10/2公開【週末おすすめ映画4選】A24の新作2本から石井裕也監督の新作まで
遂に今年も10月に突入。最近は朝や夜は涼しくなって、すっかり秋模様の天気へ。さて、今週末から公開の新作はミニシアター系の作品が充実している。A24の新作が2作品や石井裕也監督の新作などが公開される。今回も筆者が気になった作品を4本挙げている。興味ある方は是非。
【伝統か真実か?A24が贈る家族の物語『フェアウェル』】
中国で生まれアメリカで育ったルル・ワン監督の実体験に基づいた物語。ニューヨークで暮らすビリーのもとに、中国にいる祖母が末期がんで余命数週間という知らせが入る。祖母の元を訪れたビリーは、自身の病状を知らされてない祖母に対し、本人に打ち明けるべきだと主張するが、中国に住む大叔母は、ビリーの意見に反対する。中国では助からない病は本人に告げないという伝統があり、ほかの親戚も大叔母に賛同。ビリーと意見が分かれてしまうが……。実生活においても実際にありそうなこの問題。全米で4館から始まり、TOP10入りするまでの大ヒットとなった本作。A24提供という事はもちろん、アジア系家族を題材にした作品が、ゴールデングローブ賞を受賞した点にこそ注目するべきなのかも。
【ソフィア・コッポラ×ビル・マーレイ×A24の最強タッグ『オン・ザ・ロック』】
ソフィア・コッポラが、『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年)で主演をつとめたビル・マーレイと再びタッグを組んだ作品。夫の行動に疑惑を抱いたローラは、その事をプレイボーイの父フェッリックスに相談する。夫を尾行して確かめようという話になり、2人で尾行に繰り出すが、その道中で2人は父娘の関係についても改めて考える事となり…というあらすじ。いつものソフィア・コッポラ作品らしく、予告編からも軽妙で洒脱な雰囲気がよく伝わってくる。今作を、ソフィアはニューヨークへのラブレターと表しており、ニューヨークへの愛が詰まった作品になりそうだ。加えてA24プレゼンツという点でも大いに期待してしまう。
【新世代のニューヒロイン誕生『エマ 愛の罠』】
ダンサーとして活躍するエマは、ある事件をきっかけに心の拠り所を失ってしまう。 振付師である夫との結婚生活が破綻した彼女は、その魅力を武器に実直な消防士と彼の妻までをも虜にしてしまう。不可解なまでに奔放なエマの行動。しかし、その行動の裏にはある秘密が隠されていた…とにかくこの作品は、予告編のインパクトがデカい。火炎放射器を手にしたエマのビジュアルには思わず目を見張るほど。主人公エマ役を新人のマリアーナ・ディ・ジローラモ、夫のガストン役をのガエル・ガルシア・ベルナルが演じているのも見どころの一つ。
【初期衝動を再び、石井祐也監督の原点回帰作『生きちゃった』】
香港国際映画祭などが東アジアの6人の監督に「原点回帰、至上の愛」というテーマで撮らせた企画の一編。『舟を編む』(2013年)、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2017年)の石井裕也監督が、初期衝動に任せて3日で撮り終えた意欲作。自身のオリジナル脚本を仲野太賀、若葉竜也、大島優子の3人のキャストで映画化。高校時代から仲のよい幼なじみの山田厚久と山田奈津美、そして武田。幸せだった厚久と奈津美だったが、ひょんなことから奈津美の浮気を知ってしまう。感情に表に出すことのできない厚久、そして奈津美、武田の3人の関係はこの日を境に次第にゆがんでいく…。石井裕也監督の新作という事で気になっていた作品。予告編を観ただけでも、その熱量の熱さを実感できるだろう。こちらも俄然観たい
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