電車の中にいた異星人より、助けてくれた黒人男性の方が怖かった話。
会社帰りの電車の中で私は文庫本の小説を読んでいました。
その日の電車はやや混みレベル。
人と触れ合あうことなく適切な距離を保って私は立っていました。
何駅か過ぎた頃、私から見ると左側にいる男性が両手にそれぞれ吊革を持ち、吊革を大きく揺らしながら奇声を出し始めました。
たぶん異星人です。
異星人と私との間は1mくらいの距離があったので大丈夫だろうと判断しました。
ふと視線を感じて目の前を見ると、スーツを着た外国人男性が私を見ていました。
身長180以上はある黒人男性の方でした。
外国人男性は異星人にちらっと目をやると、怖いねという表情を作り私と異星人との間をさえぎるように腕を伸ばしてきました。
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