「2023年度エコガーデナー養成講座」受講生レポート5月・日曜クラス
シモキタ園藝學校エコガーデナー養成講座・日曜クラス、第2回講座の レポートです。担当は受講生のくろだです。
座学① 前回のフィードバック 「根と土のはなし」
樹木にとって「深植え」(根を必要以上に深いところまで埋めるようにして植えてしまうこと)は生育不良になりよくないとわかっているのに、プロの造園関係者が、なぜ「深植え」をしてしまうのか。マメシバ先生より解説がありました。
いくつか理由がありますが、「枯れ保証」(保証期間内に枯れると施工者が同等品と無償交換しなくてはならない)の問題が一番大きいようです。例えば、土をかぶせておくと夏の水切れなどを避けやすくなり枯れるリスクが低減されるので、短期的なリスク回避策として深植えをしてしまう…ということのようです。
お金が絡む話だけに難しい問題です。即効性のある解決策はみ出せなさそうですが、「深植えダメ」という考え方を、発注者側を中心にじわじわと広めていくしかなさそうです。
座学② ディスカッション 「雑草を味方にする庭づくり」
今回の授業に先立って受講生が撮った「素敵に見える雑草のある風景」「見苦しく見える雑草のある風景」について、グループに分かれて「どんなふうに素敵なのか」「なぜ見苦しいのか」といった観点から写真を分類してボードに整理していきました。
他の人が素敵だと思った雑草風景が自分にはどう見えるのか。なぜ、この写真を撮った人はこの風景が素敵だと思ったのか。そんなことを考えながら写真を分類していく作業は頭を使って楽しかったです。
意外と「素敵」「見苦しい」の感覚って個人差は小さいんだな(きれいな花は素敵だし、本来園芸植物で管理されているべき場所に雑草がボーボーに生えてるのは見苦しい、など)…というのが率直な感想でした。
個人的に印象的だったのは群生するナガミヒナゲシの写真が「素敵」「見苦しい」のどちらにもあったこと。「駆除すべき外来種」という見方をすると「見苦しい」となるのかもしれません。ナガミヒナゲシについては、神経質に片っ端から駆除しなくてはならないほどの影響力はないという考え方もあり、「個人の感覚」は「情報」にかなり影響を受けるのかもしれないなあと思ったりもしました。
もう一つ、「エコ・ガーデナーは自分の感覚だけで判断せず、見た人がどう感じるかを考えなくてはいけない(大意)」というマメシバ先生の言葉も印象に残っています。個人の趣味としてのガーデニングとエコ・ガーデーナー(=地域交流や環境資源の循環に貢献するために、まちのみどりを育み、暮らしに活かす術をもつガーデナー)の違いを改めて意識させられました。
下北線路街見学②(Hブロック~空き地~園藝部こや)
見学しながら雑草の刈り方について実地で学びました。雑草は抜くのではなく根は地面に残したまま生長点が残らないように刈るのが土壌によいとか、面積が広めの場所は雑草が多少残っていてもそんなに見栄え上の問題にはならないが狭い場所はしっかり抜くとか、(たぶん)ごく基本的なことを学びました。
歩きながら線路街に植えた植物について先生に解説していただいたのですが、ちょっとした高低差で雨水が集中して流れ込む角地に植えたクリスマスローズが根腐れして枯れてしまっていたりとか、シロツメクサの葉の大きさが人が踏む場所とそうでない場所で全然違ったりとか、植えた後の植物種間の力関係で想定通りの育ち方にならないことがあったり(エキナセアとヒュウガミズキを植えたらエキナセアばかりが育ってしまった)とか、実地ではいろいろなことが起こっていることを知り、観ていて飽きることがありませんでした。
エキナセア強い!
弱ったヒュウガミズキは温存し、エキナセアをどこか別の場所に引っ越しをせねば、とのことでした。
園藝部のコンポストの仕組みと使い方を知る
コンポストチームのリーダー斉藤よしじさんに解説していただきました。
リンゴ業者さんからのいただきもののリンゴ箱単位でユニット化しているのが面白かったです。リンゴ業者さんとの連携をもっと強調すると、「いろいろな人たちと連携している園藝部」的なアピール度が高まりそうな気がしました。
>5月授業レポート担当:日曜クラス くろだ