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思い出 超伝導体の実験と大学院時代

私は以前広島大学という国立大学の大学院生時代、圧力下における超伝導体の転移点(Tc)の変化を修士論文テーマとして扱っていました。

最近ふとした事から2020年に常温(約15℃)で高圧化なら超伝導状態が作れることが分かったと云うニュースを見て 、昔の大学時代を思い出してしまいました。

私の実験素材はビスマス、ストロンチウム、カルシウム、カッパー、オキサイド (BSCCO) と略されるものです。
今は高強度な電線の素材として使われているようです。

私は静水圧を多結晶体に掛け、圧力によってどのように Tc が動くのか実験していました。

圧力を掛ければ 掛けるほど Tc は上昇していきました。 といっても、それは 日常生活から見ると超低温 約110K (マイナス163℃)なので超電導になるメカニズムを探るのには有効な実験でも、実生活利用に対する即効性は希薄だなと当時感じていました。

ただ私はロックンローラーで

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大学院に研究のためと云うよりは、生涯就職サラリーマン化をちょっとでも先延ばししたいがために進んだので、とにかく修士論文が書ければいいやみたいな感じだったので余り気にせず、

実験室に小さなシンセサイザー キーボードを持ち込み、徹夜での実験の際には学内に余り人がいないのをいい事にもっと高い声でないかな と、発声練習したり、曲を作ってました。

これらの事は実験の合間に行っていたのですが、いつしか 音楽の合間に実験をするようになってしまいました。    
不届きな院生でした ...


しかし、このニュース! 常温! マイナス163℃辺りの世界から なんたる飛躍 !

音楽が余りにも好きなので、相対的に、物理は面白いと分かっていても、自分的には1万分の1ぐらいの面白さなので、殆んど気にかける事は無かったのですが、超伝導体だけは扱っただけあり、ちょっと愛着があるので、このニュースには嬉しくなってしまいました。

もっと研究が進み、太陽光発電の送電に使われることを密かに、密かに願ったりしています。



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