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2022年10月 草木染めワークショップ

日時:2022年10月30日(日)
場所:下北沢駅南西口ののはら圃場

ののはら圃場前にて

こんにちは。園藝部員のこえびです。
今回、初めて「草木染め」のワークショップを開催しました。
ちょっと長いですが、お付き合いください^^

園藝部には、さまざまな植物のプロフェッショナルが在籍しており、自然と調和した生き方の知恵や、緑の恵みがたくさん集まっています。
その素晴らしさを、自分が生業としているデザインや色の視点から、なにか伝えられたらいいな、と思っています。

コンセプトは「自然の色であそぼう!」
わたし自身、植物に関しては知らないことだらけなのですが、みんなで実験しながら一緒に学んでいけたら楽しいんじゃないかな。
そんな気持ちで作った場です。

今回使った植物はこちら。

今回はこの3種類の植物で染めました。ビワもイヌタデも、ののはらに生えている植物。ヨウシュヤマゴボウは毒性のある外来種で、空き地などに自生しているものを園藝部メンバーで集めました。

まずはそれぞれの植物について、簡単なレクチャーのツアーをします。
ののはらのお庭のデザインや、ランドスケープについても少し触れました。

今回の会場はののはらの圃場前。土を循環させるコンポストの前で。
それぞれの植物に触れながら、簡単なレクチャーをします。

植物ごとにチームに分かれて、収穫したり、切ったり、絞ったり。
葉の色や厚みに触れ、植物のかたちを理解しながら、手を動かしていきます。その体感があってはじめて、出てきた色の不思議さや面白さが自分の中で体系的に繋がり、腑に落ちていくんじゃないかな、と思います。
あらためて、自然の一部をいただいているのだな〜という感覚が、じわじわと湧いてきますよね。

イヌタデを収穫しているところ。葉の部分だけを丁寧に選り分けて。
ビワの葉をカットしているところ。断面を細かくし、色素を抽出しやすくします。
ヨウシュヤマゴボウの実を濾しているところ。こちらは火を入れず、そのまま染液にします。
事前にいろいろと作業の流れを考えました。


そして、大切なのが、豆乳のタンパク質を使用した濃染処理。
綿も麻も、そのままだと色が入りにくいのです。植物の色素は動物性の繊維と相性が良く、綿や麻に比べて、ウールやシルクは濃く染まります。
その性質を擬似的に取り入れる方法のひとつとして、豆乳に布を浸していきます。

じつは、豆乳を買い忘れて朝から大慌てでした。。。笑
綿ですか?麻ですか?と素材を確認しながら、浸していきます。


それぞれ準備が整ったので、いよいよ火を入れていきます。

素材を入れ、ぐつぐつと煮込んでいきます。


草木染めの歴史はとても奥深く、高い技術と知識に裏付けされたもので、簡単に真似できる世界ではありません。
でも、わからないなりに、まずは自分でやってみよう!とわたしは思いました。
草木染めに限らず、植物の素晴らしさを、「お料理」みたいに、みんなが当たり前に楽しんでいる世界があるとしたら、すごくいいなと思うのです。

植物から色が出たときの驚き、感動、そこにはすごくシンプルな喜びがあるからです。

ほら!見てください!

イヌタデから出てきた鮮やかな黄色!とても華やかです。

これは、藍染に使われるタデアイとおなじ「イヌタデ属」。
もしかしたら、藍と同じ種族のこの子も色が出るのでは?と実験してみたところ。。。ビンゴでした!
この鮮やかなイエローを発見した時の嬉しさは忘れられません!!!

こちらはビワの染め液です。暖かくてやさしい色ですよね。

こちらはビワの葉から出てきたきれいなオレンジ色。友人の畑から分けてもらった葉を使って染めています。

ビワの染め液を使って、わかりやすく性質の変化を見ます。灰汁やミョウバンなど、媒染する素材の性質によって、落ち着いたピンク〜オレンジまで色の幅が出ました。
今回使った竹炭の灰。やってみたかった灰汁媒染でしたが、まさか灰があるとは。。園藝部にはあらゆる素材が揃っています!

一方、こちらはヨウシュヤマゴボウチーム。下北沢のあちこちから来たたくさんのヤマゴボウたちをみんなで潰し、染め液にしていきます。

子どもの頃の色水遊びみたいで、懐かしい気持ちに。
わきあいあいと、初対面でも会話が弾みます。


「子どもの時にやってみたかったことをみんなでやってる!」

って、どなたかがおっしゃっていましたが、その感想、すごく嬉しいなと思いました。
こういうこと、やってみたかったですよね〜^^

いよいよ、染めていきます。

ビー玉や輪ゴムで模様をつけていきます。
染め液に浸したあと、ミョウバンの媒染液に浸ける。色の変化をみながら、この工程を繰り返します。
素材によって、濃く染まったり、薄くなったり。素材だけでなく、織り方も関係していそうです。
ヤマゴボウでウールの毛糸を染めていきます。水引にも綺麗に色が入りましたね!


植物の葉ってだいたい緑色だから、緑っぽく染まるのかな?と思いませんか。
わたしはそんなふうに考えていました。
ところが、見た目とはぜんぜん違う色が出ることが多いのです。

ビワの葉って緑なのに。。

どうしてこんな色になるんだろう?を追求していくと、草木染めはまるで化学の授業だということがわかってきます。
酸とアルカリの化学反応、媒染液の性質、布の素材、手順、時間、温度、季節。。

事前に何度も実験していても、環境が違えば染め上がりも当然違い、原因を検証することがとても難しい!

植物の不思議。たくさんの色を楽しむことができました。

色を出すのは煮込むだけなので比較的簡単なのですが、思い通りに染めること、その色をキープすること、それらをきちんと技術的に追求しようとすると、ものすごく複雑で奥の深い世界なのです。

色水を並べてパチリ。暖色系のきれいなグラデーションに。


でも、ここは、実験室。「思い通りの色を出そう!」と力むよりも、「今日はどんな風に染まるかな」と委ねてみたほうが、楽しめるような気がします。
失敗も含めて、経験ですね〜。

園藝部員の大沢さんの作品。ビー玉で絞りを入れたハンカチを、タデで染めました。
かわいいですね!
圃場がキラキラの色でいっぱいになりました!
カラフルです!



優しい色に癒されて、お天気も良く、気持ちの良い日でした。

最後に、みなさまの笑顔をパチリ。

園藝部員のももちゃん。朝早くからありがとう〜
ワークショップを終えて、ののはらを散歩。緑の美しさが映えますね。
きれいな写真を撮影してくださった園藝部員のみずきさんをパチリ。


草木染めラボ、これからもゆるゆる続けていこうと思うので、またよかったら参加してみてくださいね!

植物で染めた糸を使って、次はこんなワークショップをやります。
こちらもよかったらどうぞ。※まもなく定員です!

もの丁寧に向き合う、手を動かす。これもすごく優しい時間になりそうです。
先生が作ったサンプル。かわいいですね。
石垣島の月桃や福木から染めたもの。いろんな色の糸を連れていきますよ〜



園藝部の活動はインスタグラム でご覧いただけます。
https://www.instagram.com/shimokita_engei/?hl=ja
季節に合わせた様々なワークショップやイベントを開催しています。
よかったら気軽に遊びに来てくださいね。

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