【過去最高にダーク!!】『ザ・バットマン』はどんな映画なのか?
DCコミックスを代表する人気キャラクター「バットマン」。1939年に誕生して以降、何度もアニメ・映画化されてきた世界的知名度をキャラクターだ。これまでにもティム・バートンやクリストファー・ノーランなどの有名監督によって何度も映像化されており、その多くが高い支持を得ている。
そのバットマンの新たなリブート作品が2022年3月11日(金)に公開される(本国では3月4日に公開済み)
本来なら2021年に公開されるはずだったが、昨今の世界事情のせいで延期されまくるという憂き目にあっていた。それだけに待ち望んでいた人も多いのではないだろうか。
この記事では『ザ・バットマン』について、これまでに判明してる情報をまとめてみた。本作を心待ちにしてる人、気になっている人はぜひ参考にして欲しい。
【上映時間は約3時間!4時間版も存在するとの噂も…】
『ザ・バットマン』の上映時間は2時間55分。これはこれまでの映画で最長だった『ダークナイト』(2008年)の152分を大きく更新している。
スーパーヒーロー映画という括りでみても、『ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット』(2021年)の242分、『アベンジャーズ エンドゲーム』(2019年)の181分についで長い。SNSでは、上映時間の長さを不安視する声も見られている。
だが、ワーナー幹部の試写で何度も上映して、GOサインが出たという記事を読む限り、無謀なチャレンジという訳ではなさそうだ。
それに見やすさを意識して、変にカットを入れるよりこれだけ長くしたのは作り手を尊重しているとも思える(こうした決断の裏側にはスナイダーズカットの件が大きく影響しているのかもしれない)
しかも海外サイトの情報によると、今回上映されるバージョンよりさらに長い4時間版が存在するという話もある。海外記事によると、ワーナー内部にて4時間に及ぶ初期カット版の試写が行われていたというのだ。状況によっては第二のスナイダーズカットが誕生…なんてことも考えてしまう。
年齢指定に関しては、ダークで暴力的な内容からR指定になるのではないかとも予測されていたがレーディングはPG-13(13歳未満の子どもが鑑賞する場合には保護者の注意や指導が望ましいとされる)となっている。上映形態も劇場公開(2D,3D,IMAX,Dolby Cinema)で決定している。
【各キャスト紹介&ロバート・パティンソンにまつわるエピソード】
本作の各キャストは以下の通り。多彩な顔触れが並ぶ。いづれも実力派揃いだ。
実はロバート・パティンソンがバットマン役候補に選ばれたと報じられた時、アメリカではロバート・パティンソンを候補から外すように求める署名運動が行なわれている。
ロバート・パティンソンといえば、『トワイライト』シリーズでアイドル的人気を博していた時期がある。
「ロバート・パティンソンのようなアイドルがダークヒーローのバットマンを演じるのは相応しくない」そう思った人が多かったのかもしれない。
だが、ロバート・パティンソン自身、「アイドル俳優」という立ち位置から脱却するために、その後はアート系映画などに出演し、俳優としてのキャリアを磨いているという経緯がある。
『TENET テネット』(2020年)や『ライトハウス』(2021年)を観れば、ロバート・パティンソンがアイドル俳優ではないということは分かるだろう。
監督のマット・リーブスは、今作のブルース・ウェインを朽ち果てていく世捨て人のような存在と捉えており、インスピレーション元の一人として「ニルヴァーナ」のカート・コバーンを挙げている。そのうえで、ロバート・パティンソンが役柄にピッタリだったらしい(オファーしたが、逆に断れたらどうしようと心配したとのこと)
そういう訳で、マット・リーブス監督のイメージする通りのバットマンだったロバート・パティンソン。果たしてどんなバットマンになっているのか、こちらも期待したいところだ。
【今回のバットマンはどんなストーリー?】
今回のバットマンのはブルースがバットマンになってから2年目の物語。劇中で起きる殺人事件を通じて、ゴッサム・シティの歴史、そしてブルース・ウェインが成長していく姿が描かれていくとの事。
マット・リーブス監督は、本作のことを「とても現実的でありながら、これまでのバットマン映画の中で最も感情に訴えかける作品になっている」と語っている。
参考にした映画は、『チャイナタウン』(1947年)や『フレンチ・コネクション』(1971年)、『タクシードライバー』(1976年)など。これらの作品に共通するのは、アウトローな主人公が登場するという事と、作品自体がハードボイルドな作風であるということ。リーヴス監督が語るバットマン像にかなり近いのでは…?
