【本】日本経済再起動
高橋洋一さんと田中秀臣さんの共著です。
お二人の対談形式の部分が、とても読み易いです。経済学と政策、政治の現実的なエッセンスをアベノミクス以降の時事問題などを通じて味わうことが出来ます。
アベノミクスの裏話や雇用環境改善が長期政権につながったことなど、とても面白い内容です。
第一章では、マクロ経済を理解している政治家が少ないことを改めて痛感させられました。財務症という緊縮策推進の症状が出ている政治家やメディア、官僚、学者が多く、スガノミクスも前途多難そうです。
第二章以降は、田中秀臣さんが経済学の観点から解説され、高橋洋一さんがツッコミを入れる形式です。
先進国の中で日本のコロナ経済対策を定量的に比較、評価している点も分かりやすくて、良い点です。
第三章では、一部で熱狂的なファン(?)がおられる、MMTについて。経済学の観点から、日本でそれ支持する方々の言動に関する点からも、とても支持出来るものではないことが改めて分かりました。日銀理論のような受動的金融政策では、アベノミクスの金融政策のような大きな雇用改善効果は望めないでしょう。
第四章は新型コロナ禍の自殺率などを通じて、経済政策が人の生命と健康に大きな影響があることを示されます。章のタイトルにコロナがあるのは第二、第四ですが、いずれも経済政策の重要性を指摘されていて、第一章の雇用環境を改善させる金融政策と第三章の金融政策を軽視した「理論」への批判も(後述の第五章も)含めて、一貫してマクロ経済政策の重要性を述べられていて、流石、リフレ派と思いました。
第五章は「構造改革論の誤解」という書籍で学んだことの良い復習になりました。「構造改革よりもマクロ経済政策の方が恩恵大」に激しく同意です。
経済学や政策論の観点から正しいことであっても、その良い政策が採用されるかは政治判断によります。スガノミクスが日本経済再起動に資するものであるか?この書籍で学んだ観点を基に、引き続きウォッチしていきます。
良い書籍を、ありがとうございます😊
<オマケ>
雇用環境を改善させたアベノミクスの成果と言えるグラフを3つほど作りました。
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