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あたしと彼女の話2

『わたしの立ち位置』
 人間観察が好きです。
よく行くコンビニのイートインコーナーで朝の15分程度だけど行き交う人を観察する。 
オフィス街という事もあり、通勤のリーマンが多い。スーツというだけで、2割増しに見えてしまう。
くたびれたスーツにパリっとスーツ。
色んなスーツ姿が忙しく行き交う。
 そんなある日、歳は20代後半位か。紺色のパリッとキメたスーツのイケメンリーマン。
トイレに先客が居て入れず、トイレ待ちをする為、わたしの斜め前の席に荷物を置き、よく雑誌で見かけるようなモデル立ちをしていた。
 朝から眼福である。明らかに、今まで王道のイケメン人生を歩んできたんではないだろうか?立ち方からして慣れたものだ。
 わたしはというと、まあ、モブキャラの立ち位置だ。むしろ、それが心地良い。主役級を心置きなく眺められる。ビバモブ!
 以前、職場の先輩に。
『恋愛ドラマばかり見てないで、恋愛して自分の恋愛ドラマも始めなきゃ』
と言われた。
確かに、確かにそうなんだが、わたしなりに努力はしてる。
結婚相談所にも相談に行った、マッチングアプリも活用はしてみた。でも、しっくりこない。
 恐らく、結婚というカタチに執着してない。
でも、好きになった人とはずっと一緒には居たい。共通の趣味を持って、同じ時間を楽しめるなんて夢物語でしかない。
 なぜなら、わたしはモブキャラでヲタクという設定まである。ヲタク同士であっても、ベクトルが違えば話しが合わない。
ならば、ヲタクでなくても、寛大な心の持ち主を探すしかない。
 こんなわたしを好きになってくれる人は居るのか?だから、努力してみてもしっくりこない。
 好きな人に好きだと言われるそんな事が起これば奇跡だ。あり得ない事だと分かってる。
 そんなわたしのつつがない日々、いつものコンビニのイートインコーナーで人間観察をする。今、それが楽しみなのだ。

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