エフォートレスが常に最良ではない?
本日、ネクストコンタクトセンターサミット2023春で、『盲点に焦点!「呼量削減」の事例ばかり追っていると危険!?』というテーマでお話をさせていただきました。
『ネクスト』コンタクトセンターサミットだったので、いかに『ネクスト』な話題を提供できそうか?という視点で考えました。
今の『ネクスト』は、ChatGPTを始めとした次のAI技術をいかにコンタクトセンターの実務に実装するのか?という点が最もホットだなと思ったのですが、そこは野口さんにお任せするとして、、、、次点で、『AIが実装され続けるコンタクトセンターで、人の仕事は何か?』というテーマで話したいなと個人的に考えました。
が、いかんせん枠20分だったので、もう少し2023年、今年にフォーカスしたテーマとして、人間の役割は『顧客の不満解消から、顧客の満足もしくはさらに上の感動(カスタマーディライト)の獲得に重心が移る』という希望のもと、テーマを作成しました。
本番では、5問ほどテーマを設定して、ラーニングイットの畑中さんと話す予定だったのですが2問とちょっとのところで時間切れになってしまい、聞いて頂いた方には申し訳なかったなと思います。資料希望の方には送付いたしましたが、ほしい!という方はご連絡ください。
一応、ちゃんと話す後夜祭的な小規模ウェビナーもやりますのでぜひ。
そこで、5つの問いのうちの、問3の『「顧客の不満を解消すること」の限界とは?』というテーマの補足スライドが個人的にお気に入りなのでシェアさせていただきます。
エフォートレスという言葉は、コールセンター界隈の方であれば聞いたことがない人がいないと思います。エフォートレスとは、顧客の問題解決・不満解消体験を、快適に提供することで、より顧客の努力が少なくていい状態を目指すことを指します。
カラクリでも、エフォートレスな体験を提供することは第一テーマといってもいいくらい重要な概念です。
ただ、AIでの自動化のことばかり数年考えていると、AIで自動化できないような価値ってなんだろう?というのも同じくらい考えるようになりました。
自動化、効率化、正確、高速。
そのような価値とは逆のものが、AIぽくない価値かもしれないなと思い始めました。
手動、非効率、不正確、遅い。
だからこそ、イケている体験やサービスも結構あるよね?という考えに至り、誰か似たようなことを研究していないか?と思いいろいろ探索し始めました。そういうときはそれっぽいワードを英語に翻訳して論文検索やニュース検索を英語で実施、deepLでななめ読みをするようにしています。その中で「不便益」という考え方に出会いました。
最初は、英語の記事を発見したのですが、著者を見てみると日本の方で、日本語のサイトや記事、書籍も出てきました。
詳しくは書籍を読んでいただければと思いますが、川上さんの「便利の押しつけが,人から生活する事や成長する事を奪ってはいけない」に共感しまくりました。
「AIなどの新しい技術が、人から生活する事や成長する事を奪ってはいけない」と勝手に脳内変換したのですが、これはカラクリのvisionのFriendly Technologyと完全合致、KARAKURI digital CS seriesのブランドパーパスの「CSをエンパワーメントする」にも完全に合致しています。
不便だからこそ、価値があることを忘れない、ということを常に座右の銘にしつつサービス開発をしていきたいと思い至ったのでした。その感覚を共有したく、本スライドを差し込みました。
しかし、本番では時間切れで投影すらできなかったので、noteにまとめた次第です。
エフォートレスは大事だが、顧客、働く人、ステークホルダーの『生活する事や成長する事を奪ってはいけない』というのはぜひ頭の片隅に。
類似のキーワードで、ゲームのレベルデザインなども今思うとうまいなーと思っています。マリオの1面の難しさの設計は本当に絶妙だなと。(まあ、絶妙が常にいいかも議論がありそうですが)
また、エフォートレスとは間逆な考え方に、『闘争するサービス』という考えもあるようです。
この本は、スケダチの高広さんがシェアしていて、知りました。マーケティング系の話題が多いですが、カスタマーサポート界隈の人もぜひフォローしておくと、いい問いというか内省の機会ををもらえると思います。
『闘争』とあるように、この概念は。エフォートレスと真逆ですw
日立さんのオウンドメディアぽい箇所で、詳しく記事化されているので、こちらもみなさんぜひ。刺激を受けること、この上ないと思います。
以上、エフォートレスが常に最適ではない?というnoteでした。ちょっと話が発散しましたが、たまにこのようなものもいいかなと思いますw
よければ、ツイッターもやっているのでぜひフォローしてください。