石像の愚痴

《昼の石像》
あんさ、俺の周りに雑草とか生えてるのは百歩譲って許すよ？
虫は嫌いだけどさ、建物の中にも虫っているんでしょ？
知らないけど。
ほら、俺建物の中入ったことないからさぁ。

話戻すよ？
んで、俺の前にベンチ設置するってどういうことよ？
俺、座れないんだよ？？
足が棒になったとか言ってますけど、こちとら年単位で立ちっぱなしで、石になりましたけど？？
蹴ってやろうか？
その辺の自販機でも凹むぞ？

でさ、おじいちゃんと散歩してるわんことかが座ったらさ、「可愛いなぁ」とか「今日も来たねぇ！」って気持ちになるけどさ、カップル！！
俺の前でイチャイチャするな〜！
本読んでるように見えるけど、空気読んでるだけだから！！！
思いっきり見えてるし聞こえてるから！！
こちとら君らより歳いってるけどね、好きな人にも会えたことないんよ！！
程々にしてね！！

あとこの本よ。
もうこの見開き1頁だけ読んでるからもう見てなくても言えるんよ。
そろそろ違う本に変えてもらえませんかねぇ？
背中の薪も重いし、雨風にこんだけ晒されたらもう使い物にならないよ！！

どなたか改善お願いしますよ！
そろそろ辛いんです！
酒の1杯くらい飲ましてください！！

《真夜中の石像》
なんて愚痴いってたけどさ、このベンチで座って気持ちいい風に当たりながら飲むお茶が最高なんさ。
この暮らしも悪くないなって思うんだよね！