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自分のプロダクトマネージャーとしてのレベルを自分で評価してみた

SecureNaviという情報セキュリティ領域のスタートアップでプロダクトマネージャー(PM)をやっているゆーたろーです。

この記事は「プロダクトマネージャー Advent Calendar 2024」の12/15の記事です。
昨日は山崎聡@エムスリーさん「【pmconf 2024】クライス&カンパニーのDiscord企画振り返り:プロダクトマネージャーにとってのホームランとは?」でした。

この記事では「自分のPMとしてのレベルを自分で評価してみた」という話を書きます。

僕はPMという職種は自己成長を認識しづらい職種だと感じています。僕はPMとして足りないものがたくさんある、というはわかっているものの

  • どの領域のどのスキルや経験はそれなりに身についているのか

  • どの領域のどのスキルや経験はオワっているのか

をしっかり把握することで自己肯定感を上げることができると考えます。いわゆるスキルや経験の棚卸しですね。

また、それにより自己投資の効率も上がると思います。(人によって長所を伸ばすか、短所を無くすかの方向性は異なると思いますが)

今回は少し前に読んだ名著の1つ「EMPOWERED 普通のチームが並外れた製品を生み出すプロダクトリーダーシップ」に書かれていた"PMの評価ツール"を使って自分のレベルを整理してみます。

余談:この記事を書いた理由の1つに、書籍「学び効率が最大化するインプット大全」に「本を読む(インプット)だけで終わらずアウトプットすることでインプット効率が爆上がりする」と書かれていた、というのもあります笑

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ざっくり自己紹介

修羅の国福岡県北九州生まれ
・30代前半&2児の父
・JTCでプラントエンジニア4年→キャリアチェンジしてWebエンジニア2年→PMもうすぐ3年目終わる
・兵庫県神戸市からフルリモート勤務
・趣味:筋トレ、外食
・神戸グルメSNSやっています(InstagramTikTok

サマリー

夢中で書いていたら7,000文字程まで膨れ上がってしまったので、評価結果を先に載せておきます。評価基準がPM界隈全体ではなく、社内(他部門含む)なのと、自分への甘えからなのか、全体的に割と高いスコアになっちゃいました…。しかし、PMとしての戦闘力はまだまだ🐣なので引き続き「やっていき!」の気持ちです。

Notionで簡易的に可視化した評価結果

PMの評価ツールの内容

書籍の内容をほぼそのまま活用します。

評価カテゴリー

以下の3本柱でそれぞれ整理します。

・製品知識 (プロダクト)
・プロセススキルとテクニック(プロセス)
・対人スキルと職責(人)

評価手順

上記3本柱に紐づいたいくつかの項目ごとにレーティング(点数付け)します。書籍ではレーティング幅を1〜10とし、10を「仕事上絶対に欠かせない存在レベル」としていますが、今回は簡便化のため1〜5とし、それぞれ以下の通り定義しました。

1: 経験やスキルがない
2: 1と3の間くらい
3: 危機迫ってフィードバックする程ではないが、特段賞賛するレベルでもない(=可もなく不可もないレベル)
4: 3と5の間くらい
5: 仕事上絶対に欠かせない存在レベル。神。ユーハバッハ。

評価は基本的に上長(リーダー、マネージャーなど)が行うため、

  1. 従業員が達しているべきレベルを設定

  2. それに対し、従業員が実際にどの段階にいるのか

という手順を踏むべきですが、今回は自己評価なので2のみを実施します。


1-製品知識 (プロダクト)

以下の5項目を対象とします。

・ユーザーと顧客に関する知識
・データに関する知識
・業界と分野に関する知識
・事業と会社に関する知識
・プロダクトのオペレーションに関する知識

ユーザーと顧客に関する知識 > 4🚀

対象となるユーザーや顧客に関して定評のあるエキスパートか?

