【保存版】コロナ禍で取り組んだ、10のアクションまとめ
緊急事態宣言が解除される。あれだけ不安と混乱に満ちていたコロナ禍だったが、世界を見渡してもフェーズが変わりつつあるように思う。
やはりというか、残念ながら、世の中がBefore/Afterのようにガラッと変わることはない。コロナとは数年単位で付き合わなければならないだろうし、経済の落ち込みはそんなに簡単には戻らないだろうけど、何もしなければ、人も社会も慣れた元のあり方に戻ろうとする。結果的に、絶望は長期化する。
先行きが不透明なときこそ、『VISIOING(ビジョンドリブンでの企画・行動)』することが未来への手掛かりになる。いま小さな実例を残すことが、将来、大きな勇気になる。そんな気持ちで、コロナ禍の4-5月の2ヶ月間にいろんなことに取り組んだので、記録のために一覧化しておきたい。(通常事業は除く)
※ほとんど僕は言い出しっぺか仲間を鼓舞しただけで、実際のことはほとんどしてませんので、それぞれ仲間の名前を記載します。(みんな要フォロー人物です)
1. コミュニティ事業のオンライン化
NEWPEACEでは「6curry」をはじめとして様々なコミュニティをつくっているが、3月中には店舗などの空間をすべて閉じ、オンライン化を決めた。
【3月30日のnote】
withコロナ時代に向けて、6curryは次なる飲食店のカタチをはじめます
※最初はスピード優先でZoomで立ち上げたが、コミュニティに必要な無目的な集いや会話が生まれづらいため、現在はDiscordベースに移行。
もちろん、同じ空間で一緒にご飯を作って食べられるという体験価値を、そのまんまオンラインに持っていくのは一筋縄ではいかないが、テイクアウトやデリバリー×Discordでの日常的なやりとりやCLASSというミニワークショップの展開、によって、新しい6curryのMix体験をつくっています。近いうちにキッチンも開いていくことになるので、そこでオンラインとオフラインが合流し、全く新しい飲食店のあり方を実現していきます。
6curryがチャレンジし続けられているのは、素晴らしいチームメンバー YOPPY,もりゆか, あや, 一平ちゃんの頑張りの賜物です。コロナ禍での店舗休業に落ち込まずに、これだけ攻め続けている飲食店なんて他にないんじゃないかってくらい(僕はただ見守っているだけ)。
<参考記事>コロナ時代でも、私たちは「混ざり合える」か 会員制カレー店の挑戦
また、Creative Studio「REING(リング)」が運営する「REING Living」では、ジェンダーにまつわるトピックについて考える様々なイベントを企画してきたが、コミュニティスペースでの開催自粛を機に、全てのイベントをオンラインに移行。海外や地方からの参加が可能になったことで、年代/人種/国をも超えて人々が集い、ジェンダーの視点から映画や美容を考察するイベントが盛り上がっている。また新型コロナウイルスにより活動に制限がかかっているクリエイターたちのサポートを目的としたオンライン・ポップアップストア「REING with」をオープンしたり、プライドウィークの期間中、オンライン上でアーティストとともにパフォーマンス企画を実施するなど、活動を広げている。
REINGを先進的で国際的なコミュニティにしているのは、Asuka, Edo, Abo Michishio をはじめとするチームが素晴らしい。
他にも取り組んでいるものあるが、終わらなくなるので、それらはまた別の機会に書こう。
2. 就活のスマホ化(One Career)
就活生からのクチコミやデータを活かし、学生と企業間の情報格差を埋めてきた今最も勢いのあるプラットフォームONE CAREER。 NEWPEACEはブランドパートナーとして「就活に透明性を」というビジョンを開発し、毎年アクションを仕掛けてきたが、そんな中でのコロナショック。相次ぐ説明会の中止に対し、就活生の不安を払拭したいと、2020年3月、緊急で1ヶ月間毎日Yotube企業説明会を配信。リアルタイムで対談形式の配信のため直接質問できる、人事の生の緊張感が伝わると、累計14万回以上の再生となった。そして、その勢いのままに5月「ONE CAREER SUPER LIVE」を企画。20,000名以上が参加し、日本最大級のオンライン就活イベントとなった。