また、参考にしたコミックスに「バットマン:エゴ」、「バットマン:イヤーワン」、「バットマン:イヤーツー」などを挙げてるが、その中でも特に参考したのは「バットマン:ロング・ハロウィーン」であったことを明かしている。
「バットマン:ロング・ハロウィーン」は『ダークナイト』にも影響を与えた傑作コミック。連続殺人事件を追いかける主人公が、徐々に事件に囚われていってしまう姿が、ノワール物語として素晴らしい。
マット・リーヴス監督が本作で目指したのは、バットマンの原点回帰。そもそも「DC」は「Detective Comics(探偵漫画)」の略称。ファンタジー要素を取り除き、現実的なキャラクターとしてのバットマン像を目指したらしい。
少し前に『ザ・バットマン』を観たワーナー内部の感想がSNS上に上がっていたが、「まるでホラー」と語っている。これまでのことから、今回のバットマンはシリーズ中、最も現実的かつダークなノワール映画(なおかつ怖い!)となるのではないかと推測できる。
【今作のヴィランは?】
今回で登場するヴィランは、現時点では、リドラー、キャットウーマン、リドラー、ファルコーネの4人が登場することが分かっている。
【リドラー/ポール・ダノ】
リドラーは、バットマンの初期シリーズから登場するヴィランの1人。高い知能を持ち、犯罪の計画に謎やパズルを組み込んで、バットマンとの謎比べを楽しむというキャラクターだ。過去には『バットマンフォーエヴァー』(1995年)でジム・キャリーが演じている。
今回、リドラーを演じるのは『リトル・ミス・サンシャイン』(2006年)、『スイス・アーミー・マン』(2017年)のポール・ダノ。ナイーヴで繊細な役柄が多い印象のポール・ダノだが、今回のバットマンでどのようなリドラーを演じているのか興味深い。
リーヴス監督によると、今回のリドラーはこれまでの作品の印象とはだいぶ異なるキャラクターになっているとのこと。確かにジム・キャリー版のリドラーと比べるとビジュアルからして全然違う。
実は今作のリドラーはアメリカで実際にあったゾディアック事件がもとになっている。実際の未解決事件をもとにしてることもあって、コミカルだった『バットマンフォーエヴァー』と違い、だいぶダーク&シリアスになることが予想できる。
【キャットウーマン(セリーナ・カイル)/ゾーイ・クラヴィッツ】
キャットウーマンはバットマンシリーズにおいて、単体で映画化されるほどの人気キャラクター。バットマンに対して複雑な愛憎感情を持っており、敵か味方かも分からない。これまでにハル・ベリーやミシェル・ファイファー、アン・ハサウェイなどが演じているキャラクターでもある。
この名女優の顔ぶれに名を連ねることになるのが、ゾーイ・クラヴィッツ。ロックミュージシャンのレニー・クラビッツの娘で、これまでに『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年)、『ダイバージェント』(2014年)、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)に出演している。
リーブス監督によると、今作のキャット・ウーマンは、これまでのバットマンシリーズの中でも珍しい扱いになるとのこと。どんなキャットウーマンが登場するのか楽しみにしたい。
【ペンギン/コリン・ファレル】
ペンギンは狂人だらけのヴィラン達の中で、心理的には正気という珍しいヴィランだ。ペンギンを彷彿とさせるようなよたよた歩きと小柄な体格が印象的。バットマンシリーズの中では最も古いヴィランの一人でもある。
今回、ペンギンを演じるのは『ロブスター』(2015年)、『ダンボ』(2018年)の名優コリン・ファレル。特殊メイクで変身したコリンの姿は、本人の容姿からかけ離れた姿となっていて驚かされる。
実はコリン・ファレル演じるペンギンに関しては、ペンギンが主役のスピンオフシリーズへの出演が決まっている。果たしてどんな悪党っぷりを披露するのか、コリン・ファレルの名演技をあわせて期待したい。
【カーマイン・ファルコーネ/ジョン・タトゥーロ】
カーマイン・ファルコーネは、マフィアのボスにしてブルース・ウェインの良き友人、バットマンとは敵対関係にあるという興味深いヴィランだ。
ファルコーネを演じるのは、スパイク・リー監督やコーエン兄弟の映画の常連でもあるジョン・タトゥーロ。個性派俳優として有名なジョン・タトューロだけにどう演じるのかが楽しみだ。
リーブス監督によると、今作はバットマンだけでなく、悪役の成長も描かれるとのこと。悪役の生い立ちも描かれるということなので、これまでの作品より一歩踏み込んだ作品になるのではないだろうか。
【監督のマット・リーヴスはどんな作品を撮る人?】
監督を演じたのは、『クローバーフィールド HAKAISHA』(2008年)、『猿の惑星』シリーズで監督をつとめたマット・リーブス。SF、ホラー、アクション、様々な作品があるがどの作品も一定の評価を得ており、手堅い印象のある監督だ。
『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008年)をリメイクした『モールス』(2011年)や『猿の惑星』シリーズなどを見ると、ダークでシリアスな作風の作品となっており、今回の『ザ・バットマン』もこうした作風になるのではないかと予想している。
『ザ・バットマン』はシリーズ構想の話も挙がっているが、リーブス監督は過去に『猿の惑星』という大作シリーズを手掛けている。この実績も今後の展開を考えると適任なのではないだろうか。
【他作品、他シリーズとのクロスオーバーの可能性は?】
実は今回、DC作品の『ザ・フラッシュ(原題:The Flash)』で、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)などで、バットマンを演じたベン・アフレックのバットマン復帰が報じられている。(またマイケル・キートンのバットマン復帰も決まっている!)
つまり、今回の『ザ・バットマン』とは別世界の作品という位置付けになるとのこと。
【幻のベン・アフレック版のバットマンの脚本も存在した!その内容は?】
もともと『ザ・バットマン』を手がける予定だったのは、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)でバットマン役に起用されたベン・アフレックだった。
監督、脚本、主演を務める予定だったが、その後、ベン・アフレックは降板。(理由はこれまでハッキリ明かされなかったが、最近になって自身のアルコール依存症が原因だったと告白している)
その後任として、マット・リーヴス監督に白羽の矢が立った訳だが、最近になってリーヴス監督が、ベン・アフレック版の『ザ・バットマン』の脚本を読んでいたという事実が明らかになった。
リーヴス監督いわく、アフレックの脚本はジェームズ・ボンド風の正統派なヒーロー映画だったらしく、他のDCキャラも出るようなユニバースを意識したものだったらしい。
しかし、リーヴス監督は自分の撮りたい脚本ではないと、これを却下。その場で自分なりのバットマンのビジョンを語ったことで、今回の『ザ・バットマン』製作へと繋がっていった。
幻のベン・アフレック版の脚本がどんな作風だったのか気になる…!
ということで、いかがだっただろうか。今回の『ザ・バットマン』、かなり暗めの作品になることは間違いない。どんな作品になるのか今から楽しみだ。
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