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【こもりうた】子守唄ってなんだ?- あやす・あやし詞が基本です【歌と解説】

年齢別に整理してみて、子守唄を3つ! 選んで歌いました。

赤ちゃん ♬ころころ
2~3歳 ♬ねんねんねやま 
4~5歳 ♬からすァあっぱ(紹介だけ) ♬ねんねねむの木

子守唄の基本は「あやし詞(ことば)」です。 そして〝いつもの人〟が〝いつもの唄〟を歌ってくれるから、安心するもの。

なにが子守唄にとって大事か、ということを確認していきます。



(👆 youtubeの字幕機能「cc」を使うと、字幕が表示されます。目次チャプター機能もあるので、適宜スキップすることもできます!)

今回から音源をyoutubeに上げていくことにしました!!うわぁー!!チャンネル名は『うたおたく』です。

以下、音声と文章、まったく同じ内容をのせています!


文を読むのが大変な方は、音声で……。
音声聞くのが難しい方は、文章で……。

どちらでもいいので閲覧していただければ幸いです!



※文字起こしソフトを使っています。



基本はあやし詞


子守唄の基本はあやし詞です
「ねんねん」 「よしよし」 とか  
お母さんの声 お父さんの声 … 赤ちゃんは自分が落ち着く〝声〟を聞き分けることができます

「ねんねん」とか「ころんころん」とか これらのあやし詞は地域によって無数にあります 

つまり「ねんねんころりよ」という有名な歌の出だしも……あやし詞とあやし詞がくっついたものかな?

--「いたいた」遠野のあやし詞

私は「いたいた」という遠野のあやし詞が、すごく好きなんです
「いた いた いた」 どんな時に言うあやし詞か分かりますか?
 
これはね 『一旦 眠ったのに夢を見て泣きながら目を覚ましてしまった時に』
「いた いた いた」って呼びかけてあげるもの なんだそうです
大丈夫、お母さん ここにいるよ ほらいたね 「いた いた」っていう声かけなんですね 
そうすると赤ちゃんは安心して、また眠るそうです 

あやす、という事も、上の世代から下の世代へと引き継がれていく技能だと思いますが、現代でも上手に引き継ぎできているでしょうか?

あやす事、が、なかなか、今の人は不得意になっているんじゃないでしょうか? 

人間は本能で子育てをする設計になってませんから

昔からね 群れで子育てをしてきた動物ですから人間は
どんなことも、年長者がするのを見て学ぶようになっていて、本に書いてある知識だけでは 絶対にできないこともあるんですよね 

子どもをあやしてあげるって事も、そうだと思います 

特に 今 不得意なんじゃないかな って思うこと 

あやしに大事なのは たぶん〝目を見てやること〟と 〝繰り返すこと〟だと思いますが …
その 目を見ること も、くりかえすこと も, もしかしたら今は 不得意になっていませんか?


〝いつものうた〟を〝いつもの人〟が歌ってくれること


子守唄の基本は、 ねんねん よしよし といった、赤ちゃん時代のあやし詞だということ

それから、どんな歌も 子守歌 になる という理解も大事だと思います

伝承の唄でも、手毬唄をゆっくりゆっくり歌うものだったり、あとは船こぎ唄とかが、子守唄として紹介されてることはあって
「あれ、これって 手毬唄じゃないのかな?」と思うことがあるかもしれません 何でも子守唄として歌われていることはあるので、間違いではないんですよ!

何か 子どものお気に入りの歌で、速さとか 長さがちょうどいい歌があったら……

子どものお気に入りの歌で、それを聴くといつも安心できる、 という歌があれば なんでも子守唄になります

安心するために大事なのは〝いつもこの歌〟と決まっていることであり、またそこに〝親の顔が見えてくる〟… ということです

 〝いつものうた〟 を聞けば、 親の顔が見えてくる

「私の子守唄はこれだったんです」と、その人が大人になってからも思い出せるうたが、ひとつでもあるのであれば、幸せですよね 
『子守唄として、お父さんやお母さんが、自分に歌ってくれた』という思い出があれば、それがもう立派な子守唄といえるんですよね

だから、極論…… 赤いスイートピーであっても、井上陽水 であってもいいんですよ !

