『目黒寄生虫館』に行ってきました。
『寄生虫館』
その名前を初めて知ったのは小学生のとき。
記憶もおぼろげなのだけど、確か読んでた漫画の後書きで紹介されていたんだと思う。
「寄生虫館、観に行くとご飯が食べられなくなるから要注意」という刺激的な煽り文句とともに。
寄生虫を集めた博物館、それは確かに気持ち悪いだろう。
そんな場所がこの世に存在するのか、と衝撃を受けて「いつか行ってみたいなぁ」と幼心に思ったことを覚えている。
漠然と行ってみたいとは思ったものの、そんな思いが実現することはなく月日だけが過ぎていった。
再び『寄生虫館』の名前を意識したのはビル・ゲイツが来館してニュースになったとき。
この記事はさまざまなニュースサイトで取り上げられていたので知ってる人も多いのではないだろうか。
2022年、新型コロナウイルス感染によって寄生虫館への来館者が減少し、ウェブサイトや館内の掲示で寄付を呼び掛けていた時にビル・ゲイツが訪れたのだ。
こうしたニュースもあって改めて寄生虫館に行ってみたいと意識するようになった。
そして東京に行く際に彼女に
「今度東京行くとき、寄生虫館行ってみたいんだけど行く?」と聞いたところ「行きたい」と即答。
こういう時に即答で行こうと返してくれる彼女、さすがである。
ということで2月25日の日曜日に寄生虫館に行ってきました。この記事はその時のレポートになります。
天気はあいにくの雨。目黒を訪れるのは、以前目黒シネマで『ドニー・ダーコ』観て以来2年振りとなる。雨に関係なく駅前は多くの人が行き来をしていた。
目黒寄生虫館は目黒駅から徒歩で15分程度のところにある。
道のりはほぼ1本道で、道路沿いに建っているので道に迷うことはまずないだろう(坂道を下っていくだけ)。
ただ、目黒は歩行者用道路は結構狭い&坂道なので道中、対抗者や自転車を避けたりしながら歩くので少し周囲に気を配る必要がある。
しかもこの日は傘を差して歩いていたので、彼女と縦一列になって進む場面もあった。
そうこうしてる内に目黒寄生虫館に辿り着く。
失礼な話、想像した以上にこじんまりした見た目に拍子抜けさせられる。
展示スペースは1、2階の2フロア。寄生虫館のHPを見ると平均見学時間は30~40分とのことで、自分たちも観終わるの1時間は掛からなかったと思う。
なお「こじんまり」とは表現したが展示内容は濃かった。
ここで改めて目黒寄生虫館の概要を紹介したい。
寄生虫館は医師かつ医学博士の亀谷了さんが私財を投じて1953年に創設した博物館。日本唯一の寄生虫学専門の博物館で現事務長は創設者の孫にあたるとのこと。
「啓発活動にお金を取ってはならない」という信念から、開館当時から無料を続けていうのだから素晴らしい…
ということでまずは1階から。
1階は「寄生虫の多様性」をテーマに「寄生とは?」から始まり、人や魚の寄生虫などが展示されている。何でも寄生虫の種類は自由生活をする動物よりも多いらしくて驚いた。
ガラスケースの中には様々な寄生虫の標本が並べられている。
正直なことを言うと、前評判で言われてるような気持ち悪さは感じなかった。それどころか標本の仕方もあって綺麗だとすら思った。
何だろう、今ってSNSでそれこそ見たくなくても衝撃的な画像を見かけるからもうある程度の気持ち悪さというものに耐性がついたのかもしれない。
寄生虫館で有名なのは「フタゴムシ」という寄生虫。自分はその存在自体知らなかったのだけど生態がとてもロマンチック。
何でも運命の相手を見つけると蝶のように一体化し一生離れなくなる。
何でも創設者の亀谷先生はフタゴムシの研究をライフワークとしていたらしいがそのロマンチックさに惹かれたのかもしれない…なんて考えてしまった。
館内に映画『恋する寄生虫』のポスターが貼ってあって何だろうと思ったのだけど、この映画の原作の題材が「フタゴムシ」なんだね。
1階を見終わってから2階に向かう。
2階は「人体に関わる寄生虫」をテーマにしたフロア。
「寄生虫学の歴史」や「人体寄生虫」、「風土病的寄生虫病」などのテーマに分かれている。
印象に残ったのは「日本住血吸虫」のコーナー。
「地方病」というワード、X(旧Twitter)をやってる人なら1度くらいは見かけたことがあるんじゃないだろうか。
地方病とは日本住血吸虫症のことだが、この病気について語ったWikipediaが凄いと定期的に話題に挙がるのだ。
Wikipediaでは一つの病気の原因を何代にも渡って突き止め解決までの歴史が描かれている。
かなり読みごたえがあるので、読んでない方は是非とも読んで欲しい。これは映画化や小説化して欲しいくらい(もちろん、記載されてる事実が本当かどうか確認する必要はあるが)。
ということで「目黒寄生虫館」面白かった!というかようやく行けたという感慨深さもある。興味ある人は是非一度足を運んでみて欲しい。