HASAMI groupの好きな曲
HASAMI groupの好きな曲
皆さんはHASAMI groupをご存知だろうか。
無責任で申し訳ないが、私自身HASAMI groupについて、詳しいことはわからない。ただ一つ、素晴らしい音楽を生み出す奇才、青木龍一郎と名乗る男の存在のみを確認している。
悔しい事に、彼の音楽を好きになってもう数年が経つが、絶妙に謎めいていて掴みどころがなく、未だに得体を知れないままでいる。
が、しかし、そんなことはどうでも良いと思える程に、ただ、とにかく、どうしようもないくらい、心底、HASAMI groupの音楽が大好きなのである。
(だから是非ともご紹介したい。)
出会いは映像作家、柿沼キヨシ氏の影響。
静岡朝日テレビ(SunSetTV)のAマッソ×霜降り明星【笑いの修学旅行】という番組内で使用されていた曲を聴き、そのほんの数秒で心奪われ、一耳惚れして、なんだこの曲は…!と追いかけた結果、HASAMI groupに辿り着いた。 https://youtu.be/ubphmWxQKX0
この時ぼーっと何気なく聞き流してしまわなくて本当に良かった。自身のセンサーに引っかかり、こうして巡り会えたことを嬉しく思う。
さて、これは私の為の好きな曲メモ。
完全に自分好みセレクトの全20曲。
こんな独りよがりな言い方をしておいてなんだが、しかし、ここに辿り着いた読者の方にはどうか聴いていってほしい。
『summer』
『病気が治ったら』
『PIANO』
『Waiting More』
『やぁ、それでもやるぞ』
『シンプルノットローファー』
『ありがとう』
『夢の泡立ち』
『LADY』
『君の街は』
『黒い電車が止まらないし夢だしtake.2』
『いかれたBaby (Fishmans cover)』
『ツイソ』
『立ちすくむ国家』
『ill』
『反テクノロジー』
『CLUB CULTURE KILL KILL』
『Stand Earth Group Hopper』
『転校生』
『CONVICTION』
音楽が好きな人なら、どれも一度は聴いてみてほしい。HASAMI groupが気になった人、興味のある方もぜひ。これらには1つ1つ聴いてみないとわからない良さがある。初めに書いた通り、彼らのバックボーンは全く知らない。今までの軌跡が語られることもない。それでも、容赦なく心を打つ。純粋に音楽だけで魅せてくる。決して歌が上手いわけでも、特別華があるわけでもないが、全てを超越し、響いてくる。曲中に語られること、音楽で届くものだけを受け取れる。純度100%そこで感じたものが全てという気持ち良さ。そこには他の売れているJ-popとは少し違う、特別なものがある。
さて、ここからは、上で挙げた曲のURLと共に、好きポイントや感想を徒然なるままに書いていこうと思う。
『summer』
https://youtu.be/usmigQj-R3I
私がHASAMI groupを知るきっかけとなった大切な大切な一曲。これを聴くと無性に走り出したくなる。なにかが少し歪んでいて。それが逆に安心する。ジリジリとした暑さを感じさせるノイズに、安定しない歌声。それなのにどこか、そこはかとない爽やかさも持ち合わせていて、それはまるで真夏の夜風。若く青い衝動性と、後戻りできない切なさ。「食べてはいけないものを食べてしまったような、そんな感じです。少女の夏。」
『病気が治ったら』
https://youtu.be/CQ-DZfQhXcc
イントロからスッと寄り添ってくる。初めて聴いた時から既に懐かしさが込み上げてくる、不思議な感じ。気持ちの良い鬱。この曲を聴く以外にこの感情になる方法を私はまだ知らない。今まで聴いた中で一番のラブソング。悲しくて、切なくて、柔らかい。優しさ。エゴ。愛。これまた、どこか少し歪んでいる。[EM7 / D#7-9 / G#m7 / B9]×72回で創り上げられる世界。映像、歌詞、メロディ、全てがエモい。好き。
『PIANO』
https://hasamigroup.bandcamp.com/track/piano
ひときわお洒落なメロディライン。美しい和音。タイトル通り文句なしのピアノ曲。「今夜はこの街が、なんだかイケて見えるよ。回送列車を目で追う、宇宙の端みたいな線路沿い。静かに燃えている心。この街で一番大事なもの。」
