配当金を狙う株式投資とは
株式投資の醍醐味の一つに配当金があります。
日本証券業協会の調査によると、株式を購入する理由(複数回答)として最も多かったのが「配当がもらえる」で、全体のほぼ半数の人があげています。「長期の資産運用」「短期の値上がり益」がそれぞれ3割強ですので、やはり配当の魅力というのは無視できない要素といえるでしょう。
配当金は、企業が上げた利益の中から株主に分配される、利益の一部です。
企業があげた利益は、次の成長のために、工場を建てたり機材を購入したり、人材育成のための投資などにも使われます。
ベンチャー企業のようにこれから大きく成長が期待できる企業では、お金がいくらあっても足りないので、株主からの資金や利益は、ほぼすべてが次の投資に回されます。したがって、配当金が支払われないケースも少なくありません。
これに対して、ある程度規模が大きくなったり、成熟した市場で事業展開を行っている企業などのように、安定した成長に移行している場合には、投資に回すお金はそれほど必要ではなくなってきます。そうすると、その分は配当金として株主に還元されます。
企業が配当金をいくら支払うのか、というのは事前にわかります。
下に示したように、決算短信という資料に「配当の状況」という項目があって、ここに次の決算でいくら配当が支払われるか書かれています。また、ネット証券やマネー情報を提供するサイトでも各企業の情報のページで紹介されています。
ですので、気になる会社があれば、こうした資料やサイトからチェックしていただくのがいいと思います。
配当利回りの高い銘柄を狙う
配当金を狙う投資スタイルは、配当金で安定収入を得ることが一番の目的となります。
そのためには、収益は安定的に成長して、長期的に配当が期待できる銘柄を選ぶことになります。そして、配当利回りは3%以上ある企業を狙いたいですね。
配当利回りとは、株価に対する配当金の割合です。
1000円の株を買って、1年間に30円配当を受け取ったら、配当利回りは3%ということになります。いま、1年物の定期預金金利は0.002%ですから、かなり有利ですよね。
ちなみに日本企業(東証プライム上場)の配当利回りの予想平均は2.08%(3月15日時点)です。なので配当利回り3%は、かなり高い数字といえるでしょう。
どの企業が配当利回りが高いのかは情報サイトのランキングなどから知ることができます。高い会社では6%以上、5%以上の配当利回りがある会社も数多くあります。
ただし、配当利回りの高さだけで選ぶのではなく、業績や株価の動向もしっかり確認してください。業績が低下し株価が下がれば、配当利回りは上がりますので注意が必要です。
連続増配の銘柄を狙う
毎年配当金を増やしている企業がいくつもあります。こういう連続増配企業をチェックするという方法もあります。
配当利回りが3%に届かないとしても、毎年増えていくのであれば、長期保有にふさわしい銘柄ということになりますよね。
連続増配企業についても、情報サイトから知ることができます。
連続34年で断トツの花王はかなり知られているところだとは思いますが、毎年配当を増やしていけるというのは、それだけ毎年しっかり成長しているという証なわけです。
2024年3月の配当金を得るには27日までに株式を購入
日本企業の多くは3月決算です。そして、決算に合わせて配当金を支払います。
今年から始まった新NISAでは、個別株を購入できる「成長投資枠」は年間240万円まで枠が拡大しました。3月決算企業の配当金を狙う場合は、3月末(2024年は29日)の株主名簿に登録されなければいけません。
そのためには2営業日前(27日)までに株式を購入しておかないといけません。
配当金を狙う株式投資の注意点
前述したように、配当金は利益の一部を分配するものです。したがって、業績次第で増えたり減ったりすることがあります。また業績が大きく悪化すれば無配(ゼロ)になることもあります。この辺りは決算短信やリリースなどでしっかりチェックしたほうがよいでしょう。
減配や無配ということになると、株価そのものも大きく下がる可能性が高くなりますので、注意を怠ることのないようにしてください。
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