【LIFE BLOG】東京の寿司屋でインバウンド政策の驚異と国力低下を実感!?
今回は久しぶりに私自身のエピソードをご紹介したいと思います。まさにタイトル通り、日本の地盤沈下を実感した体験記になります。止まらぬ円安と長引く不況により、失われた20年、30年・・・と年々伸びているわけですが、そんな間にインバウンドと称して外国人旅行客をどんどん呼び寄せ、観光消費を活性化させようという政府の政策もあり、今や日本各地は人・人・人。それもメインは「外国人」。まあ、別にいいんですけど、やっぱり許容範囲ってありますよね、何事も。いやー、久しぶりに週末に都内(新宿・渋谷・銀座など)を巡って実感したのが、このインバウンド消費のすさまじさでした。
十数年前のデジャブ感
今回、台湾から友人が来ると言うことで、どこへ行きたいかとか、何を買いたいかとかを事前にリストアップしてもらい、あちこちある観光スポットを一緒に回ってきました。外国人観光客「あるある」のドンキホーテなんかもありましたが、それこそ代官山にある隠れ家的スイーツ店や香水店など、「どこで調べたの?」というくらい徹底したリサーチに驚きました。そして友人曰く「台湾にもあるけど、日本の方が安いからさ」とのこと。そうですよね・・・これだけの円安ということは、外国人にとってはすべてが「お値打ち価格」。そりゃ爆買いしますよ。ちなみに「(自分の)友人は日本で安く大量買いして、台湾で転売しているよ」とのこと。もはや転売ヤー問題は世界共通なのかもしれませんね。
そして驚くことにとにかく行列を作っているのがほぼほぼ外国人客ということ。そして稀に見る日本人買い物客が慎ましく数点購入するところを、彼らは一気にドカ買い。見ているこちらが気持ちよくなるほど、買いまくる(買い漁る?)姿をしばしば見かけました。でもこれって日本が円高時代に欧米の高級ブランド店に行列を作って高級品を買いまくっていたのと似ていますよね、なんだかそんな光景がオーバーラップしましたね。景気はサイクルですので、いつかはまた日本人爆買い時代が来るのでしょうか・・・!?
ある寿司屋でのエピソード
そして友人が「台湾で評判になっているから行ってみたい」という寿司屋を予約して行くことにしました。ちなみにお値段は一人諭吉さん一枚(今は渋沢さんですね笑)。恥ずかしながら私なんぞはカウンターの目の前で板前さんが握って下さる寿司店なんて数えるほどしか行ったことのない超庶民なもので、敷居の高さにドギマギしていたのですが、なんと店内は満員。さらに私の両サイドも台湾&香港からの観光客(ま、私も連れが台湾人でしたので、一瞬「ここはどこだ?」という気分になりました・・・笑)。
板前さんが非常に気さくな方で、途中でお話をすることができたのですが、コロナ開けからめっきり日本人客が少なくなったとのこと。さらにはやっぱり外国人観光客の方々がものすごく増えたそうです。さらには腕の良い板前さんがかつては「いずれは独立してお店を・・・」という夢もあったそうですが、今では資金面や仕入れ(大手には勝てないそうです)、そしてやはりマネジメント面からも厳しい時代だそうです。そしてこんな話を私が板前さんとしていると、周囲の中華圏の方々が互いに挨拶交換をし始め、中国語で会話をし出す展開に。最早、私と板前さんの方が「少数派」状態に(笑)。ここは一体、どこの国なんだ!?とこのシチュエーションに笑ってしまいました。
公約「会社の交際費を補助します」!?