・日本全国 / 海外から2万名超の学生申込
・番組累計視聴数:18.3万回
・参加学生84%が今後もオンライン企業説明会を希望
・#ワンキャリアライブ Twitter日本トレンド入り複数回
という就活のあり方を変える一歩となった(リリース)。やり切った、宮下CEO、北野唯我CSO、寺口、薫平をはじめとしたワンキャリメンバー、本当にすごい。ちなみにONE CAREERは今リクナビを射程圏内に捉えており、これから長年変わることのなかった就活市場を変えていく存在になると思う。
HR総研×楽天みん就:2021年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】
※僕はこの会社の立ち上げに関わり、現在社外取締役を務めています。
まだまだあるので、少し巻きでいきます。笑
3. クルマ1万人支援(ガリバー)
4月13日、中古車最大ネットワーク「ガリバー」を運営するIDOM(イドム)社が大きな決断を公表。それは、ガリバーによる全国ネットワークを活用し、「いま移動を必要とする」すべての方に、最長3ヶ月クルマを無償提供する、というもの。弊社NEWPEACEでは、この支援プロジェクトの企画・クリエイティブを担当させていただいた。
様々なメディアで取り上げられ、全国各地から問い合わせが。あっという間にキャパシティを超えました。強烈な想いを持って決断・実施された、羽鳥社長はじめとしたIDOM社の方々。本企画を一人でリードした弊社クリエイティブディレクターの田中佳佑に拍手。
<関連note> 全国1万人にクルマを無償提供。なぜガリバーは迅速に大胆なコロナ対策を実行できたのか。
4.花で帰省しよう
4月下旬、花屋の友人から「コロナでお店が閉店し、大量の花が廃棄されている…」と相談を受けた。ゴールデンウィークも帰省できない離れ離れな世の中だからこそ、花がつなげれる人間関係もあるだろうと、【 #花で帰省しよう 】を仲間たちと企画。世の中を少しでも明るくしたいと、なんの見返りもなく純粋に気持ちだけで。予算も時間も全くない中で、信頼する最高の仲間たちと、アイデアだけでどんな社会提案ができるのかを問われた仕事だった。
そして、GWに間に合わせるため3日間で、着想から実施までを完遂。(僕は途中から子育てで戦線離脱したが…最高のメンバーが最後まで粘って仕上げてくれた)
新型コロナによるフラワーロスを新発想で、 “帰省難民” への提案に。GW・長期休暇は、#花で帰省しよう
ほぼすべてのキー局で取り上げられ、ツイッターやinstagramでも多くの方参加をシェアしてくださった。自由研究のような楽しい仕事だった。
発起人 長井 ジュン
プロデュース 高木 新平
編集 黄 孟志
企画立案/コピーライティング 梅田 哲矢
コピーライティング/アートディレクション 高橋 鴻介
ウェブディレクション 古屋 悠
PRプランニング 田中 佳佑
キャスティング/PM 田中 シュナイダー 茜
キャスティング エバンズ 亜莉沙
アンバサダー 田沼 弥希
5.富山県クラウドファンディング
地元の富山県を守るため、クラウドファンディングを立ち上げた。病院・老人ホームでクラスター発生し、全国で3番目の感染率、2番目の死者率と非常に緊迫した状況だった富山。高岡高校の尊敬する先輩、ラクスルCEO松本さん、 フリーCMO川西さんと、GW直前にzoomで集まり、作戦会議。急遽GW中に富山県知事と議論・提案し、お母さんが富山出身であるReady forの米良 はるかさんに支援してもらい、突貫で出すことができた。(とにかく時間がなく想像以上に大変だったが、県庁の方々、Readyforの方々みなさん本当に頑張ってくださった。)
本取り組みには、立川志の輔師匠、柴田りえさん、室井滋さん、モーリー・ロバートソンさん、石川歩選手、藤野英人さん、青井茂さん、安宅和人さんなど富山出身の有名人も支援頂き、オール富山で記者会見ができた。(これは富山県民にとってはすごいことなのです!)富山県内また出身者の間では相当話題になったようで、第一目標である1500万円を早々に達成。現在Next Goalに挑戦中!※ちなみに直接寄付もかなりあったようで、県としての目標であった5000万円は達成とのこと!