……面白いエピソードを聴いたんですが……

その人にとっての子守唄 は 赤いスイートピーだったんですって
なんでかっていうと、4歳の時に生き別れた お父さんが、いつも自分に歌ってくれた 歌 で 、これだけは覚えてるんだっていうことでね……

そういう、とっておきのエピソードがあって

そんなの、もう、それが子守唄に決まってるじゃないですか !!

いちばん大事なことは、「〝いつもの人が、いつもの唄を 歌ってくれた〟」ということだと思うんです 


だから まぁ やれ モーツァルトがいい と聞けばモーツァルトを聞かせ、
いや やっぱり日本の唄のがいいらしい と聞けば 日本の歌を聴かせてみる、 なんていう風に あっちゃこっちゃ する必要はないんですよね

それよりも 「いつもの人が、いつもの唄を」「落ち着く調子で歌ってくれる」っていう事のほうが、よっぽど大事 


※参考書籍 鵜野祐介『世界子守唄紀行 〔子守唄の原像をたずねて〕』藤原書店

※2024年の夏に開かれた、「わらべうた・子守唄学会 発足の集い」講演を聴いてきたのですが、そのとき鵜野祐介先生のお話のなかに『赤いスイートピー』のくだりが登場しました。

鵜野先生は文化人類学の観点から子守唄を分析されていて、書籍も大変おもしろかったです!

はげまし⇔なぐさめ
わらべうたは〝はげまし〟 子守唄は〝なぐさめ〟 という対比がすごく分かりやすく、いつも参考にさせていただいています。


とはいえ伝承の子守唄がやはりオススメ! - その理由

どんな歌も 子守唄 になると 繰り返してきましたが 
とはいえ やっぱり おすすめなのは、 伝承の子守唄です 
伝承の子守唄には、おすすめできるだけの理由があるんですよ その理由とは何か っていうと 

①くりかえし歌っても疲れない

伝承の歌は ①くりかえし歌っても疲れないようになっている、呼吸のように歌えるということ
言葉の抑揚 に基づいて メロディー ラインができている という為でもありますし 

プロが歌う唄 じゃない(ごく一般の人が、必ず歌える唄である)という前提もあります 

これまでの親たちが繰り返し繰り返し歌ってきて 歌いやすいものだけが引き継がれてきたものが伝承ですので 
繰り返し歌っても疲れない・呼吸をするように歌える という利点が 伝承の子守唄にはあります 

②慰めの精神

あとは ②慰めの精神 です 歌っている親・養育者自身のことも、慰めてくれる 心を落ち着かせてくれる

伝承の子守唄って、まぁ 親が歌ってきたものだけじゃなくて 

 子守 として雇われた人 …… 昔は10代の子供がもう子守として働いていて 、
そんな子達は『親の愛を歌ってやる唄』 ではなく 『自分を慰めるための唄』を歌ってるんですよね 

そんな歌を例にとると分かりやすいように  〝慰めの精神〟というものを すごく 伝承の子守歌は引き継いでいる 

歌う人自身の心を癒す
なので、やっぱり おすすめだな と思えるところがあります 

③あやし・子育てのノウハウも伝える

それと 基本に ③あやし・子育てのノウハウ があるっていうこと 

もう今では 子守唄を 歌ってもらった記憶はない、とか、「特に親から受け継いでない、知らないな」っていう人も珍しくないと思うんですが……

そうやって 〝子守唄〟を受け継いでいない っていうことは 
ともすると〝子どものあやし方〟も受け継いでいない ってことにならないかな?って 私は危惧しています

伝承の唄は 歌を受け継ぎながらも同時に、子どもをあやすっていうこと も
自然に 一緒に受け継いでいける気がしていて 
だから私は  伝承の子守唄を伝えていく という活動をしています 


