【バスケ】「言葉に意味を持たせる、力が宿ると信じている」~渡邊雄太選手の言葉(後編)
前回に引き続き、バスケ男子日本代表を無事(!)続けてくれることになった渡邊雄太選手の「言葉のチカラ」を語った記事をご紹介していきたいと思います。
しゃべられないからこそ、行動で示した
コミュニケーションの肝はなんと言っても「言葉」。相手と言葉を交わし、会話をすることで互いの意思疎通ができるわけです。しかしそのための「核」となるべき、言葉がうまく伝えられないとしたら・・・。おそらく渡邊選手はそうした葛藤に悩み抜いた末にたどり着いたのが、「行動で示す」ということなのでしょう。これって実はものすごく大変なことなんだと思います。特に外国では。
日本であればこうした姿勢は評価されますが、海外ではとにかく意思表示が求められる世界。アピールを上手にすることで、白黒が逆転するなんてこともあったりするくらいです。ましてやスポーツの世界で、重要な武器の一つである「言葉」のハンデを「行動」で示すことをやってのけたとは!ちなみに記事の後半で「エース」という言葉が出てきますが、渡邊選手は高学年の時に「エース」を担当されていたそうです。それだけプレーだけでなく、皆を率いる力を周りも見抜いていたのかもしれませんね。
パリ五輪に向けて「自分が常に成長していかないといけない」
素晴らしい!!このあたり、なんとなくメジャーリーガーの大谷選手を彷彿させる気がしてきませんか?しかもどことなく風貌も似ているような(気のせいでしょうか?)互いに日本代表の中心人物、かつ精神的支柱であり、プレーにおいてもトップレベル。同じ時期に日本の代表として大活躍されたのも何か偶然とは言い切れないような、不思議な「縁」を感じてしまいます。
そして現状に甘んずることなく、もっと上へ、もっと高みへ向けて努力を惜しまない渡邊選手のハングリーさがこの言葉から伝わってきます。「自分がもっとうまくなることが、ひいては日本代表のためになる」という確固たる思い、頼もしさと同時に畏敬の念を感じずにはいられません。確かにNBAの試合でも泥臭く、コート内を駆け周り、オールラウンダーとして何でもこなすアグレッシブなプレースタイルは、とにかく精一杯吸収したい、もっともっとうまくなりたい、という貪欲さの表れなのでしょう。
(僕らは)まだまだ成長できる、もっと強くなった姿を見せたい
勝って兜の緒を締めよ、ではないですが、悲願の五輪自力出場を叶えただけで、終わっていないところが渡邊選手らしいですよね。さらにしっかりと自己分析がされていて、今の日本代表の力では2次リーグには出場できない、ときっぱり言い切っています。だからこそ、もっともっと全員がうまくなって、パワーアップした姿をパリ五輪では見せたい、そんな決意が伝わる「熱い」言葉で締めくくられています。
さいごに
渡邊選手のこうした思いは、決して新聞でのインタビューのためだけのものではなく、おそらくすでに日本代表メンバーには伝わっているのだと思います。そして常に「勝てば官軍」な日本のメディアでは、先のW杯の成功の余韻をそのままBリーグへとつなげている感があります。さらにBリーグ側もリーグ運営団体のみならず、各チームも工夫を凝らしながら、集客面のみならずファンサービスなど、そして何より白熱したプレーで会場のファンたちを沸かせています。
なんとかこの流れが維持できるよう、単なるブームではなく、野球、サッカーに続く人気スポーツとしてバスケが定着するような流れができてほしいと思います。そのためにはやっぱり日本が「強く」なければ当然いけません。渡邊選手の思いをきっと共有しているであろう、前回の日本代表メンバーの皆さん、ならびにセレクションに参加された選手の皆さん(きっと次回は!と思っているはず)、さらに私のような一介のファンも含め、全体で少しずつ根付いてきた感のある日本バスケが末長く人気スポーツであってほしいと思います。(あと・・・パリ五輪には八村選手も参加してくれないかな・・・という淡い期待、いや強い期待を常にしています!笑)