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無職になるまで日記 vol28 あと73日

雲仙市小浜にある、とあるパン屋さんが好きで、タイミングが合えば、必ず行く。

扉を開けると、パン屋さんならではの匂いより先に、店の奥から聞こえてくる来客を知らせるチャイムの音が五感を刺激する。

ほどなく奥から元気な声と共に、オーバーオールを着こなしたおばちゃんが、満面の笑みを携えて出迎えてくれる。

初めて行った時、ただただ明るいおばちゃんの笑顔や、声に、心が躍り、嬉しい気持ちになった。

2回、3回と、決まってパートナーと行く中で、パートナーと僕の仲を気にかけてくれるようになった。

『もしかして結婚した?』
『結婚するならおばちゃんのパンが喜ばれるわよ』

と、話しかけられる。

実は、おばちゃんは難聴らしく、こちらの返事はあまり聞こえてない時が多い。
自然と会話は一方通行だが、不思議とイヤじゃない。

先日は入店するなり
『わぁ!嬉しい!今日は素敵な日だわ』
と久々の僕らの来店を喜んでくれた。

あんなに素敵な日はなかった。
(400字)

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