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やりたいことは、やってから見つかる

私の両親は共働き。
サラリーマンだった父は私が幼少の頃、海外に単身赴任していた。誕生日には電話やカードを送ってくれたのを覚えている。
何度か家族で父に会いにいった事があるらしいが記憶には殆ど残っていない。それもその筈、写真の中の私はほぼ父に抱かれて寝てばかりいた。
家では祖母の介護をしながら母が1人で私と姉を育ててくれていた。
そのため、保育園のお迎えはいつも最後で、鍵っ子デビューは小学校入学と共にやって来た。


両親の仕事の休みが合わずに父の実家に帰省する時、母だけが来られないこともあった。
それでも特に寂しいと感じたことはない。

それが当たり前だったから、小学校に上がり周りの家庭はそれぞれに違うことを知り疑問が湧いたので母に聞いてみた事がある。

「お母さん、専業主婦になりたいって思ったことない??」

母は間髪入れずに答えた。

「ない!お父さんがいつまでも絶対に健康で働けるなんて保証は無いでしょ?そうなったら家族を守れるのはお母さんだからね。家族は共同生活。できることをできる人がやる、協力する、チームワーク。それとね、仕事って社会貢献だと思うの。家の中だろうが外だろうが役に立たないと、勿体無いじゃない?」

ただ、逞しく。
ただ、潔く。

当たり前だと思っていた環境の中、母がとてもカッコよく誇らしく思えた。
保育園で「魔法使いになりたい」と堂々と言い切った私の目標は「母のように働く」とその時シフトチェンジした。


父は脱サラし、働きながら猛勉強の末に国家資格を取得。両親は小さいながら事務所を構え地域に密着して休み無く働いている。
子供ながらに父が忙しそうにしていたのは知っている。いつ寝てるんだろう、と思っていた。
それでも家事や子育てを母に任せきりにすることはなく私も随分と遊んでもらった。

きっと言わないけど私が予想できる何倍も苦労を背負っていたのではないだろうか。
父と母が大切に育ててきた場所を無くしてしまうのが勿体なく申し訳なく思って父に切り出してみた。

「私が継ぎたいって言ったら、どう??」

すると父は
「本当にこの仕事に興味があって、心からやりたいと思うならバックアップは惜しまない。でも、それがお父さんのためなら、継ごうなんて考えなくていい。お父さんは好きでこの道に進んだ、ある意味お父さんのわがままだよ。だからお前も好きなことをしろ。そしてその責任を自分で取れ。」

私はやっぱり父が大好きだ。

「うん。じゃあ、私は継がない。」


父はただ笑って「それでいい」と言った。


じゃあーー、何をしようか?
現実を知らない学生の頃は無鉄砲にもなれたのに夢と向き合った時に何度も挑戦する前で諦めた。やりたいことはあったけど、これで食べていけるか?そんなことを考えていた。
そして紆余曲折があって今私は思いもしなかった職業に就いている。

心身共に健康でいてもらうために食事と運動指導をしているが、この仕事に就く前は営業や営業管理、編集など様々な仕事を経験した。
器用貧乏のおかげで大抵のことをそつなくこなす為ある程度のところまで行くのは難しくはない。
ただ、そのお陰で何が自分の優位性がぼやけてしまう。好きなこと、できること、得意なこと、、突出してこれ!!!というものがないので定期的に燻る。

この先何をしたいかな。何をしたらいいかな。

そんな思いを抱えたまま縁とタイミングと勢いだけで現職に就いた。情熱や使命感はやりながら身に付いた。
それでも定期的に繰り返す
—本当にこれがやりたいのか
—この先も続けたいのか


何度も何度も反芻してはハッキリできずに、ただお客様を迎えてとにかく喜怒哀楽を共有して笑顔で帰ってもらう、を繰り返し気付いた事がある。

色んな職業を経験して、核に何があったのか

『誰かを笑顔で元気にできて役に立つ事ができるという実感が何よりも幸せだという事。』

職業はきっとなんでも構わない。
私にとって仕事はツール。結果的にどんなアプローチでもいいから1人でも多くの人に充実感や達成感、幸福感を味わって欲しい。
人生は不公平にできてるし、そもそもがそれなりにシビアにできている。
それを粘り強く向き合って、笑って堪えられるように心と体を健康に保ってもらうサポートをする。

『私にはできないって思ってたのに、こんなに変われました!いつも休日は寝て溜まった疲れを回復するので精一杯。どこかにできることも出来ないし、気力がなくて旦那に構う余裕もなかったんで、一番旦那が喜んでくれてるんです^^』

誰かの幸せは必ずまた違う誰かの幸せになっている。
嬉しそうに報告にしてもらった私のところに何倍にもなって戻ってくる。

父の教えてくれた「好きなことをやる。ワガママに。」
母に学んだ「人と社会に貢献する。」


ワガママに好きなことで幸せの循環を常に作り出す。
それが、私が働くということ。



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