僕は以下の要素により、社内では比較的顧客解像度が高いと思っています。

  • 社歴が長い(4人目社員)

  • ユーザーと話している(ユーザーインタビュー、商談同席、CS定例同席など)

  • 社内のドメインエキスパートクラスのメンバーによく質問している

弊社ではユーザーの実情に最も詳しいのは一部のCS(カスタマーサクセス)メンバーだと思っているので、今はまだ5にはいかないです。CSと比較すると顧客と話す時間は劣るので、顧客解像度においてPMはCSを超えられるのか、そもそも超える必要があるのか、よくわからない&疑問もあるので他社のPMに聞いてみたいです。

なお、11月に異動し、今まで以上に顧客にディープダイブできる環境で仕事をさせてもらっているので、社内で「あいつに聞けば大丈夫」と言われるレベルにもっていきたいです。(それにより自分の思考や意思決定の質を今以上に爆アゲできるはず)

データに関する知識 > 2👿

さまざまなデータツールに関するスキルを備え、ユーザーが実際にプロダクトを使う方法を熟知したエキスパートであると、プロダクトチームとステークホルダーからみなされているか?

現状、意思決定にUXリサーチで得られた定性データは活用できているものの、定量データはあまり活用できていません(なので、1でも良いかもしれないと思っている)

弊社では定量データの利活用基盤がまだ整っておらず、数ヶ月前にBIツールの導入検討を進めていたのですが、様々な理由から一旦ステイになりました。(今後が楽しみ)

BtoB SaaSには「毎日使われるSaaS」と「必要なときに使われるSaaS」があると思っており、それぞれにおけるデータ分析・活用の事例やTipsなども少しずつ勉強していきたいです。

業界と分野に関する知識 > 4🚀

業界と分野に関する知識が豊富か?競合関係や関連する業界のトレンドを理解しているか?

PMとして仕事をするためにはドメイン知識は必須なので、日頃からJIS Q 27001:2022プライバシーマークにおける個人情報保護マネジメントシステム構築・運用指針などのISMS、Pマークに関する一次情報をキャッチアップしています。

その成果として、先日CSの某メンバーから「ゆーたろーさんはCSとして働けますよ👍と嬉しいことを言っていただきました。

とはいえ、「ISMS、Pマーク」から「情報セキュリティ全般」に範囲を広げた場合、知らないことが本当にたくさんあるのと現時点でも弊社のドメインエキスパートクラスのメンバーにはまあ勝てないので、5まで上げようとすると道のりはかなり険しいです。

事業と会社に関する知識 > 2👿

自社の事業のさまざまな側面を理解しているか?(マーケティング、営業、財務(収益とコストの両方)、サービス、法務、コンプライアンス、プライバシーなど)。ステークホルダーは、このプロダクトマネジャーがステークホルダーの懸念や制約を理解していると思っているか?

ここは...全体的に足りてないです…。

必要であることは理解しつつ、自分のPMとしての力量不足によりそこまで思考や言動が至っていないと思っています。上記領域の一部は理解できていると認識していますが、圧倒的に足りないので今後改善していきたいです。

ジュニア〜ミドルのPMが「事業や会社」にどのように向き合っているのか、色々聞いてみたい。

プロダクトのオペレーションに関する知識 > 4🚀

プロダクトの機能に定評のあるエキスパートか?見込み顧客にデモを行い、新規顧客に使い方をトレーニングし、カスタマーサポートの問い合わせに対応できるか?

これまでに見込み顧客に新機能の提案・説明した経験もあり、CSからの仕様に関する質問にもそれなりに対応できています。

僕は現職に入社してからの担当業務は以下のとおりです。

入社後2年間は祖業でありメイン事業である「SecureNaviプロダクトを活用したISMS取得・運用支援」にほぼ関わっていなかったため、プロダクト仕様を把握し切れていないため5には届いていないです。(実際に今の上長の方が詳しいので)

PMは社内で1番プロダクト仕様に詳しい存在であるべきだと思っているので、今年度中に自信を持って「5だ!」と言えるようにします。


2-プロセススキルとテクニック(プロセス)

以下の4項目を対象とします。

・プロダクトディスカバリーのテクニック
・最適化テクニック
・デリバリーテクニック
・開発プロセス

プロダクトディスカバリーのテクニック > 4🚀

プロダクトのリスクと、それぞれのリスクに対応する方法をよく理解しているか?
エンジニアに開発依頼する前に、あらかじめリスクに対応する方法を理解しているか?
問題を協力して解決する方法を熟知しているか?
アウトカムを重視しているか?
定性的・定量的テクニックの両方を理解して活用しているか?

