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日々の言葉 #26『小さな場所』
今日の日々の言葉は、東山彰良さんの『小さな場所』から。
東山彰良さんは、台湾で生まれた後、日本と台北を行ったり来たりしながら育ったそう。
『小さな場所』は、台北に住む9歳の少年・小武が、ずるくて、がさつで、やさぐれた大人たちの中で成長していく物語です。
小武の住む町は、治安がよさそうでもないし、住人たちもリッチではありません。食堂の手伝いをしながら学校に通い、友人たちと悪さをしたり、入れ墨ショップのお姉さんと仲良くなったり。
「小さな」場所かもしれないけれど、小武にとっては、ここが「世界」です。
ある日、チンピラの知り合いが小武に教えてくれるのです。
「ちっぽけな世界を選ぶにしても、まずは広い世界を見てこなきゃなんねえんだ。いろいろ知らなきゃ、そもそもどこがいちばんかなんてわかんねえだろ?」
いまいる場所が世界のすべてではない。
わたしは扉を開けて、外に出ることができる。
分かっているのに、変化に不安を感じてしまうのは、なぜなんでしょう。
「自分探し」という言葉は、いまではすっかり聞かれなくなったようですが、いまでもやっぱり自分を探している人は多いように思います。
自分の想いを押し殺していたら、自分が何を感じているのか分からなくなってしまう。自分の感情を表す言葉を探しているのだといえるかもしれません。
キャリアへの迷いや、夢を抱けないという悩みは、そんな「自分探し」の迷子になってしまった状態なのかも。
まずは、「自分に戻る」ことを目指してみてはどうでしょうか。
たとえば。
一年後、どんな自分に会いたいですか?