部活を続けてよかった?
僕は中高一貫の男子校で、ずっとバスケ部だった。
そこそこ部活は辛かったのだけれど、なんとか辞めないで6年間続けた。
続けられた理由として、仲のいい友達が一緒に頑張ってくれたからという前向きな理由はもちろんある。
しかし、辞めたら逃げたみたいに思われるとか、辞めた後の学校の人間関係がだるそうとか、どちらかといえば後ろ向きな理由が大きい気がするのだ。
「部活は絶対に続けた方がいい」と先輩はみんな口を揃えて言っていた。
引退するときも、続けてきてよかったとみんなが言った。
僕も引退するときにそんなことを言った気がするが、いまいち腑に落ちていなかった。
どちらかと言うと、辞めづらいという消極的な理由で部活を続けた僕には、部活を続けることが消極的な選択肢に思えてならなかった。
部活を続ける苦しさと部活を辞めたときの苦しさでいうと、実は後者の方が大きいのではないかと思う。
辞めていった人も何人かいたが、正直その決断に踏み切れることを尊敬した。
僕はなるべくサボりながら、レギュラーを目指すでもなく惰性で続ける選択肢しか取れなかった。
高2、高3になれば、引退も近くなるし、自然とやる気も出るかもしれないと思っていた。
しかし、そんなものはいつまで待ってもやってこなかった。
働いていると中高の部活を思い出す。
年次が経つにつれて、少しづつ辞めにくくなっていく。
辞める方がめんどくさいという消極的な理由で踏みとどまっているから、心から頑張ろうとも思えない。
あの頃と同じように、思考停止して、現状を維持するという、もっとも楽な選択肢を選んでいる気がしてならない。
「もう何年かしたら、役職も上がり、責任も増え、熱心に仕事を頑張ろうと思えるのかなあ」と。
繰り返しの日々の中で、あの頃と同じように、今日もやる気を待っている。