※参考書籍 尾原昭夫『日本子守唄集成』柳原出版


伝承の子守唄を学ぶのであれば必須。
子守唄の集大成です!!
すべて曲譜つきでありながら、読み物としても面白い! 
ときどき挟まれる解説「ぼうやはよいこだ、について」「子守について」などのまとめ文章が、ばつぐんに分かりやすいです✨ 尾原先生すごすぎ……大ファンです😭

民俗的観点・音楽的観点 すべてを網羅している書籍はそうそうありません。 まだお読みでない方は、ぜひぜひぜひ、手に取ってください!


〝マザリーズ〟赤ちゃんの呼びかけに応える、が先にある


子どもをあやす ということを、しっかり 引き継がなきゃいけないんじゃないかということを お話ししてきました 

あやすことが、もしかしたら 今の人は 不得意になってるんじゃないかということ

特に、何度も何度も繰り返してやるっていうことと、目を見てあげるっていうこと
この二つがすごく不得意になってるんじゃないか と 私は感じるんです 


子どもにとって〝繰り返し〟が大事というのが、意外と親たちに伝わってないですよね 

大人は飽きちゃうんですよ  飽きちゃうのは大人だけで、子どもは本当は「もう1回、もう1回、もう1回!」って思ってるのに、
なかなか、こう辛抱強く 繰り返してあげられないのかなと

なんだか 、次から次へと手を替え品を替えと、 何かを与えてばかりでね……
満足するまで繰り返してやる、っていうことが、出来ていないんじゃないかと思います 


そう、あと目を見るということね 
あやしてあげることって難しいんだな…と 感じることの例なんですけど
 
ベビーカーに赤ちゃんを乗せててね で、赤ちゃんギャン泣きしてるんだけど 、お母さんからは 別に 何の声かけもなく、 泣いてる赤ちゃん ベビーカーに乗せたまますーっと通り過ぎていくこととかがあって(私がたまたまその場面を見てしまっただけで、普段は違うのかもしれませんが……)

そういう時に思うこと 「何か、声かけしてあげてほしいな」と思います 

あと、また、上手に声かけしてるお母さんを見かけることも、もちろんあるんですけど 、
そういう時に「目がちゃんと合ってるかな?」 っていうのを 結構 感じるんですよね

そう 目を合わせるということ  

いくら、あやすことが大事だとか 声かけが大事だって言っても、ずっと大人が一方的に喋ってるっていうのもなんかちょっと違うなと思ってて 

ずっと大人が一方的に何かを与えてあげるものっていうのが 〝あやし〟 なんじゃなくて 
要はコミュニケーション なんですよね 

しかも 赤ちゃんが何を伝えたいと思ってるか、 赤ちゃんから 何を受け取るか?っていうのが先にあるはず と思うんですけれども

なんかどうしても 現代のようにあらためて子育てを本や知識だけで引き継ごうとしていると
「こうしてあげるといいよ、ああしてあげるといいよ」っていう方法論になっていて、
何かやってあげることばっかりが意識化されてしまう……

そうじゃないんだ っていうこと 先に〝コミュニケーション〟であるべきなのだから 〝受けとる〟っていうのがあるんだっていうところが
 なかなか伝わりきってないところなのかなと思います 

くりかえす という事と 目を見る という事  ……


--マザリーズのふしぎ

あやし詞っていうのは
決まったフレーズをくりかえす、やさしい声で繰り返して安心させてやること であり 
優しくゆったりとしたトーンで、抑揚をつけて話しかける そういうものですよね
そういう、赤ちゃんをあやすための言葉かけを、専門用語では『マザリーズ』ともいいます

マザリーズというのは不思議なもので、大人も誰か他の大人のマザリーズを聴くと、スイッチが入ったようにマザリーズを使いはじめるんです

例えば普段低い声のお父さんが
家の中の女性たちが 赤ちゃんに対して高い声で話しかけているのを聞いたら、自然と自分も高い声でやさしく「おはよー」なんて話し出した……という事があります

