体も心も疲労困憊だ なのに、まだ動ける。脳が働く。 今までであれば嫌悪感を抱くことだろう。 だが、今はそれが気持ち悪いようで心地いい。アドレナリンが放出されてるのがよく分かる。 この快感を教えてくれた鳥の名前は何だったかな
男1「またやられたのか?」 男2「あぁ、また浮気された」 男1「ほんとお前は付いてないね」 男2「でもな?今まで浮気した彼女の共通点があるんだよ」 男1「なんだよ?」 男2「さそり座なんだよ」 男1「偶然だろ」 男2「そうかもしれねぇけど、共通してんだよ。あーあ、次はいて座の女性がいい」 男1「それまたどうして?」 男2「いてはさそりを弓矢で射抜いたそうだよ」 〈解説〉 実話を少しと神話を混ぜたブラックジョークです。 お風呂に入ってたら思いつきました。 友人と話してたときに
傷つけたかったわけじゃない。告白してきたのは彼女からだったし、今思えば僕もバカなことをしたと思った。彼女は今、目の前でうずくまって泣いている。心が痛まないわけじゃない。それでも僕は…。 理香と僕は高校からの付き合いだ。もう5年になる。高校時代は俊介と3人で一緒にいることが多かった。俊介は運動ができて、顔も良かった。勉強はだめだったが。理香は勉強も運動もでき、美人だった。僕といえば勉強ができるくらいで、他人にあまり興味がなく、わいわいしてるより1人で音楽を聞いている方が好
とある城の中、一人の女がいました。王はいません。王の椅子にふんぞり返って座ってます。偉そうに。けれど、偉いわけではありません。他に座る者がいなかっただけです。 「食事の時間です」 「じいや、これは嫌いだり前から言ってるだろう」 そういうと女は食事を床にぶちまけました。掃除するのは勿論じいや。こんな奴に食事なんて出さなければいいのに。そのへんの雑草でも食ってろって感じですね。 ある日、城の中に見慣れぬ者が現れました。その女の指示で捕らえられました。捕らえるのは勿論じいや
一日目、自販機にお金を入れてボタンを押したら違う飲み物が出てきた。 二日目、前を歩いていた人が定期を落とした。呼び止めて定期を渡したら「ありがとう」を貰えた。 三日目、仕事場で上司と言い合いになった。試しにタメ口をきいたらクビになった。 四日目、プリンに醤油をかけて食べてみた。ウニの味を知らなかったことが分かった。 五日目、ウニが食べたくてスーパーに行った。財布を忘れたから試しに会計せずに店を出てみた。そしたら警察が来た。俺は捕まった。 六日目、警察に「ウニを食べた
体にしがみついてくる湿気を振り払う為にお風呂に向かった。浴室に入り、違和感を感じた。いつもとは違う香り…昼につけていた蚊取線香の香りが浴室に充満していた。蚊取線香とはタバコの香りに似ていた。好きだったあの人の香りだった。タバコが嫌いだった私が、タバコの香りで安心出来るようになった人。笑顔も怒りも涙も恥ずかしささえ、常にあの香りと一緒だった。毎週のように会い、笑っていたあの人は今やもう他人なのだ。窓から射し込む車の光で我に返った。薬指の輪をいじりながら玄関のドアが開く音を待っ
最近、人と関わることに疲れる。仕事終わりの週末。朝から何もいい事がない。かといって愚痴る相手もいない。恋人なんて…忘れてしまった。仕事の疲れを背負った帰り道、天気はあいにくの雨。なんでこんなにもついてないんだろう…。だんだん悲しくなってくる。心に憂鬱が広がる。…そうだ、あそこに行こう。 カードをかざして開いたドアを潜った。目の前には何億ともなる本が並べられた書架が広がっている。ここの本は全て私の為だけの本。 「ブックサーチ:憂鬱が無くなる本」 合言葉を言って私は近くの個室
「〜♪」 鼻歌を歌いながらルナは雨の中家への道を歩いていた。雨の日でもご機嫌なルナはスキップするような足取りだ。こんなこともあり、ルナは変わり者とよく言われる。主な理由としては常に誰かと話しているようなことが多々あるからだ。一人でいるのに「そうだよね」や急に笑い出すこともある。その様子が少し不思議で、幽霊でも見えているのではないかと噂する人もいる。でも本人はそれに対して全く気にしていない。なぜならどれも本当では無いから。 「さむいよ…」 ルナが歩いているとどこからか声が聞こえ
