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世界はなぜそうなったのか。

読書というものは、好みがあるわけで。

何となく自分の読む本には、傾向があり、その傾向は特定の筆者に依存することが多く、つまりは、同じ筆者の本を読むことが常態化している今日この頃です。

で、また奇抜なタイトルの本書ですが、橘先生のいつものご挨拶から始まり、具体的な事例を元に、世界の仕組みを抽象的な用語を用い汎化を行い、一定の結論を導き出すスタイルは、多くの読者を惹き付けることでしょう。

結論から言うと、以下のような、何となく感じていた違和感の具体化が言語化され、文書化され、可視化されたことが面白かった。

・世界が昔と比べ良くなっているのは認めつつも、良くなっていく方向性が人によって捉え方が異なる点。
・特にSNSというコストが限りなく小さいツールが起こす影響と、その影響力が制御不能な点。
・このような世界は、万人にとって、ユートピアであり、ディストピアであり、それを表裏一体として、「ユーディストピア」と表現した点。
・結論は、「解決策は無い」と言い切った点。

基本的には、『上級国民/下級国民』『無理ゲー社会』の論調を踏襲しつつも、どうしようもできない出来事にはどうしようもできない理由があり、どうしようもないことに時間を費やすよりも、どうかできることにエネルギーを注ぐことを啓蒙するスタイルに読者が気づけるか、という読み方をすると、やっぱり橘先生のいつものシニカルな諦めスタイルを確認できた一冊でした。

と、いうことで、起きている事象については、一定の説明と説得感があり納得できるものはありますが、精神衛生上良くないと感じる人には、別の書籍をおすすめしておきます。

2050年ぐらいまでは現在のデータから予想がつく、という考えに基づき書かれた未来を考える本です。

未来が見えると、自分の身の振り方も考える助けになると思います。

ということで、みなさん、モヤモヤしながら長生きしましょう!!


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