『Waiting More』
https://youtu.be/9u7J4qZBxqw
どこか懐かしく、眩しい過去を見ているようで、キラキラと煌めいている。音に揺蕩う感覚。電車に乗り、流れていく窓の外の景色を眺めながら聴くと良い。いつもの街が、いつもより少し尊いものに見える。「僕はいつも幸せだった」これを過去形にしてしまうところがなんとも罪深い。
『やぁ、それでもやるぞ』
https://youtu.be/wURcCCGyqlU
小学2年生の頃に3000円のお子様キーボードで曲を作り始めた少年。彼を、HASAMI groupを、より一層、愛おしく感じるようになる一曲。やり続けることの愛おしさ。やめられない人間としての性。こんなものを受け取ってしまったら、自分もやらないわけにはいかなくなる。やってやろうじゃないか、やり続けてやろうじゃないかと未来に対して少しだけ前向きになれる音楽。
『シンプルノットローファー』
https://youtu.be/-Zwis_ER1OM
澄んだ鍵盤の音と、UFOから受信したような電子音の組み合わせが、なんとも相性良く、意外にも落ち着く仕上がりとなっている。そこへ真っ直ぐ過ぎるくらい真っ直ぐな歌詞が入ることで、とても素直に腑に落ちる。3連符が効果的に作用していて、気持ちが良い。「音を鳴らしたい。歌を歌いたい。あなたと一緒にリズムをとりたい。どんなどんなどんな遠くまで聞こえるような幸せな歌を捧げたい。僕の中にも君の中にも流れているだろうメロディ。ささやかな足踏みのひとつひとつにもちゃんと意味があり物語がある。」真正面から来たかと面食らうほどの清々しい歌詞。
『ありがとう』
https://youtu.be/GDf_CwpjRIQ
芸人さん大リスペクトソング。この歌詞に出てくる芸人さん達に自分も何度救われてきたことか。何度も何度も救われて、笑わせてもらって、楽しませてもらって、「ありがとう」といつも思っていた。常日頃からお笑いに助けられている身としては、この曲が自分の気持ちを代弁してくれているようで嬉しかった。チョイスも絶妙で、そこいく?!いいね〜というような名前もちょいちょい出てくるのが面白い。
『夢の泡立ち』
https://youtu.be/tKXoakb2diw
クセになるポップさ。熱が出た時に見る悪夢のようなMV。ソ#の連打がしばらく頭から離れない。これを聴きながら手を洗って防菌しコロナに備えようと思う。
『LADY』
https://youtu.be/6PvQZAhz5MY
綺麗なのに何故か凶暴性を孕んでいる。ぶつかりあう音が多いからそう感じるのかもしれない。純粋さと激しさの共存。「暗闇からは逃げてこられた」という最期の歌詞がなんか良い。
『君の街は』
https://youtu.be/ImEzOMuLpMI
HASAMI groupの曲の中では、濁りの少ない、透明度の高い曲だと思う。クリアな感じ。この曲は空気がまだ冷たい朝焼けか、日が沈む頃に、街を歩きながら聴くと良い。「変わらない日常が愛しくてなぜだか怖くて」という歌詞が妙に心に刺さった。以前「大切なものを作ると人間強度が下がるから」と西尾維新の本で読んだことがある。きっと同じような恐怖なのだろう。「快速か各駅かどちらで行こうか迷って。電車2本見逃してホームのベンチで笑った。」こういう日常こそ一番手放しがたい大切なもので、それに気づいてしまうと、途端に弱く、脆く、儚くなってしまうのが人間なのかもしれない。
『黒い電車が止まらないし夢だしtake.2』
https://youtu.be/0a2Ysami2SU
ピアノが美しい。これもまた3連符が効いている。完全に鬱。頭がおかしくなる。悲しい。寂しい。切ない。頭の中も、心の中も、グチャグチャになってしまうような詞。絞り出すように、叫ぶように歌う声。どう考えても苦しいのに、音楽だけはとびきり綺麗で、それが一番しんどい。ただひたすらに美しい。正気の沙汰ではない。
『いかれたBaby(Fishmans cover)』
https://youtu.be/wjh_t23euzo
