みた夢の記録②
私は老女の元で他の子供たちと暮らしていた。私はその中で1番年上で、1人だけ年齢が高かったから他の子供たちの面倒を見ていた。とは言え他の子もみんな小学生くらいで、手のかかる子もいないし、自分も子供だから大した事はしていない。一緒に遊んで、みんなで家事をして、早くお風呂に入るように急かして、たまに老婆の手伝いをする。そんな感じだ。
私たちが暮らす家は少し古いが大きく、ちょっと西洋風な感じだ。床はフローリング、壁も木の温かみのある家。二階建てで、夏に床に寝そべると冷たくて気持ちがいい。宿の周りは自然豊かで、庭は子供が遊ぶには十分広い。壁にはカレンダーがいくつもかけてあり、こまごまとした用事を書き込んであった。
老婆は宿を経営していた。家は広く、老婆と子供達が暮らす部分と客が寝泊まりする部分は分かれており、子供達は庭を除いて客に会わずに生活することができた。
だからそこに泊まりにくる客と会話することはほとんどなかったが、ある時1人で庭で過ごしていた時、その客と出会った。
客の男は自分のことを、詩を書く人間だと紹介した。詩を書いて暮らしているそうだ。この世の中で詩を書いて生計を立てるなんて、本当とはとても思えなかった。彼のものらしい、玄関脇に停めてある水色の小さな車も、シャツも茶色のズボンも黒い細縁の眼鏡も詩を書いて買ったんだろうか。でも彼のどこか儚く浮世離れした雰囲気を見ていると、そんなこともあるのかもしれないと思えてきた。
彼は若いような気もしたし、意外と歳をとっているような気もした。この宿には少し長く滞在すると言っていた。私たちに話しかけることはほとんどなかったが、たまに庭にいるところを見かけた。私も年下の子達とずっといるのは疲れるので、よく庭の端っこで1人で過ごしているからだ。
こんなところに一体何をしに来ているのか気になった。いつまでいるつもりなのかも気になった。でもそれを私から聞くことはなかった。突然そんなことを聞いたら、私が彼に興味を持っているみたいだから。ただ、私はこの閉鎖的な空間に訪れた自分とは違う世界に住む人のことが気になっているだけ。それに私は子供だし、彼は大人だ。
そうこうしているうちにいつか彼はここを出ていき、私はここでの生活が続くのだ。