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問い合わせをしてくれるカスタマーだけを対象にしていませんか?〜サイレントカスタマーを無視したコールセンター自動化施策が失敗する理由〜

コールセンターの自動化施策は成果の出ない事例ばかり?

2021年12月号のコールセンタージャパンさまの『"使えるチャットボット"を創る!』という記事でコメントを掲載していただいたので、補足のコメントをメモがてら更新しておきます。

この記事の背景に、『使えないチャットボットが世の中に溢れている』『成果が出ないチャットボット(などの自動化施策)が多い』という声が上がっていることがあげられます。

私達も、2018年のチャットボットのソリューションを提供しはじめてから、様々な失敗経験、挫折経験を経てきました。現時点では様々な企業様と、一定の成果を出すことができており、さらに大きな成果を目指して『CSをエンパワーメントする』という目的のもと、チャットボットだけではなく、様々なソリューションを開発・提供しています。

カスタマーサポートのDXにこれからチャレンジされる方々に、私達と同じ失敗をしないように、知見を共有したいと思います。

Q:カスタマーサポートのDXに失敗する理由は?

カスタマーサポートのDXに失敗する理由を、大枠まとめると、以下となります。

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今回は、『1.CX戦略の不在』に紐づく『顧客理解の不足』について、なぜそのような問題が起きるのか?について、よくある失敗パターンについて記事を書かせていただきます。(他のパターンについては別途まとめます)

Q:『顧客理解の不足』はなぜよく起きるのか?

こちらは、『コールセンターの顧客の定義の狭さ』『単純にパートナーやアウトソーサーに丸投げで知見不足』の2つが2大要因になります。

今回は『コールセンターの顧客の定義の狭さ』について、私達の失敗経験をふまえて共有したいと思います。

『顧客の定義の狭さ』とはどういうことか?

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従来のコールセンターでは、当然といえば当然なのですが、『問い合わせをしてくれる顧客』の問題解決に真摯に取り組むことがメインタスクとなります。

しかし、実際は『困っている顧客のうち、実際に問い合わせをしてくれる顧客は少数派』で、多くはサイレントカスタマーという現実があります。

グッドマンの法則となると96%、弊社の調査結果だと70%程度がサイレントカスタマーである、など、調査方法や事業体について変化しますが、問い合わせをしてくれる顧客は少数派であるケースが多いです。

少数派の問い合わせをしてくる顧客のみを対象としていると、少数派の意見・声が、すべての顧客の声のように感じていきます。

コンタクトリーズンや、VoCはもちろん、応対評価などのオペレーションの仕組みも、サイレントカスタマーではなく問い合わせをしてくれる顧客のみにどんどん最適化され、収束することになっていきます。

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しかも、残念なことに、問合わせをしてくれる顧客と、サイレントカスタマーのニーズは、100%一致するわけではなく、サイレントカスタマー特有のニーズもあり、問い合わせをしてくれる顧客だけの理解では、『困っている顧客』の理解をすることはできません。

私達も、問い合わせをしてくれる顧客だけをみて、自動化施策を立案した結果、『FAQやチャットボットの利用者数が上がらない』や『目指した効果が出ない』ということが事象が起きました。

そもそもテクノロジー活用の醍醐味は、『やれなかったことができる』ことかなと思います。

『今まで対象となってこなかった、困っているけど問い合わせをしない顧客=サイレントカスタマー』を対象にして、プロアクティブにサポートしていくことで、より事業貢献につながるということを発見することができました。

サイレントカスタマーを含む『困っている顧客』へ対象を広げる

失敗しない自動化施策を練る前提として、問い合わせをしてくれる顧客だけでなく、サイレントカスタマーを含めた『困っている顧客』を、コールセンターが対処すべき顧客である、という設定をすることが重要になります。

しかし、ここで、もう一つ、大きな問題が発生します。

それは、ここ数年のコールセンターの自動化施策・AI活用は『コスト削減』がメインテーマになっていることもあり、それはそれで、経営貢献につながるのですが、『コスト削減』だけをテーマにすると、必然的に『問い合わせを減らすこと』だけにフォーカスしてしまうこと発生します。(弊社でも発生した)

問い合わせをしてくれる顧客だけでなく、サイレントカスタマーを含む『困っている顧客』を対象とした場合、『問い合わせを増やす』ために四苦八苦することが必要です。

『問い合わせを減らす』ことに執念を燃やすことから、『問い合わせを増やす』ことに執念を燃やすという、全く別のベクトルへ転換する必要があります。ここは、コールセンター部門だけでは、設定できない方針だと思いますので、経営判断になるかなと思います。

実際には、『問い合わせを増やす』が、同時に自動化領域も増やしていく、こととなります。

しかしゴールが大きく変わり、設計思想も変わるので、どちらにしろ全社で合意を得たほうがいいポイントには間違いないと思います。

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困っているけども問い合わせをしない顧客=サイレントカスタマーとどのようなコンタクトをはかっていくのか?というのがテクノロジーの活用しどころになるかなと思います。

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まとめ

CX戦略の不在に大きな影響を与える『顧客理解の不足』、その解消には『問い合わせをしてくれる顧客』だけにフォーカスするところからの脱却が必要なります。

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困っているけども問い合わせをしないサイレントカスタマーを含む困っている顧客全体を理解していくこと、困っている顧客を救うためにはどうすればいいのか?ということにコールセンター部門が中心になって、全社で取り組めるような変革が起きていくことを望んでいますし、弊社のしっかりとそこに向き合っていきたいと思います。



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