ここ半年間でUXリサーチに注力したのとプロダクトロードマップ策定に関わったことで少しはスキル・経験を身につけることができた気がします。

PRDを作成する際にもこの施策がどのようなアウトカム事業部の目標と繋がっているのかを記載しています。また、以下の2点を記載することでどのようなリスクがあるのか、複数のソリューションの中でそれが最適だと思った理由などを言語化するようにしています。

・Risk/Pre-mortem (取組みが失敗するとしたら、何が原因か)
・ Alternatives Considered (検討した代替案)

プロダクトマネージャーの必須スキル: デザインドックの書き方 - Design Doc

レートは社内基準で考えたときの話であり、PM界隈全体で考えるとまだまだ🐣なので、個人的には全く満足していません。一次情報からインサイトを見つける力、インサイトから最もインパクトが出そうな施策を考える力、意思決定の質向上など、もっと追求したい。(いや追求しなければならない)

最適化テクニック > 2👿

プロダクト、新機能が本格稼働した後で、そのプロダクトを迅速に改善し、洗練させていく最適化テクニックを熟知しているか?

PM関連の名著たちから得た最適化のベストプラクティスは頭の中にあるものの、リソース的にそのプロセスを実際に踏めていないのが現状です。(本当はやりたいし、やらないといけないと思っている)

(そもそもの話ですが)弊社はプロダクトづくりにおいて、やらないといけないこと、やりたいことがめちゃくちゃあるのですが、それに対してリソースが全然足りていないので転職を検討しているPM、エンジニアの方々がいたらぜひカジュアル面談させてください!(突然の宣伝)

デリバリーテクニック > 4🚀

エンジニア、またプロダクトマーケティング担当者に対する職責を理解しているか?

僕はPMキャリアをスタートする前に2年間Webエンジニアとして働いていたので、エンジニアの職責はそれなりに理解できているつもりです。

Go To Marketに関わっているPMMの職責の解像度がまだあまり高くないので、ここはキャッチアップが必要です。(「LOVED 市場を形づくり製品を定着に導くプロダクトマーケティング」を読まなきゃと思い、半年近く経つ…)

話は少しそれますが、Webエンジニア→PMにキャリアチェンジするとぶつかる壁については別のnoteにまとめています。

開発プロセス > 3

プロダクトディスカバリーやプロダクトデリバリーを含む、より広義のプロダクト開発プロセスをしっかりと理解しているか?また、チームのプロダクトオーナーとして、プロダクトマネージャーの管理責任をしっかり理解しているか?

先述したところWebエンジニアの経験があることとPMとして2年以上働いているので「広義のプロダクト開発プロセス」は理解できているはずです。

が、配属の関係上、直近はPO(プロダクトオーナー)として開発チームと協業していないので、一旦3にしました。(過去2年で開発チームとの協業はあったけど、小規模なチームだったので力技感あった)

今年はCSPO(認定プロダクトオーナー)を受講する予定なのと、開発チームとしっかり協業する可能性もあるので、足りないところは埋めます。


3-対人スキルと職責(人)

以下の4項目を対象とします。

・チームコラボレーションスキル
・ステークホルダーとのコラボレーションスキル
・エバンジェリズム(伝道)のスキル
・リーダーシップスキル

チームコラボレーションスキル > 4🚀

他メンバーと協力的な関係を築けているか?
互いへの敬意があるか?
エンジニアやデザイナーを十分に早くから関わらせ、顧客との直接的な接点を与えているか?
チームのスキルや意識をフルに活用しているか?

