追加利上げ後のインフレ基調
2024年11月26日に日銀が「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」を公表しました。物価目標は2%ですが、基調の指数は、いずれも 2%を下回っています。
2024年11月18日の講演で、植田和男日銀総裁は、次のように述べておられました。
基調的な物価上昇率は、今後緩やかな上昇を続ける、との植田総裁の言葉とは異なり、基調的なインフレ率を捕捉する指標は、いずれも 2% を下回り、下落が続いています。
日銀は、2024年3月に金融政策の枠組みの見直しを行い、7月末には追加利上げを行い、「植田ショック」と呼ばれる株価下落を引き起こしました。
日銀推計の需給ギャップは、日銀が追加利上げを7月末に決めた前の四半期まで、なんと、17 四半期連続でマイナスでした。
植田総裁の11月18日の講演資料内の個人消費のグラフを見ても、消費は決して強いとは言えない、と思いますが、いかがでしょうか?
未だに 2019年の水準を下回っています。。。
私情関係者の中には、日銀が24年内、もしくは、年明けに、追加追加利上げをする、との予想をしておられる方々もいらっしゃるようです。
政府が経済対策(規模は小さいながらも)を実施しようとしている経済状況なのに、です。
政府の経済対策については、PwCの片岡剛士氏がレポートを書かれていますので、ぜひ、ご一読ください。
https://www.pwc.com/jp/ja/services/consulting/intelligence/assets/pdf/weekly-macro-economic-insights20241126.pdf
岸田文雄政権で任命された植田和男日銀総裁…
岸田文雄氏などが自民党総裁選の決選投票で票を投じたとされる石破茂氏…
基礎控除引上げに反対の自民党税調など
負の遺産が日本経済に重くのしかかります。
「手取りを増やす」のキャッチフレーズで、財政や税制に注目が行きがちですが、金融政策も注視が必要な、残念な状況です。
みなさまも、ぜひ、注視を。