【SPORTS】「蹴落とさないと・・・」これが勝負の世界(なのだが・・・)
今回はアメリカNBAから電撃的に日本のBリーグ復帰を表明した男子バスケの渡邊雄太選手のお話です。先日の発表から断続的に各メディア記事が発表されています。20代という我武者羅に活動できる時代をアメリカで過ごし、念願のNBAプレイヤーとして活躍した渡邊雄太選手。今回のサプライズの裏には様々な「思い」があったようですね。渡邊雄太選手の「言葉」を紹介しながら、改めてこれまでの健闘を称えたいと思います。
このタイミングでの決断について
本当に長い間、お疲れ様でした!と労いたいですね。第一線で活躍し続けるということがどれだけ大変なことか。当然、自分よりも身体的にも能力的にも上回る選手たちを身近にし、それでも歯を食いしばって、試合に出るためにそれこそ涙ぐましい努力を6年間送られてきたんだと思います。これは誰にでも出来るものではありませんよね。恐らく、渡邊選手のような素晴らしいプレイヤーでも、徐々に自分の中でのぼんやりとしたリミットのようなものが見えてきた、もしくは、ご自身で仰るように30歳という年齢をリミットとされていたのかもしれませんね。とにかくこの決断は決して後ろ向きではなく、「渡邊雄太選手第二章のスタート」だと思います。
チーム内のコミュニケーションについて
甘いな・・・と捉える方もいるのかもしれませんが、やっぱり辛いですよね、仲間であるチームメイトを蹴落とさなければ、自分が前に進めない。それだけハングリーな戦いをしているんですよね、アメリカは。確か、メジャーリーグも同じようなシステムで、メジャーから一転、マイナーリーグになった途端に、移動は長距離バス、ホテルはモーテル(ビジネスホテルのシングルレベル)、そして食事は冷めたピザ・・・というように環境が一変。要は「この環境が嫌なら這い上がってこい!」という「ザ・競争社会」なんでしょうね。
そういう社会だからこそ、アメリカンドリームなんて言葉が生まれるくらい、強者と弱者がハッキリしているんですよね。でも、頑張って成功すれば、誰しもそういう恩恵にあずかれるという一面もあるわけで・・・。このあたりはなかなか難しいですよね。とにかく渡邊選手はこの6年、いや学生時代等を含めると10年近くをこうした環境にいて、もう十分味わったかな、という気持ちなのかもしれませんね。
「次の試合に出られない」と言われたときのこと
勝負の世界とはなんと残酷なんだろう、と思いますよね。もし仮に、トレード後、まったく歯が立たない状況であれば、「試合には出さないぞ」と言われても仕方ないかな、ということなわけですが、本人含めて、良い感触だったところで、一気に冷や水を浴びせられたわけですから。別の記事ではメンタル面での不調について語っていましたが、あれだけの選手であっても、こんな状況に陥ってしまったら、当然、冷静ではいられないですよね。移籍後に試合に出られていなかった理由がここにあったわけですね。これは辛すぎます、本当に。
僕にもっと力があれば・・・
全然、実力不足なんかじゃないと思いますよ。それにウェルカムバックですよ、本当に!自分が本当に楽しめる、全力を尽くせる場所で輝けば良いんです!実量不足なんて・・・滅相もない。田臥選手が切り開いたNBA挑戦の道を、渡邊選手は複数年契約という快挙を成し遂げたわけですから、もう十分、精一杯頑張られたと思います。それより何より「バスケを楽しみたい」ってのがいいじゃないですか、これからはBリーグでの活躍が楽しみですね(Bリーグのレベルアップへの期待もできそうですしね)。
仲間からのエール
持つべきものは「良き友人」ですね。この写真と共に昨年秋のワールドカップ沖縄大会が蘇ってきますね。富樫選手も馬場選手もNBA挑戦の経験者。それだけに渡邊選手が戦ってきたものの凄さを肌身に感じていることと思います。そうした「同志」たちからの励ましは、きっと何ものにも代えがたい「宝物」なのではないでしょうか。改めてお二人からのメッセージを読むと、労いと共に渡邊選手を想う優しさに溢れていて、若干涙目になってしまいます(笑)。
次はいよいよパリ五輪だ!
渡邊選手の子どものような喜びようが思い出されますが、そんな昨年のワールドカップを「バスケ人生で一番嬉しかった瞬間」と仰っています。たしかに渡邊選手自身、背水の陣で臨んだ沖縄大会。今思うと、どこか神懸かった試合の数々でしたね。満面の笑みを浮かべて日本国旗を広げていた日本のエースが、満を持して日本のBリーグに帰ってきます。パリ五輪では仲間と共に存分、心ゆくまでトレーニングし、さらには最高の試合になるよう、いちファンとして応援していきたいと思います!