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お正月くるくる・一年を歌った唄

お正月くるくる

:: 群馬のわらべうた
:: 羽根つきの唄・手まり唄 (ゴムまりのまりつき)

お正月のイメージの強い唄ですが、一年を正月〜十二月まで歌っているものなので、一年中、季節をとわず歌えます。

こちらから再生 歌ったのでよかったら聴いて覚えてください。通勤などのお暇つぶしに……!


◼︎各月の意味・言葉の説明

・これは大人のための説明です、子どもと遊ぶときにわざわざ教えないように。
・でも、もしも子どもから質問されることがあったら、教えても構わないでしょう。

◼︎二月
・初午とは稲荷神社のお祭りのこと
・江戸は稲荷信仰が盛んだった

◼︎四月
・「お釈迦さま」灌仏会(花祭り)が4/8にある
・お釈迦さまの誕生日を祝う

◼︎五月
・「お節句」五月のこどもの日がこれにあたる
・節句とは、一年を五つに分けた、それぞれ重要な行事
 人日(1/7)、上巳(3/3)、端午(5/5)、七夕(7/7)、重陽(9/9)
・現代では特に端午の節句(5月)をさす

◼︎八月
・「お盆さま」とは、お盆を人格化した呼び方
・正月を「お正月さん」と人格化するように、盆も人格化してこう呼ぶことがある
・正月と盆は日本人の二大行事

◼︎九月
・「お祭り」おそらく秋祭りのこと?

◼︎十月
・「大休み」おそらく神無月のこと
・出雲に神々が集うので、各地の神々が不在になる

◼︎十一月・十二月
・「しもづき、しわす」霜月・師走が短縮され1小節にまとめられている
 駆け足で通り過ぎる……さっさとお正月にいきたいとばかりに?
・農耕民族である日本人にとって、一年の暦は生活設計
 農作業の少ない冬は、感覚的にシーズンオフなのかもしれない

◼︎ふくべ:ウリ科ユウガオ属の植物
この果実を加工してつくられるものがヒョウタン🧉
くびれと末広がりの形が縁起が良いとされる

(お正月にちなんで縁起のよいものを連想ゲーム的に歌っているのだと思われます。特に意味はありません、たぶん。昔の子どもは歌を長く続かせるためにいろんな言葉をくっつけました。)


子どもに〝教える〟必要はありません

言葉の意味や何かを教えようとすると、とたんにそれが教育的指導になり、わらべうた遊びの楽しみが失われてしまうことがあります。

最初は理屈なしに、遊んで歌ってみてください。

文化的なことは特に教えたくなりますが、焦らず待つ待つ……。子どもが自分で〝気づく〟瞬間を待つ、気づきの嬉しさを本人のために取っておくような気持ちで、ただただ遊びましょう。

子ども時代にたくさん歌ったうたは、大人になっても忘れないので大丈夫です。

(私自身、昔はなんにも考えずに歌って遊んでいて、大人になってから「アッ!」とアハ体験したことが何度もあります。あれって嬉しいんだよなぁ〜。)

(子どもが子どもに教えるのはまた例外です。
子どもが子どもに教えるのと、大人が子どもに教えるのとは、子どもの心理的に生じるものがまったく違いますよね?)

うたが遊びの上達に役立つ

うたの調子につられて体が動くので、ちゃんと声を出して歌ったほうが上手になるんですよ。

多人数で動きを合わせたい時にも、うたが役立ちます。大きい子どもだけでなく、大人も、だんだんと長いうたを必要とするのはそのためです。

(逆にいうと乳幼児期は、短い節回しのうたを、くりかえしくりかえし、歌って聴いて、体にしみこませる時期です。)

また、歌の長さが達成感になって、技を磨くモチベーションにもなります。


参考資料

今回、私の歌ったうたの資料
(畑玲子・知念直美・大倉三代子『幼稚園・保育園のわらべうたあそび 秋・冬』明治図書)


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