そんな中、日本語の話せる老婦人(台湾出身)が「私はかつてはよく日本に来ていたけど、今回久しぶりに来て、やっぱり日本は良い国だなと思ったけど、なんだか少し変わった気がする」と仰っていたのが印象的でした。気の良い板前さんが「どういうところがですか?」と伺うとそのご婦人が「以前はもっとサラリーマンというか中年の日本人男性をあちこちで見かけたけど、今はあんまりいないような・・・」と。すると板前さんが「日本人のオヤジの力が弱まったんですよ(笑)」と自嘲されていました。
要はかつては交際費が豊富にあったり、仕事帰りに終電まで(時には終電をなくすほど?)ずっとあちこちの居酒屋などに繰り出していたサラリーマンたちが、コロナを機にめっきりいなくなってしまったそうです。たしかに私も自身を振り返り、コロナ後ってライフスタイルが変わったなと感じていました。そういう報道も当時は多数会ったように思いますが、やっぱりこうして実際に耳にすると、本当に時代の移り変わりを体感したように思いました。
そこでちょこっと思ったのが、タイトルにも書いた「会社の交際費を補助します」という選挙公約。なかなか敷居の高いこうしたお店にはやっぱり日本人も行きたいじゃないですか。外国人観光客を邪険にするつもりは全くないですが、彼らが安い安いといって美味しいお寿司に舌鼓をしている時に、我々が回るお寿司屋でチョイ飲みしました・・・じゃ、ちょっと悲しいじゃないですか(笑)。そりゃ、補助金などないくらい収入が増えればいいのですが、それにはもう少し時間がかかりそうなので、手っ取り早く補助金導入。今や「五公五民」といわれるくらいなんだかんだでサラリーマンは手取りから引かれているんだから、少しくらい還元してくれてもバチはあたらないんじゃないでしょうかね?
ただし、果たして会社のメンバーで飲みに行きたいのか!?笑
とはいえ、こうした問題がありますけどね、実際は。私もかつてはなんだかんだで会社の同僚や部署、チームのメンバーと飲み二ケーションは大好きだったのですが、一旦そうした文化がなくなってみると、直帰できるし、自分の時間も増えるし、何より「健康に良い!」笑。そりゃそうですよね、夜遅くまで会社のメンバーと愚痴や憂さ晴らしをして、翌朝、睡眠不足のまま会社に行き、仕事をしていれば生産性もあったもんじゃないですもんね。それにこのような文化は一旦途切れると、復活するのは非常に難しいですよね。会社のトップが音頭を取って半ば強制的にでも「月に一回は飲むぞ」みたいにならないとなかなかね・・・。それに今やハラスメント全盛期ですしね。
日本の寿司チェーン店が美味しすぎる問題
そして私が思ったことは、日本の寿司チェーン店が普通に美味しすぎるということ。時々テレビでも取り上げられていますが、商品開発力の素晴らしさや新製品開発の情熱。常に研究を怠らず、どんどん良い商品を低価格で提供していける大手ならではの力・・・と、どれをとっても素晴らしすぎるんだと思うんです。もちろん今回の回らないお寿司屋はとても美味しかったのですが、私にとっては普段足を運ぶチェーン店でも普通に美味しいと思いますし、なんなら品揃えも豊富で何よりカジュアルで気楽。これは日本のほぼ全ての飲食チェーン店やコンビニエンスストアに共通している、「日本が優れすぎて嬉しい悲鳴」問題ですね、最早。
今が幕末と重なる閉塞感
たかが友人を東京観光しただけで、幕末ってなんだよという話なんですが、テレビ等で散々取り上げられているインバウンド問題を我が事として実感した身として、今回思ったのがコレでした。ちょっと現政権が江戸末期とかぶるんですよね、なんとなく力を失い、迷走している感じが。有名な銀と金の交換比率の逸話がありますよね、日本の交換価格が非常に世界基準とズレていて、日本に銀を持ち込み、金へ交換すると差益で大もうけできるという話が世界に知れ渡り、幕末期に日本が保有していた貴重な金が大量に流失してしまったというエピソード(大雑把にいうと)。
なんだか今の野放図なインバウンド政策はまさにこれに近いな、と友人を案内しながら、我が物で闊歩している観光客を見て、なんとも形容しがたい違和感を持って彼らを眺めていました。もちろん彼らが悪いのでは無く、そうした政策を是としているのは日本国自身ですからね、岸田氏はもっと外国人入れるぞ、選んで貰える国になるぞ!と意気込んでいますからね、本当にこれでいいんでしょうかね・・・(ちなみに私の友人はお寿司も買い物にも大満足して、東京観光を堪能したみたいでしたので、個人的には良かったですけどね)。