そう 普段低い声のお父さん も「こうすればいいのか!」 って思ったようにマザリーズをマネし始めた、っていうね 


誰もが無意識にやってるようでいながら、やっぱり、人間は本能だけでは子育てはできない生き物なので、お手本となる人がやるところを見て聴いて学んで……まねて、始めるんですね


内戦や紛争……過酷な環境での子育て


内戦が起きている地域とか 、紛争地域で、お母さんが声を出せなかったり
 静かにしてなきゃいけなくてね  お母さんが子供をあやせないっていう状況もあるんだそうです 

そういう 過酷な環境で赤ちゃんを育てる母親に関する研究がまとめられた本があります

※参考書籍 マロック/トレヴァーセン/編著『絆の音楽性 つながりの基盤を求めて(原題:Communicative Musicality)』(2018)


※参考にしたweb記事 志村洋子『非認知能力と音楽--マザリーズの不思議』


 お母さんが声を出してあげられない状況とか、 または「産後うつ」に罹ると 、言葉が平坦になってしまってマザリーズが使えなくなる
そうすると赤ちゃん自身も だんだん 声を出さなくなっていく
そういう傾向が示されています

赤ちゃんにとっては「呼んだら答えてもらえる」ということが非常に大事
泣くことは、赤ちゃんからの合図なんですよね
合図を受け取ってもらえないと、もう疲れてしまって、合図を出さなくなっていくということ

やっぱりだから 赤ちゃんに気持ちを 表現してもらうことが大事なんだということ です

泣き止ませるために歌ったり抱いたりあやしたりするんじゃないんだ!っていう この理解も大切ですよね 

大人からの働きかけの前に

赤ちゃんからの合図を、上手に大人が受け取ってあげる、っていう事が先なんだと 
つまりは『受けとり 上手』になっていくことが、あやし上手になるためには重要なんだと思います 

外国のうた⇔日本のうた 

反動で両極端にぶれてきた?--なかみの〝人間〟の話をしてほしい


子守歌にまつわる考え方って 極端になりがちじゃないですか ?

『ふるくさい日本の歌なんて、捨ててしまおう、シューベルトの子守唄やゆりかごの歌のほうが素敵じゃないか』 って流れがきたかと思えば? その反動で……

『いやいや、近代化以降そうやって なんでも西洋にならえしてきたのが悪いんだから ふたたび日本の伝統の歌を歌おう』 となったりね 

振り子が両極端にふれてしまいがちだなと思います


本当は、でも? 

なんの歌をうたうかよりも、子守唄をつうじて子どもに何を伝えてあげたいのかとか、子どもをどう育てたいのか

あるいは、母親や養育者の心が子守唄によってどんなふうに保たれていくのか……

そういう、なかみの話のほうが、ずっと大事だと思うんです

 歌は手段であって 先に人間がいるはずで 
人間がどうあるのかを抜きにして、やれ外国のうたがいい、やれ日本のうたのほうがいい って歌の議論をしてしまっても不毛なんじゃないかなと 

だから 今日ここで 『子守歌 ってなんだ?』 というタイトルを掲げて考えてみたいのは 
音楽のジャンル分けのことではなくて、
子守歌 にとって大事なこととは何だろう?  という心持ちの話というか
マインドの話をできたらいいなと思い ます


子守唄はなぜ悲しげなのか?


