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ロシアの女子学生によるザハロワ報道官へのツッコミ

ロシアによるウクライナ侵攻が続いている。

世界的にはロシアのウクライナ侵攻は全く正義なんてない野蛮で非道な侵略行為という見方でまとまっていると思うのだが、ロシア国内に限っては必ずしもそうではない。

少なくないロシア国民が今回の戦争を、「ネオナチを駆逐してウクライナ国民を解放する正義の軍事作戦」というプロパガンダを信じてしまっている。

しかし、気付いているロシア人は気付いている。ロシアの行為になんの正義もないということを……。

5月19日(木)、ロシア外務省の報道官「マリア・ザハロワ」はエカテリンブルクのウラル連邦大学の国際関係学部で講演を行った。

この際、ある勇敢な女子学生がザハロワにツッコミを入れている。

今回はTwitterにアップされていた、この女子学生とザハロワとのやり取りを以下に紹介する。


●女子学生
ロシア政府、特に外務省は堂々と発言しています。
何十年ものあいだ、国の主権について誇らしげに語ってきました。
国家の主権についても。
しかし突然、ウクライナの独立を無視することにしました。
主権も無視することにしました。

●ザハロワ報道官
待って、我々はウクライナの主権を無視したことなんてないです。
実際、私たちはその独立と主権を紙の上だけでなく、純粋に扱った数少ない国のひとつです。
申し訳ありませんが、つい昨日まで我々は彼らと同じ国家、同じ国民だったのです。

(※このやり取りは、クリミア併合と「国民投票」から始まった)

●ザハロワ報道官
いや、待って、どうして国民投票が違法だと思うのですか?

●女子学生
国際社会の代表がいなかったからです。

●ザハロワ報道官
誰がそんなことを言ったの?
国際監視団は大勢いたの!
何を言っているの?!


以上だ。

……この女子学生の身に何か起きなければ良いのだが、この女子学生の言い分は正しい。他国の主権や独立を無視しているのがロシアという国なのだ。彼らに一切の正義はない。

一切の正義がないところにもって、虐殺や拷問や略奪や強姦を繰り返しているのだから鬼畜の論理しか持ち合わせていないとすら言える。

全くどうしようもない侵略をしているのがロシアなのだ。

ちなみに、多くの国はクリミアで行われた住民投票の結果を認めていない。日本の外務省も同様だ。


さて、最後に今回紹介したツイートに寄せられた感想(の邦訳)もいくつか紹介しておきたい。

●実際、マリア・ザハロワの言うことは一部正しい。彼らはクリミアの住民投票に本当に「国際監視団」を招いた。もちろん、親ロシア派のオブザーバーたちです。ほとんどが https://valdaiclub.com のメンバーです。

●勇敢だ。しかし、彼女は高いプロセ スを支払うことになる。勉強の終わり、いや、オリソン(※内容不明:筆者注)。なぜ私たちは、このような勇敢なロシア人をもっと支援しないのでしょうか?民主的なロシアだけが、将来的に受け入れられるパートナーです。

●この少女は勇敢だ。おめでとう。
侵略の傍らで自己決定と独立を支持するこの二面性は、常にロシア人を混乱させた。レーニンがこの言葉を彼らの心に刻み込み、それ以来、彼らはこの言葉の周りで苦労しているのだと思う。言葉では受け入れられていますが、現実には否定されています。

●レーニン主義からブレジネフ・ドクトリンに至るまで、基本的にソ連政権の基盤は侵略を強調しています。彼らは、世界征服というツァーリ(皇帝:筆者注)主義の考えを捨てなかった。

●この少女のような人が何人か出てくれば、そのニュースはすぐに広まり、人々は何かが間違っていることに気づくのです。

●反対者を殺害し、拷問し、強制退去させ、そして本当の国民投票を行ったと言うことはできない。つまり、これらの国民投票を真剣に受け止めている人はいるのか?ということだ。

●ザハロワは理屈をこねることができないが、この学生はよくぞ立ち上がった。自分の頭で考え、クレムリンの突拍子もない話に疑問を持つロシア人がいるのは良いことだ。


……こんなところにしておこう。

ウクライナに平和が訪れることを切に願う。その為にも、多くの心あるロシア人に立ち上がってほしいものだ。

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