【モヤカラ♪ vol.8】 もっと知りたい!「共感と傾聴」のホントのところ
「Empathy is not sympathy.」
『7つの習慣』の第三部「第5の習慣」には、こんな一文があります。日本語訳はこちら。
ハッとする一文だと思うんですが、日本語だととても混乱してしまう言葉が含まれているんです。
それが「エンパシー」と「シンパシー」。英語の辞書を引くと、なんと、どちらの単語にも「共感」の訳があてられています。
詳しくはこちらのnoteに書いています。
人の話を聴くとき、「共感をもって傾聴することが大切です」と『7つの習慣』はもちろん、いろんなところで言われているわけですが。
はたして、この違いを意識できているでしょうか?
そして、なにができたら「共感をもって傾聴できた」といえるのでしょう?
毎月第1・第2月曜日の22時10分からTwitterのスペースで開催している「モヤカラ♪」。第8回目はスペシャル回として、「共感と傾聴」をテーマに語り合いました。
メンバーは「7つの習慣セルフコーチング」認定コーチ仲間のむらけんさんと、てしまさん。
てしまさんとわたしは上記の資格以外に、コーチングのコーチの資格も持って活動しています。
「共感と傾聴」は、抽象的な話やテクニック論が多く、コーチという職業の人がどういう感覚をもっているのか、あまり語られることはないかもしれませんね。
そこで今回は、コーチングから学ぶ「第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される」を中心にお話しました。あなたの「共感」と「傾聴」をチェックしてみてください!
本編はこちらから聴けますよ。
話を聴けた!と感じたとき、どこで手応えを感じてる?
コーチング型学習塾を経営されているてしまさんは、10代の子どもたちのお話を聴く機会が多いそうです。
いぜん、「モヤカラ♪」にご出演いただいたときも、思考を停止させる言葉の多さについてお話されていました。
てしまさん自身は、「しっかり話を聴いてあげることができたな」と実感するとき、ふたりの間に「充実した時間だったな」という空気を感じるそうです。
わたし自身は話を聴けたと感じるとき、「つながった」感覚があります。
ポイントは、片想いではないこと。
話を聴く側だけが、「やったぜ!!」と思っているのではなく、お互いに「いい時間だった」と感じているかどうかです。
また、むらけんさんは週に一度は奥さまと飲みに行って、1対1の機会を作るようにしているとのこと。「上手に聴けるかどうか自信がない」という方でも、お互いの考えを話し、期待を明確にすることで効果を得ることはできます。
打者一掃の特大ホームランとはならなくても、小さくコツコツと信頼を貯められる方法といえそうです。
しっかりと「聴く」を届けることで、信頼口座が増えていきます。増減を確認する方法としては、「また会いたい」「あなたと話したい」という言葉をもらったり、相手の行動が変化したりすることでしょうか。
「傾聴」って、どういうことなの……?
という悩みをお持ちの方は、このあたりをチェックポイントにしてみてください。
話に共感できないとき、なにが起きている?
一方で、理解と実践の溝が深ーーい気がしているのが「共感」です。
<他人の中に自分の感情を移し入れる>共感と、<同情的な>共感。
ふだん、人の話を聴くとき、どちらの態度をとっていますか?
てしまさんは、中学生女子のコイバナ♡を聞かされたとき、まったく共感できなくて、困ってしまったことがあるそう。
むらけんさんも、7つの習慣実践会や奥さまとの対話で、(失敗した……)と感じることが多々あると告白してくれました。
カンタンじゃないよねーーー……。
アメリカの心理学者であるカール・ロジャーズは、聴く側の3要素として「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」を挙げています。
1の「共感的理解」がまさに「エンパシー」のことで、2に挙げられている「無条件の肯定的関心」は、「評価しない・否定しない」として意識されている方も多いと思います。
盲点になりそうなのが、3の「自己一致」ではないでしょうか。つまり、共感する内容に対して自分にウソがない状態をつくれているかどうかです。
「モヤカラ♪」では、3人それぞれの経験を話しているので、ぜひ聴いてみてほしいんですが、noteでは「自分にウソがない」対話をつくれた例として、我が家であった「テニストーナメント事件」をご紹介します。
☆☆☆☆☆
早期リタイアしたうちのダンナ氏は、高校卒業以来、数十年ぶりにテニスを再開しました。
週に一度教室に通うのはもちろん、マッチングサイトをチェックして、知らない人とテニスを楽しむ。
意外にもアクティブな生活を送っていて、ホッとしていたある日のこと。草テニスのアマチュアトーナメントに出場すると言い出しました。
朝5時に、はりきって出かけていったダンナ氏。まぁ、ケガしないように、楽しんできてねーと見送ったのですが。
夕方、大はしゃぎで帰ってきました。
「3位入賞したんだよ~!!!」
ま、ま、まさか、3位!? あまりの結果にビックリしつつ、思わず聞いてしまいました。
わたし:「何人くらい参加したの?」
ダンナ:「4人来たんだけど、1人は途中棄権したんだよね」
わたしの心の声:(そ、それって、ビリってことでは……!?)