子守唄 っていうのは 悲しげなものですよね 

悲しみと向き合うことが、現代の人はどんどん不得意になっているだろうなと思います
だってね 平均寿命も伸びて 死がどんどん遠ざかっていって 
肌は老いないように アンチエイジングして…… なんてね 
なんだか全てをコントロールできるかのような錯覚に陥ってる 
でも本当はそうじゃないですよね  思い通りにならないことが生きていく上ではいっぱいある 生きていく事ってそういうことの連続ですよね 

私は子守唄が悲しげなのは、悲しみを否定せずに受けとめるためだと思います 
〝慰め〟のうただって言われるのは、泣くことを許してもらえるからですよね 
泣くことを、許容して、受けとめるから 「泣いてもいいんだよ」 っていうことですよね 

要は 〝気持ちの落としどころを見つける〟ための音楽なんですよね 
泣きやませるための歌なんじゃないっていうところ 
そう 「泣いてもいいんだよ」って言ってくれるものが 慰めの精神であり 子守唄 なんだろうと思います 

--泣きやませるための歌ではない、という理解


気持ちを立て直すということは、大人でも難しいことですよね 

子どもが泣いたらずっと 泣かせっぱなしでいい……っていうことでもないですし 
悲しみを根っこから否定することでもない

あっちでもこっちでもない、ちょうどいい 〝落としどころ〟を見つけるということ 
大人でも難しいことなのだから 子どもはなおさら です

子どもも、たくさん泣くことを経験しながら 泣くことがだんだん上手になっていく、ということなんですよね 


泣くことは、〝赤ちゃんからの合図〟


遠野のわらべうたの教えでは「すぐに抱くものじゃないよ」と伝えられています 

受け取り方は気をつけなきゃいけないところだと思いますが……
(これは私の解釈 なのですが) 

「悲しみをすぐに取り払ってあげることが正しさじゃない」っていうことを伝えたかったのかな と思います 

先ほども言いましたけれど 泣くことは 〝赤ちゃんからの合図〟 なんですからね 
その合図を、お母さんは 「なんで泣いてるのかな?」って一生懸命うけとめて 合図の受け取り方をだんだん上手にしていく
赤ちゃんも泣いてるうちに だんだん 泣くことが上手になっていく 
そうやって ゆっくりゆっくり 一緒に、親と子になっていく、ということが大事なんじゃないかなと 

※参考書籍 阿部ヤヱ『「わらべうた」で子育て 入門編』福音館書店

母の友での連載(2000年~2001年)がまとめられた本です。〝遠野のわらべうた〟認知がひろまるきっかけ・ブームの火付け役になった本なのかな、と思います。

ただ、阿部ヤヱさんご本人から話を聞いた人いわく、ややハウツー的な受け止められ方をしてしまったので、このシリーズ本に納得はいっていないそうです。(私が読むかぎり、とても参考になる本だったのですが、たしかに真髄までは伝えきれないままマネされてしまう危惧はあったのかなと思います。)

〝呼びかけの唄--遠野のわらべうたの語り伝え』エイデル研究所〟

↑ 阿部ヤヱさんご本人が書き下ろした次のシリーズで、エイデル社から出ている三部作があります。こちらのほうが圧倒的に読みごたえが強いです!
そもそもの『生き方と子育て』にまで、本気で見直すことを考えさせられるような内容となっています……! 
(後書きの露木さんの言葉と熱意にも感動させられました。まだまだ何度も読み返そうと思います。)


子守唄 っていうとよく 「母の愛は偉大…」とか語られて 
なんだか 、完璧な愛情がそこにある、かのように言われてしまう
それには、私はちょっと違和感があって……

完璧な愛情なんていうのは やっぱり 幻想で、
むしろ ゆっくりゆっくり 一緒に、悲しみでも 何でも味わって 
ともに 親子になっていくんだよ っていうこと

最初から完璧な愛情とかがあるわけじゃないんだよっていうことを 教えてくれているものなんじゃないかと  思います 


子守唄を年齢べつに整理してみよう


伝承の子守歌は 段階を追って 年齢別に整理していくことができます
 赤ちゃん時代であれば、基本のあやし詞のくりかえしだけでも十分 シンプルなくりかえしの唄があります

