健康診断 パンティー事件
わかって欲しい。
下ネタ寄りだが、
私は決して
もー、下ネタばっかりね、この人、
という感じの人間ではない。
懐かしき思い出話である。
当時まだ独身で20代だった大好きな伯母が、
まだ子供の私とお風呂に入ってくれた時、
初めてみた『パンティー』という存在にときめいた。
当時小学生の私の下着は、
無論パンツ、という響きの似合うアレである。
オシャレと言ったら
せいぜい前に小さなリボンがあるか、
お尻に可愛いアニメキャラクターがプリントされているか
みたいなものだ。
パンティーは違った。
衝撃的に、はるかに可愛かった。
履く前は小さいのに、履くとゴムがビヨーンと伸びた。
無論ローライズで、おへそは隠れなかった。
私は母に、
わたしもパンティー履きたい!と熱烈に(かどうか忘れたが)申告したのだろう。
母は私にピンク色のパンティーをひとつ与えてくれた。
ピンクの具合はちょっと大人な濃いめのピンクで、無論ローライズだった。
私が履いてもあまりビヨーンとは伸びないので、
なんかクシュッとしたピンクのものを履いてるだけであった。
それでも私は嬉しくて、ちょっと大人なおしゃれが出来た気がして、誰に見られるでもないが、時々そのパンティーをはいて、学校へ向かっていた。
するととある日。
その日は健康診断だった。
スケジュールという感覚が非常に弱かった私は(今も弱いが)、
ご期待にもれず、この日に奇しくもあのピンクのパンティーを履いてしまった。
当時の小学校は、なぜか教室でパンツ一丁になり、列をなして保健室へ向かうシステムだった。
流石にわたしにもTPOはあった。
パンティーを履くほどの高学年でもなかったので、なんだかとても複雑な気持ちで1人際立つパンティーで列に入った。
子供心に廊下をパンツで歩くのは団体戦だとしても恥ずかしい。
なのに。
なのに。
そんなん更に恥ずかしい。
まさに紅一点とはこのこと。
みんなせいぜい、白地にバックプリントか、薄いピンクぐらいだ。
わたしのはその比ではない、大人なピンクだった。
おそらく先生も驚いたであろう。
平然とするフリをしたであろう。
飲み会のネタになったであろう。
クラスメイトの中でも軽い事件になったであろう。
無論わたしの耳には入って来なかったし、
その事でからかわれた記憶はないが、
思い出すだけで
あれは参事だったよねあんた、
と笑いながら過去の私に語りかける気持ちになる。
不意に過去の嫌なことを思い出してしまう癖があるのだが、今回はあまりにも過去すぎるのと、流石に大人目線で思い出す余裕が生まれたのとで、一人大爆笑してしまった。
でもこれが意外な体感で、
失敗の中でもトラウマ級の失敗だったが、
へえ、こうやって笑える日というのは訪れるのか。
という体験にもなった。
穴があったら入りたいかったし、
その後の記憶は抹消されている。
そんな失敗があったから、
私は日々のパンツ選びを気をつけるし、
今こうして笑えるたくましい大人になれた。
同じ話を何度もするおばあちゃんになった時にこのネタを繰り返すのもアレなので、
ここで話し納めにしようと思う。
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