原曲とはまた違った世界を魅せている。世界のことや宇宙のことに想いを馳せたりする夜に聴きたい曲。どこまでも広がり続いていきそうな、こんな優しい声でも歌える人なんだと少し驚いた。
『ツイソ』
https://youtu.be/-Le7iM3beKc
シンセの波に呑まれて、溺れて、漂う感覚。俺と君の関係性を考えるのが面白い。だけどよくわからない。しかし不思議とそれも悪くないと思える。
『立ちすくむ国家』
https://hasamigroup.bandcamp.com/track/--26
底抜けに明るい。めちゃくちゃにポップ。歌詞はとんでもないことを言っているのに、それを感じさせないくらいに可愛い。そのチグハグさがクセになる。歌詞を文字で見ると本当に最悪。歌詞は見ない方が良い(褒めてる)
『ill』
https://youtu.be/JxjbLo5Wo9c
ill即ち病気。忙しくて、騒がしくて、せわしなく掻き立てられている感じの音楽。急かされるのは嫌いだが、これだけは何故か許せてしまう。ディープな迷路。混沌。劇薬。狂気の世界。歌詞がもはや、まともには聞き取れない。日本語よりも英語の方が流暢に、饒舌になるのがおかしくて良い。その感覚もわからなくはない。使い慣れた言葉では上手く喋れない。そんな時でも、違う言語だとスッと言えたりする感じ。
『反テクノロジー』
https://youtu.be/UVTjgPYCetc
何事もすごい速さで過ぎてゆく現代社会。世界の代謝が良くなり過ぎているきらいがあると感じていた。「一瞬でも過去のことを考えている暇はない」という歌詞は一種の問題提起のような気がしている。最後「もう一度あらがいたい。この風は記憶みたい。」で〆られているところが好き。
『CLUB CULTURE KILL KILL』
https://youtu.be/lFbBD9AlJy4
イントロの素晴らしさに騙されてはいけない。これは自意識と劣等感の塊のような曲。深夜ラジオのメールとか、Twitterの裏アカとか、そんな感じの匂いがする。もし仮に有名な人がこれを作っていたとしたら、きっと炎上していただろう。パリピや陽キャを完全なる敵とみなし建てられた我が城。その中で一人踊り狂う、哀しくも愛すべき人間の歌。
『Stand Earth Group Hopper』
https://youtu.be/XlP5ZBlwjJw
メッセージ性ズドーン。重い。世界の片隅でヒーローになりたい彼の強い信念をヒシヒシと感じる。この世界を彼がどう見ていて、故にこの先にどうしたいのか。君はそういう事がしたいんだな。と妙に理解できてしまう、納得してしまう、説得力がある。ぜひ同タイトルのtake.2も合わせて聴いてみてほしい。歌詞がまるで違う。ある種のアンサーソングなのかもしれない。
『転校生』
https://youtu.be/kHOzTk56bIE
ひどく平和で安心する。甘酸っぱくて爽やかな青春。転校生と劣等生のこれからを想像し、少し期待して妄想する。ひとたびこの曲を再生すると、脳内で教室の映像が展開され、いつでも容易にあの頃へ戻れる。そんな過去があっても無くても、関係ない。とにかく万人が甘酸っぱい学生時代へ行けるのだ。
『CONVICTION』
https://youtu.be/EpeREvw3530
壮大な電子音楽の海。電気を消してお風呂に入り、反響させながら聴くと良い。湯船で水に包まれながら目をつぶって現実逃避をする。シンセの宇宙で旅をする。
(ここまで読んでくれた貴方へ20+1おまけ)
『Recapture』
https://youtu.be/fZOpoX5WflE
なんて自由な世界なんだろう。
さて、だいぶ長かったが、ようやく書き終えた。気づけば随分な文量で、ある種の達成感すら覚える。完全なる自己満だ。しかし、満足できたので良かった。HASAMI groupの曲は、自身の中に懐古する過去が増えれば増える程、より味わい深くなっていきそうで、これからの人生も、それと共に積み重なる想い出も、全てを甘んじて受け入れようという気になる。良いことも悪いことも、いつか、これらの音楽をより楽しむ為のスパイスに出来ればと思う。
最後にこれだけ。
HASAMI groupありがとう。
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