この規模の自治体の中ではダントツにうまくいったようで本当に良かった。そして何よりコロナも落ち着いてきていると。これを機に、僕自身、恩返しをするつもりで、より良い富山をつくる動きを行っていければと思っている。
6.NEWPEACE thinktank立ち上げ
5月15日、官民融合による社会変革を目指す組織「NEWPEACE thinktank」を立ち上げた。これまでもNEWPEACEでは、様々なソーシャルイシューに対して、公共機関ともにVISIONINGに取り組んできたが、コロナ禍で「もっと社会を変えていきたい」という想いが強くなり、シンクタンクとして独立させ、注力していくことにした。(政治・公共分野一筋の増沢諒が代表)
<リリース>新型コロナウイルス対応でより顕在化した 公共と民間の意識のズレを無くし、官民融合による社会変革を目指す機関「NEWPEACE thinktank」設立
社会を変えていくためには、論点化して世の中の関心・賛同を集める「世論をつくる」ことと、法案や予算編成、権力構造を調整する「ルールをつくる」ことの両輪を回す必要がある。NEWPEACE thinktankでは、そのために『教育・連携・実装』という3つの事業をやっていく。
また今回立ち上げに当たって、日本におけるパブリック・アフェアーズのリーディングカンパニーである、マカイラさんと提携させていただいた。新型コロナウイルスで公共への関心とともに変化が求められている今こそ、好機だと捉え、仕掛けていきたい。
7.#コロナを危機で終わらせない 政策アイデア募集
ミレニアル世代のシンクタンクPublicMeetsInnovationが、新型コロナ危機をアップデート機会に変えるアイデア募集プロジェクトを開始
理事を務める、若手官僚とスタートアップの共創コミュニティ「Public Meets Innovation(PMI)」で、コロナ社会にむけた行政や社会団体へのアイデアを募集開始した。コロナ危機で、政治や行政への関心が一気に高まる一方で、情報を受け取ることはあっても提案できる機会はなかなかない。その窓口になれればという思いで、石山アンジュをはじめとしたメンバーで企画。(僕はタイトルを考えたくらいです)
公開からすでに500件超のアイデアが集まり、渋谷区や神戸市などのパートナーも増えている。NEWPEACE thinktankとは異なり、民意をすくい上げて公共に反映させていくというボトムアップな活動。これからは投票やデモだけではない参加の形が増えていくだろう。
8.NEWPEACE DX 「緊急ビジネスアップデート」
NEWPEACEのブランド戦略パートナーの部署より、「緊急ビジネスアップデート」という新サービスをリリース。コロナ禍で業態変更を迫られている事業者の皆さんを、仲間である各領域のプロフェッショナルたちと最適な体制で支援していくもの。
<リリース>企業の非連続成長を支援するNEWPEACEが、ビジョン×DXによる「緊急ビジネスアップデート」プランを提供開始
本プロジェクトをリードして進めた渋谷まり 楊 芊蔚 率いる「ブランド戦略パートナー」は様々な企業のVisioningを仕掛けている、超優秀なチーム。これから様々な企業の変革を共にできるのが楽しみ。
<関連note>世界を豊かにする、不要不急なリアルビジネスが生き残るために。「緊急ビジネスアップデート」の背景にあるもの。
9.構想・事業化・投資までの創業支援「NEXT」 (NEWS)
同世代の仲間たちとやっているクリエイティブキャピタル「NEWS」で新しい起業支援プログラムをつくった。 その名も「NEXT」。NEXTは構想から事業化、投資までを一気通貫で支援するもの。NEWSに加え、実績豊富なベンチャーキャピタル「East Ventures」「KVP」「NOW」と、技術者集団「BASSDRUM」という最強の座組み。
新しい常識が、未来の起業家を生み出し、そして彼らが新しい経済を切り拓く。(本件は、代表である梅田と佐々木がリードした案件です)
10.働き方の再設定
これは対外的なものではないが、コロナを機に働き方は大きく変わった。下記は、4月7日の社内slack。
超朝型へのシフト。朝3時〜7時が仕事のゴールデンタイムになった。リモートワークは、チャットやオンラインミーティングなど常時ネットと接続する働き方であるがゆえ、物理的な環境よりもネットの情報によって、集中が邪魔されがち。だから多くの人が活動してない時間に働くのが、一番邪魔されないで仕事できる。
ただ我が家には3人の子どもがいるため、仕事部屋を出た途端、家族タイムがやってくる。ごはんや風呂などは家事・子育てをやらない訳にはいかない。この脳の切り替えがしんどい。豪速球ストレートと超スローボールを繰り返される感覚というか。ただ最近は少しずつ慣れてきた。
また僕のメインである、NEWPEACEという組織のあり方もコロナを機に見直すことができた。これは主に経営の相方である 村上 やグランドコントロール 染谷 のおかげなので、詳しくは彼らの書くだろうnoteに譲るが、
・slackやgoogle docsなどの活用方法の見直し
・毎朝夕の雑談タイムの実施
・全社会議の軽量化&リモート化
・全メンバーの家に食材やマスクの配送
・チームボンディングを可能にするイベント実施(わざわざ調理したものを家に届け、zoomで食事会をするなど)
・不確実な未来にアジャストするため、アンケートなどを駆使したフィードバックループの高速化
などを高速で推進してくれた。NEWPEACEは「20世紀的システムから人々を解放し、多様性が爆発する社会をつくる」ということをビジョンに掲げているため、様々な思想・事業をもったカンパニーの集合体になっているのだが、それがリモートでも一体感を持てているのは、ビジョンとそれに紐づく価値観と仕組み、それらを浸透させるコーポレートチームのおかげだ。感謝しかない。
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改めて振り返って、自分はなんと仲間に恵まれているのだろうと思った。自分ひとりでできたことなど人生において何一つない。この2ヶ月のはなればなれの世界を生きて、改めて家族や仲間というコミュニティの有り難さを痛感したし、その連帯があれば生み出せないものはないとも感じた。緊急事態宣言があけてもコロナは長期化するだろうが、危機を好機に変えるのは自分たち次第だと信じて、生き抜いていきたい。
<おまけ / Forbesインタビュー記事>
「ビジョニング」で社会とつながる。ニューピース高木新平が語る、コロナ以降のコミュニケーション論