れ正気を取り戻したので、一路燕岳へ。
ここも近そうに見えて往復1時間かかります(笑)
テント場に戻ってきて一服。
何時間でも見ていられる景色。
これが見たくて、あのしんどくてツラい道を登ってきたんですよ。
何度来てもやはり美しいな…
私は1人で黙々と登り、1人でぼんやりと山を眺めるのが好きです。
もちろん仲間達とワイワイする山行も好きです。でも「自分と大自然」の時間を味わえるソロ山行は、登山をする上では無くてはならない時間。
鳥が飛び 囀り合い、虫が舞い、飛行機が空を横切り、風が頬を撫でていく。
あの花はなんて名前だろう、コマクサはまだ先かぁ、この鳥はイワヒバリだな、メスだろうか、この虫は何を食べて生きてるんだろう…
そんなことをじんわり考えながら自然の中に身を溶け込ます。
何気ない時間を何もせずただ ぼぅっと五感で感じる時間がとても心地よいのです。
下界で疲れてしまった心も山の中で栄養補給、久しぶりに水をもらった植物のように力が漲っていきます。
そしてのんびりしていると、心地よい風だったのが徐々に不安を抱かせるような湿度のある不気味な突風になってきていました。
この日の夜〜明け方まで、爆風になる予報です。ペグをいつもより多めに張り、爆風に備えます。そそくさと寝袋に潜り込みおやつを食べながら外を眺めていたらいつの間に寝ていました(笑)やはり1時半起床からずっと行動し続けはしんどいですね。
気付いたら朝でした(笑)
星を見ようと思っていたのにすっかり寝過ごしました。
自分でもびっくりするほど、何があってもどんな場所でも寝れる体質です。
爆風でテントが一張りやられたみたいですが、さすがは皆様 残雪期に来るベテランさん。テントが右へ左へ煽られはしたものの、爆風もなんのその。朝方まで無傷の方々ばかりでした。
ここで私1人ヘタこいてたら恥ずかしかったですが、私も無傷でいられて良かった
(実はスコップ忘れてたなんて言えないw)
ガスガスで朝焼けも見れず…。
この後 風は強くなる一方の様なので、早々にテントを撤収。
朝6時半に帰路に着きました。
帰路に着き早々、何やらヒソヒソと写真を撮っている方々が。
もしやと思い覗くと居ました…‼︎
雷を呼ぶという雷鳥さんが‼︎
ガスが湧き始めると姿を現す雷鳥。
5月から繁殖期なので見れたらいいなと思ってましたが、最後の最後に現れてくれました♡
子どもの頃ボーイスカウトで立山に行った時は、たかが鳥になんでそんなに興奮してるんだろうと思ってましたが(笑)、大人になり雷鳥と出会える確率の低さを知ると、その姿を見れる幸運に喜んでしまいますね。
天然記念物の雷鳥さん達よ、元気な雛を育てて後世に繋いでおくれよ。
雷鳥も見れて大満足したので、るんるん気分で下山します。
下山は早いですね、2時間ほど下り8時40分登山口到着。
いやーー楽しかった。
ソフトクリームを食べながら駐車場へ。
大町市に移動し、熱いお風呂で筋肉をほぐし この2日間頑張ってくれた身体を労ります。
久しぶりの登山で久しぶりのテント泊。
若い頃に比べて体力も落ち始めたなぁと感じる36歳です。
ほとんど運動なんてしていないのに、いざという時になんだかんだで動けるこの身体には感謝しかありません。
そして上田市で個展中の作家仲間のアトリエに向かう途中、上田市の名店・草笛さんへ。
GWで激混みでしたがラッキーな事にラスト1台で停めれました。
仲間の個展会場であるご自宅、お客様がいらっしゃったので邪魔にならないよう私はバックヤードでワンちゃんたちと遊ばせてもらいました(笑)
ちょっと前まで子犬感満載だったピリカちゃん、すっかりお姉さんになってました。
犬、飼いたいなぁ。
実はわざわざ中房から45分かけて大町市に移動したのは、内覧に行く予定の家があるからなのです。
内覧はまだ先ですが、外観だけでも見ておこうと思い立ち寄りましたが、見た目は築年数のわりにしっかりしていて庭もあり犬も飼えそう…。
ふむふむ。
犬も飼えそう。
ふむふむ。
また楽しくなってきたぞ。
ひとまず、今回の山行はこれにて了。
残りの仕事を完了させ、週末からのイベントに備えます。
久しぶりの登山でリフレッシュできたのでまた頑張れそうです!
今回は制作に関係ない話でした。
ここまでご覧くださった皆様ありがとうございました(^ ^)
またイベントでお会いできますと嬉しいです♫
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