カイは頭痛で目を覚ました。二日酔いのようなだるさが体を襲う。カイは朝食の準備をするために重い体を起こして、台所へと向かった。台所に入った時、自分の目に映った光景に頭を抱えた。テーブルの上にはお酒の缶が転がっており、ゴミが散乱していた。 「はぁ、またか」 こんなことは初めてじゃない。カイは元々お酒をそんなに飲まないし、常に部屋が片付いてないと落ち着かない性格なのだが、朝起きると部屋が汚れているということが最近起きている。少なくとも週に一回起き、かれこれ三ヶ月となる。その日の前
もしも物語の中に入れたら君ならどうする?好きなドラマ·読みかけのあのマンガ·思い出の小説などなど自分で体験ができる。好きじゃないなら中に入り少しイジることもできる。そのあと歯車が噛み合うかは分からないけど、全ては物語で起きること。現実とは別世界。好きなようにやってごらんよ。さぁ、さぁ、さぁ! 学校の帰り道、いつも通る公園には珍しく人だかりができていた。 「いらっしゃい!いらっしゃい!ここにあるものは魔法のような物ばかりだよ!この世に二つとないものばかりさ!」 道化師の格好
「川渡り問題」という論理パズルがある。ヤギ·狼·キャベツ·人をボートで向こう岸に送るというもの。これには条件があり、運転できるのは人のみ。ヤギと狼·ヤギとキャベツは一緒のボートに乗せられないというようなものである。これが実際に起きた時そこではどんなやり取りが起きていたのだろうか。 困った。向こうに行きたいのに、ボートは一つしかない。ボートは二人乗り。 「主、どうするでやんすか?」 退屈そうに狼が聞いてきた。 「ぼ、僕は狼さんとキャベツとは乗れないよ」 涙目でヤギが訴えて
《注意》 こちらの小説は少しグロテスクな表現が含まれています。 ピロンッ 「よしっ!」 今日もいい動画が撮れた。題名は「知らないカップルの修羅場を撮影してみた」だ。他人の不幸を撮影してそれをSNSに流すのが俺のネタ投稿。これがよくバズるんだわ。批判的なコメントもあるが、ネタだから本気にすんなよな。みっともない。 俺は帰宅するために来た道を引き返した。動画を撮影した日はなるべく人が少ない道を選ぶ。少しでも身バレを防ぐために。すると… ドスッ 頭に鈍痛が走り、俺は意識を失っ
いつからか周りとは違うと思っていた。それはいつからだろう。ひょっとすると気づいてないだけで、生まれた時からだったのかもしれない。いい天気とは雨の日だった。天気予報士が晴れの日に対して「明日はいい天気です」と言っているのを聞く度にそちらの「いい」を押し付けないで欲しいと思っていた。同じクラスの奴が「みんな」と言う度、お前の世界はそんな少人数の世界で生きているんだななんてことも思った。まさにまさに井の中の蛙。 そして僕は君たちの中でどんな人と想像されているだろうか。誰か1人で
同じクラスのあの子が気になっている。 学校が終わった放課後、僕らは公園で遊ぶのが日課だ。サッカーをするグループ·カードゲームをするグループ·話をしてるグループ等々何をするかだいたい決まっている。僕はカードゲームのグループだ。スポーツが出来るわけでも、勉強が出来るわけでもない。クラスではそんなに目立たない僕だけれど、そんな僕にも好きな子くらいいる。教室では声をかけられない。その子は放課後の公園に来て、話をしている。きっとその話題の中に僕なんて出ていない。何か1つでも秀でるもの
惚れた方が負けなんて分かってる。恋なんてそんなもの。 最近のあなたは変だった。話してることも前に話していたことと食い違ってたりして…。嘘で固めた話するくらいなら話さなければいいのに。あなたに好かれてないことくらいとっくの昔に気づいてたわ。 こないだ会った時の私、あなたには違って写ってたんでしょう?そんな日でも笑うくらい許してよ。気づいてたか分からないけれど、あの日の笑顔は私の精一杯の表情だったのよ。きっとあの日で最後。次なんてないもの。それなら、涙なんてあなたに見せたく
1つの物語の始まり 後ろを向けば 今まで歩いてきた足跡が 横を見れば 違う選択をした自分が 存在している 前にはまだ道は無い 1年後僕はどこにいるのだろうか