☆☆☆☆☆
さて、ここで質問です。あなたならこの状況で、ダンナ氏になんと声をかけますか?
ポイントは、相手の立場にたつことと、相手を否定せず、かつ、自分の気持ちにウソがないことです。
わたしの言葉は、記事のラストでご紹介しますね。
クソバイスの誘惑に勝つ方法
「モヤカラ♪」のオープニングでは、いつもその日のゲストに合いそうな曲をかけております。
「共感と傾聴」をテーマにしたスペシャル回のためにセレクトしたのはBeyoncéの「Listen」。まんまです。笑
歌姫の心からの叫びにホレボレしちゃいます。
この曲の歌詞を紹介したとき、むらけんさんが『第8の習慣』の一節を教えてくれました。
「共感的理解」や、「無条件の肯定的関心」とは、平たくいうと「下手にアドバイスなんかしないで、聴くに徹しなさい」ということだと思います。
でも、なんか言いたくなっちゃうこと、ありませんか?
てしまさんは、「うっかりアドバイスが出てしまいそうなときは、年齢差を感じてしまってるからかも」と仰っていました。
10代の子と、いいオトナですもんね……。
この「上と下」な関係こそ、クソバイスを生む原因といえるかもしれません。相手を無意識に「無力な人」とみなしているのです。
「もしかして、わたしってひと言多いのかも」と感じている方は、ご自身の「目線」をチェックしてみてもいいかもしれませんよ。
まとめ
「共感と傾聴」をテーマに語り合ったスペシャルバージョンの「モヤカラ♪」。
お互いの失敗談、工夫ポイントをシェアして、自分の「共感と傾聴」への認識を深める時間になりました。
理解に徹し、それから理解される。
『7つの習慣』が説く傾聴の重要性を理解はしていたものの、実践していくにはトライ&エラーの繰り返ししかありません。
我が家はけっこうな頻度でケンカが起きていたのですが、わたしがコミュニケーションを学ぶようになってからは、かなり減りました。
表現の工夫、言葉の選び方、タイミングを図ることなんかを、いつも意識しています。
先ほどご紹介した「テニストーナメント事件」の場合。たとえば、
① 「え~、それってビリってことじゃん!」
② 「すごいじゃーーん! おめでとー!!!」
といった言葉が考えられますよね。
でも、①を言ったら、即ケンカになるでしょうね……。せっかく楽しい時間を過ごしてきたのに、水を差すようなことはしたくないもの。
とはいえ、②のようなことを言うと、自分の気持ちにウソをついていることになります。これは相手に対して誠実ではない、といえそうです。
じゃあ、わたしはなんと伝えたのか。
「朝早くから出かけてチャレンジした甲斐があったね! お疲れさま!」
順位について触れると、わたしの中でウソが生まれます。でも、ダンナ氏のチャレンジにはエールを贈りたい。これだけ喜んでいるんだから、一緒に喜びたい。
そこでこんなふうに伝えたのですが、おかげでこの日は外食が決まり、ご機嫌のダンナ氏に焼肉をおごってもらいました!笑
自分への信頼の土台をつくり、周囲の人とのコミュニケーションを磨いていけば、きっともっとご機嫌でいられる時間は増えるはずです。
その第一歩となるのが、「共感と傾聴」の実践。それには「エンパシー」と「シンパシー」の違いを意識することが必要です。
現時点でわたしたち3人が考えていることについて話し合いましたが、一年後にはもっと違うことを言っているかもしれませんね……。
だって、人生は続くから。
今回の「モヤカラ♪」は、こちらから聴くことができます。noteには紹介していない事例も多いので、ぜひ聴いてみてください。
「7つの習慣セルフコーチング」の公式サイトはこちら。
講座内容はこちらに掲載されています。
「モヤカラ♪」過去の放送はマガジンにまとめています。
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