今日(9月4日)、日経平均株価はなぜ急落したのか?
今日(9月4日)、日経平均株価の終値は3万7047円61銭で、前日比1638円70銭安と急落しました。1ヵ月前の急落の記憶がよぎった方も少なくなかったことでしょう。
今回も原因はアメリカからやってきました。
昨日のNY株式市場でダウ平均株価は626㌦安(▲1.51%)、S&P500は▲2.1%、ハイテク株のウエイトの高いNASDAQは▲3.2%と、大幅に下落したことにあります。
9月は要注意!?
NY市場は2日(月)がレーバー・デーの休日で3連休でした。そして連休明けの3日(火)から9月の取引が始まりました。
アメリカでは、9月は1年の中で最も株価のパフォーマンスが悪い月といわれています。しかも、先月8月は株価が急落し、その後に急伸して下落分を取り戻すというようなジェットコースター相場だったこともあって、「9月は悪くなる!」「9月、どうなる?」みたいな報道が増えていました。
そのため、人々の気持ちのなかにも、「9月、大丈夫かな?」「大丈夫だよね?」みたいな潜在的な不安感が知らず知らずのうちに蓄積されていたのではないでしょうか。
昨日発表された8月のISMの製造業PMI(購買担当者景気指数)は47.2と予想(47.5)を下回りました。
このPMIという指標は、50を下回ると景気が後退に向かっている、50を上回ると景気は拡大に向かっていると判断されます。
したがって、この結果をみて「やっぱり、景気は後退に向かってるんだ!」
と市場は判断しました。とくにメガキャップを中心としたIT関連、素材や重工、エンタメ、エネルギーなど、景気動向に影響を受ける業種で大幅な下落となりました。
でも、7月のPMIは46.8だったので、実は少し上向いています。
今年の3月は一時的に50を上回りましたが、製造業PMIは23年の年初からずっと50を下回っています。今回だけ特に悪かったというわけではないのです。なので、明らかにマーケットが過剰反応した、といっていいでしょう。
これが、アメリカの株価が大きく下げた1つの要因です。
エヌビディア株の急落
もう一つの要因は、半導体株が急落したことです。とくに代表的な存在であるエヌビディアは▲9.5%と大幅な急落となりました。
エヌビディアに対して、米司法省が反トラスト法違反の証拠集めのため文書の提出命令を出した、との報道がなされたことが大きく響きました。
エヌビディアは、先週発表した5~7月期決算が好収益で、8~10月期の見通しについても高い収益を予想していたにもかかわらず、失望売りから急落した(期待が高すぎた)という経緯があります。
また、AIブームに関しては、巨額の投資を回収できるだけの高い収益が実現するのかという潜在的な疑心暗鬼が広がってきていました。そのため半導体株やAI関連株は、このところ振れ幅の大きな一進一退という展開が続いていました。
日本側の要因は
こうした米株式市場の動きは、とくに日経平均株価に対するウエイトの大きな半導体株を中心とした値がさ株に大きく影響し、1600円を超える大きな下落につながりました。
今週の日経平均株価は、一昨日、昨日と特に大きな変動もなく、相対的に落ち着いた展開でした。今日も原因となるような何か大きな悪材料があったということではないように思えました。
たしかに1円余り円高に振れたことは、株価にとってはマイナスに働いたといえるでしょう。また、自民党総裁選で金融資産課税が争点の一つに浮上してきたことも影響している、という見方もあるようです。
そうした事情を勘案しても、やはり今日の大きな下げはアメリカの株式市場が下げたことによる連鎖的な下落といえそうです。
こちらも、1か月前の暴落があるので、過剰反応したという点はあるかもしれませんが…
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