以下の要素から普段から良い関係性でメンバーを巻き込みながら仕事ができていると思います。

  • 古株メンバーであるアドバンテージ

  • 定期的に他部門のメンバーと1on1などを実施し、社内ネットワークの構築を意識

先月エンジニアに「ユーザーインタビューに同席してみませんか?」とお誘いし同席してもらった後、そのエンジニアから「実際に顧客と話せて良かった。また参加したいと思ったし、開発チームに啓蒙する」と言ってもらえました(嬉)

今後は他部門のメンバーを巻き込み、会社を良い方向に変えるための働きかけをもっとしていきます。(組織課題はたくさんある)

ステークホルダーとのコラボレーションスキル:3

社内全体にわたる関係者と協力するのがどれくらい上手か?
ステークホルダーから、事業の成功に純粋にコミットしている真のパートナーだと認識されているか?
会社の経営幹部を含む各ステークホルダーと互いに敬意と信頼を築くことができているか?

最近は以下の理由から経営幹部との協業頻度は減ってしまったと感じています。

  • 1年弱で急激に組織がデカくなったから

  • マネージャーレイヤーではないから単純にコミュニティケーション機会が減った

私が入社した2024年2月時点での社員数32名→10ヶ月後の12月現在の社員数数75名と2倍以上の組織規模に拡大!

10ヶ月で社員32名→75名の実現!スタートアップ一人目人事、1年目の奮闘記

どこかで仕方がないことだと思っていましたが、このnoteを書きながら僕の中のリトルユータローが「ポジションなんて関係ねえ!できることは何でもやれ!勝手に諦めるな!」と言っているので気持ちを改めます。

なお、上記の「ステークホルダーから、事業の成功に純粋にコミットしている真のパートナーだと認識されているか?」は自分だと判断が難しいなと思っているので、周りのメンバーに聞きたい…

エバンジェリズム(伝道)のスキル > 1👿

プロダクトビジョンとプロダクト戦略を効果的に共有し、プロダクトチーム、そしてプロダクトに何らかの方法で貢献する必要のあるさまざまなステークホルダーや社内の人々を刺激してモチベーションを上げることができているか?

できていない!危機感!これは個人的にも全社的にも大きな課題の1つなのでやらねば!!!(なので今のチームでこれにチャレンジしています)

リーダーシップスキル > 4🚀

プロダクトマネジャーは、効果的にコミュニケーションを行ったり、モチベーションを上げたりできるか?
プロダクトマネジャーは、チームやステークホルダーから、重圧のある状況などでリーダーシップを求めて頼られているか?

PMの重要なスキルの1つは推進力(自発的にメンバーとコミュニケーションをとり、事業を引っ張る)だと思っています。

これまでも今も泥臭くですがなんとか前に進めることはできてきていると思います。(これも社内基準の話であり、PM界隈だとまだまだ🐣だと思っている)

ちょうど今、上記のリーダーシップスキル向上に繋がる取り組みを自発的に行なっている最中なので、どこかのタイミングでnoteにまとめたいです。


まとめ

今回は社内基準で評価した(PM少ない)のと自分に甘いからなのか全体的に割と高いスコアになっちゃったのですが、PMとしての戦闘力はまだまだ🐣だと思っています。(本当に思っているし、今後のキャリアに危機感も感じている…)

Notionで簡単に可視化してみました

とはいえ、明らかに足りていないスキルや経験があることも明確にわかったので、このnoteを書いて良かったなと思っています。引き続き、事業成長のためにできることはポジションにこだわらずに何でもやっていくぜ!の精神で頑張っていこうと思っています。

あと…やっぱり自己評価って難しい!(結局)

冒頭にも書きましたが、スキ(ハートボタンを押す)してくださると執筆のモチベーションになるのとシンプルに嬉しいのでぜひポチってください!

参考情報・関連情報

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