2~3歳になって言葉がわかりだしたら すこし歌詞のある長めの唄が合うようになります
そういった具合に 少し、整理をしてみましょうか 

まずは 赤ちゃんへの基本の シンプルな くりかえしだけの唄 「♬ころころ」という唄を歌います 

◇赤ちゃん ♬ころころ

(歌)♬ころころ

木村はるみ『わらべうたと子どもの育ち』エイデル研究所

これだけ! これの繰り返し 

まだ言葉を話さない 赤ちゃん時代の子守唄であれば こういうので十分 
もしくは基本のあやし詞だけでね 

◇2~3歳 ♬ねんねんねやま 

だんだん言葉が分かってくると 「♬ねんねこせ」「おらえの 〇〇ちゃん」っていうような、 子どもの名前の入る歌だったりとか、あとは、
「♬ねんねん寝山の」のような、お話 仕立ての子守唄 

言葉が気になって、聞いてるうちに、だんだん眠くなって寝ちゃう… という類の子守唄 が2~3歳になると ぴったり合うようになってきます 

「♬ねんねん寝山」の子守唄を歌ってみます

(歌)♬ねんねん寝山
※この歌は、以前にも記事にまとめていますので、ご参照ください! ☟

尾原昭夫『日本子守唄集成』柳原出版


これがねんねん寝山 お話 仕立ての子守唄です 

「子守唄は何曲もいらない」って言うんですけど そう、
「〝いつもの人〟が〝いつもの唄〟を歌ってくれること」のが大事だからね 

だから1つか2つ……多くても3つぐらい持っていればいいのかなと 

ただ保育士さんとかであればね  自分の子ども以外の子に歌ってあげるっていう機会が多いので、なるべく いろんな子にそれぞれフィットする歌があるかもしれないから 何曲かストックを持っておくっていうことはあるでしょう


◇4~5歳 ♬からすァあっぱ(紹介だけ) ♬ねんねねむのき

阿部ヤヱさんが伝えてくれた遠野のわらべうたの中には さらに、
4~5歳になったら歌う子守唄 として 「♬からすァあっぱ」というものが紹介されています 

4~5歳向きの歌として出てくるんですけど 、これは、歴史を伝える 子守唄 なんですよ !

言葉の中に 「かんまくらのねンずみは」「あんまり悪いねンずみで」「仏の油盗んで」って出てきて 
鎌倉のネズミが …なんちゃらかんちゃら言ってるな? というのだけ分かります

そう これが 遠野ってね もともと 奥州藤原氏が治めていたところを、源頼朝が治めるようにかわってから……すごく 年貢が厳しくなったり した ということがあるようで

その歴史を歌ってるんですって  「鎌倉のネズミが来て」というのは直接的に言ったら 良くないので こっそり こっそり 歌の中に隠してるそうなんです
 

4~5歳ともなれば、もう自分でも歌を覚えて歌えるようになっているので 
子どもが ふんふん♬って 自然とこの歌を歌いだすのを待って あぁ「からすはあっぱぁ」を覚えたんだな って分かると
すかさず 「実はな、この歌にはこんな意味があって……」と歴史の話が始まると 

だからつまりは 引き継ぎたい文化の継承手段として子守唄 が使われていたっていう事例 なんですけどね 

……歴史の話とまでは行かなくても とっても引き継ぎたいこと 
「精神を引き継ぐ」っていう意味をもつような子守唄があるので 

一つ 歌ってみます 「♬ねんねねむのき」を歌います

(歌)ねんねねむのき

木村はるみ『わらべうたと子どもの育ち』エイデル研究所

これはね 「早く寝て、早く起きなさいよ 」っていうことを伝えてる 歌 なんですよ 

要は生活習慣の大切さ、ですよね ! 「早く寝ないと早く起きれない」
それで寝不足だとなんだかもう1日がグダグダになっていく… っていうこと(身に覚えがあるなぁ~~)


寝なさい 寝なさい って訴えかける歌はたくさんありますけど、この唄の中にはちゃんと、「寝る・起きる、っていうことが生活の基本だよ」 っていう 引き継ぎたい メッセージを感じますよね 




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