見出し画像

エロじじいにはめられて初めてタイに行った時の話 ①

かつて10年以上前、約5年程、タイのバンコクで生活をしていた時期がありました。
当時、勤務していた会社で、とある製品を製造するにあたり工場にて駐在員として家族を伴っての生活でした。
約5年のうちの後半2年は、タイのローカルの会社に勤めていました。

初めてタイを訪れたのは、20代半ばで当時も製造管理という立場で、約1週間程の出張でした。
当時は、若年の社員がタイに出張というのは社内的には前例がなく、現地に行けるのは一部の幹部社員だけで、ある意味特権でした。
どうして特権かというと、

ものすごく、楽しい国

だからです。

若い奴らに行かせるくらいなら、ワシが行く!って感じだったんだと思います。
日中は、バンコク郊外の工場の視察と製品のチェックと称してチラッと工場に顔を出して、実務は、現地スタッフにお任せ。あとは、バンコクに戻り、マッサージ屋へ直行。夜は歓楽街に繰り出して、深夜に女の子をホテルにお持ち帰り。
しかも、何もかもが安いし、当時の日本人は金を持っているのはタイ人もよく知っていたからモテモテなわけで、こんな美味しい出張は、若手にさせるのはもったいない。っていう発想だったんだと思います。

ところが、事件が発生します。

タイで製造された製品を一部先行して納品したところ、ことごとく粗悪品で使い物にならず、納品先にかなり迷惑をかけていて、先方様はかなり御立腹な様子。製造管理体制まで問われる始末。
代わりに日本で製造するにしても、かかるコスト負担が莫大で、請け負った製造数量をこなすキャパのある工場もない。

それまで、美味しいタイ出張をエンジョイしていた大人達は焦り、知恵を絞ります。
別の誰かを製造責任者という事で、タイに派遣してそいつに品質管理をさせて、とりあえずはその場を乗り切ろう。これから出荷される製品の品質はそいつの責任だし、既に納品させた不良品の分も増産させてどうにかしちゃおう。
さて、それを誰にさせるか…。

この問題は、社内で既に知れ渡っていました。
候補として挙がったのは、最年少の私と私より若干年上のもう一人。
彼は、すぐさまこんな事で責任を擦り付けられてはたまらんと拒否の姿勢を鮮明にしました。
私は、あまりそんな事考えてなかった事もあり、もちろん拒否権もありませんでしたから、すんなり私が派遣される事が決まってしましました。

私がタイに派遣される事が決まると、例の大人達(上司)が私を呼び出して、タイに行くにあたっての心得をご教示頂きました。

大人「しんのすけ、お前タイに行くんは、初めてやな。」
しん「はい、はじめてです。っていうか海外がはじめてです。」
大人「ほうか、ほんなら心細いやろ。心配やなぁ」
しん「はい、でも空港には現地のスタッフも迎えに来てもらう事になってますんで、なんとかなるかと思ってます。」
大人「いや~心配やな。はじめてやしなぁ。タイは危ないしなぁ…」
しん「はぁ。」
大人「ほんならな、ワシともう一人も一緒についてったるわ。」
しん「はぁ。」
大人「ワシらもな、忙しいんやで、でもしゃーないわな。しんのすけもはじめてやしな。」
しん「はぁ。」
この期に及んでもまだ、タイで遊びたいんかい!
大人「あんな、しんのすけ、タイの喫茶店で、コーヒー言うたら絶対あかんで、」
しん「なんでですか?」
大人「タイ語で、コー言うたら下さいって意味や、ヒーいうたら女のアソコの意味や。タイ人の女の子に怒られんで、カフェ~言わなあかんのや。」
お前は何を言ってるんだ??
※確かに単語の意味はそうですが、実際、喫茶店で、そういう意味でとる人なんていません。
大人「まぁ、はじめてのタイやし、お前の事も心配やし、ワシらも忙しいけど、今回だけやで~。」
シバいたろか!

という事で、私の初タイが決定しました。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?