春はあけぼの/枕草子
「春はあけぼの」で知られる枕草子は、夏は「夜」、秋は「夕暮れ」、冬は「つとめて(早暁)」と、1日の中で季節ごとの好ましい時を挙げています。
あけぼのとは、ほのぼのと夜が明けてくる頃のことです。寒さも緩み、日の出も徐々に早くなる頃の明け方は心が浮き立つという人もいるでしょう。
あけぼののように、日本では豊かな自然環境を背景にしながら、四季を愛でる文化が育まれてきました。特に春は、新たな生命が芽吹く季節でもあり、会社において4月は、新たな年度が始まる月でもあります。
そういった四季を愛でる際には、心に空所をもつことが大切といわれています。空所とは、その名のとおり「空いた所」を意味しますが、「心に空所をもつ」とは、仕事など一つのことで心を満たすのではなく、その他の無関係な別世界をもつことをいいます。
例えば、ランニングや旅行、映画鑑賞など、仕事と関係ないような趣味が挙げられます。それが結果として、仕事にも生活全般にも良い影響を及ぼすといわれています。
私にとっては、春の花や新緑を眺めることも空所になります。そんな日常のひと時を大切にして、仕事も生活も充実させたいものです。