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日本茶のハーブティーつくらないんですか?

「日本茶のハーブティーつくらないんですか?」
この問いに対する答えはいつも「NO」なのだが、それには理由がある。


そもそも僕は、日本茶に何かを加えていく行為が「料理」に該当するものだと思っていて、それは「料理人」に委ねる方がいいと考えている。もちろん、生産者自身が料理をおこない、前菜からデザートまでを作り上げることができればいいと思うし、漁師が寿司店まですることがいいことなのかもしれない。でも僕は、分業でいいと思っている。現時点では分業の「方」がいいと思っている。ワインの生産者がソムリエまでをせずにワイン造りに徹するように、僕は、お茶づくりに徹する方がいい。

のり重弁当

先日、代々木上原のレストラン「Sio」の鳥羽さんの話を聞きながら、のり重弁当を食べるというスペシャルな機会があった。のり重弁当は美味しくてびっくりしたのだけど、セットについてきたお茶にキレがあってお弁当の味を引き立てていた。僕は日本茶のプロ。それが「料理されたもの」だとすぐに分かった。山椒のようなものが加えられていて普通の日本茶ではない。ただの「お弁当とお茶」のはずが、コース料理のように奥行きを感じ、このストーリーに感動したのだ。

冒頭の話に戻る。

改めて僕は、しばらくはお茶づくりに徹したほうがよさそうだ。僕たちがつくった材料をここまで引き出してくれる人がいるのだから尚更そう思う。
僕らが取り組まなければいけないことは、素晴らしい料理人(※バーテンダーも)に、素晴らしい素材を提供し続けること。そして「こんな素材あるよ!」と提案することだと思う。なぜかって?
それは、僕らの方が畑に近いし、素材を多種多様に作ることができるからね。

ということで、僕が、日本茶のハーブティーを作るのはもう少し先の話になりそうだ。

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